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日本の隠れた宝を発見する

あまり宣伝されていない日本の魅力を経験してみたい旅行者に役立つ最高のヒント (Getty)
あまり宣伝されていない日本の魅力を経験してみたい旅行者に役立つ最高のヒント (Getty)
25 Oct 2019 04:10:03 GMT9

アラブニュース  ドバイ

山あいの渓谷に隠されてきた歴史

白川郷・五箇山の合掌造り集落は、樹々に覆われた人里離れた雪深い山の中にあるユネスコの世界遺産である。荻町、相倉、菅沼の3つの集落は、合掌造り (「祈る人の手のような造り」という意味。屋根が、祈るために合わせた両手のように見えるところからそう名付けられた) と呼ばれる旧い建築様式で建てられた多層階の大きな農家の建物で知られる。屋根がこのような造りになっているのは雪が落ちやすいからである。

集落は切り立った山に囲まれ、かつてこの山をを越えるのは容易ではなかった。そのため集落は1950年代まで外の世界から隔絶されていたのだが、その結果地域一帯には独自の伝統が発達した (何世紀もこの地域の主要な収入源は養蚕だった) 。美しさという点でも、また文化的な意味でも、これらの集落は世界に類のないものである。

三鷹のジブリ美術館  

スタジオジブリは多数の賞に輝くアニメ (「となりのトトロ」「千と千尋の神隠し」「ハウルの動く城」など) を作ってきたアニメ制作プロダクションであり、ジブリ美術館はこのスタジオの作品のためだけに作られた美術館である。宮崎駿監督がデザインしたこの美術館はそれ自体一つのアート作品である。たくさんの螺旋階段の先には展示物や屋内橋があるが、時には行き止まりになっていることも。美術館をデザインするにあたって宮崎監督はマニフェストのようなものを出した。その中で監督はこの美術館を「一本の映画としてつくりたい。威張った建物、立派そうな建物、豪華そうな建物、密封された建物にしたくない。ホッとできるいい空間にしたい」と語っている。監督はまた美術館をスタジオの作品を予め知っているジブリファンだけのものにはしたくないと強調し、「みるだけでも楽しく、つくる人間の心がつたわり、アニメーションへの新しい見方が生まれてくる場所をつくりたい」とも述べている。美術館はスタジオが作る綿密な作品同様とても美しい。

養老の奇妙な公園

養老天命反転地は他の公園とは違う。入場時にヘルメットを渡されることでそれが分かるだろう。前衛芸術家であり建築家であった 故荒川修作氏と故マドリン・ギンズ氏が設計したこの公園には、たくさんの急勾配の丘、奇妙なアングル、真っ暗な部屋、深い穴 (一部しか綱が張られていない。有難いことに真っ暗な部屋には無いが)、困惑を誘うような眺めが溢れている。例えば「極限で似るものの家」では家具が壁や天井から突き出ているし、「昆虫山脈」はただ岩が高く積み重ねられているだけである。この山の頂上には水があり、それを求めてよじ登りたい気分にさせられる。

天命反転地は万人向けではない。そのことはネットのレビューの意見が大きく割れていることからも分かる (例えば、「忘れられないほど奇抜」と5段階中の4を付けている人もいれば、「一体どう楽しめばいいのか分からなかった」と1を付けている人もいる)。この公園は、いわば健康的で安全な悪夢であり、おそらく幼児や高齢者は行かない方がいいだろう。しかしユニークな経験であることは間違いない。

直島美術館

瀬戸内海の島、直島は街それ自体が巨大な開かれたアート展示会場である。宮ノ浦の港に置かれたかの有名な草間彌生のカボチャのオブジェが最もよく知られているが、その他にも多くの美術館がある。モネの「睡蓮」シリーズがある地中美術館や現代的なベネッセハウスミュージアム。さらに国際的に高い評価を得ている多数のアーティスト (ジェームズ・タレル、李禹煥など) の作品が展示されている安藤忠雄設計の素晴らしい美術館もある。遠方の地ではあるが、アートや建築の愛好家は是非とも行くべき場所である。

祖谷の蔓の吊り橋

祖谷渓谷の景観は日本で最もドラマチックな景観の一つである。実のところこの美しい場所はもはや「隠れた宝」とは言えず (かつては人里離れていたため敵から逃れる落ち武者の通り道だったのだが)、世界中の旅行者が訪れる人気スポットとなっている。それでも日本の他の多くのハイキングルートに比べれば静かで、昔ながらの魅力が残っている。そして緑豊かな渓谷や山あいの流れの景観を楽しむのに最高の場所が、蔓でできた古い吊り橋だ。中でも有名なのが「祖谷のかずら橋」として知られる長さ45メートルの吊り橋である。橋の先には「琵琶の滝」がある。橋の渡り始めはかなりドキドキするけれど、実は丈夫なこの吊り橋、軽いパニックを感じたい人にはぴったりである。

神戸の年に一度の光の祭典

1995年1月に阪神大震災が神戸を襲い、約4,600人の市民が犠牲となった(この地震の犠牲者は全部で6,434人にのぼった)。地震によって何百件もの火災が生じ、400,000近い建物が倒壊した。それまでの70年で日本が経験した最大の地震であった。

それ以来、神戸市はこの大災害を記憶にとどめるため毎年12月に2週間にわたる光の祭典、「神戸ルミナリエ」を開催している(照明はイタリア政府からの寄贈)。期間中毎晩、開催エリアの主要道路には交通規制が敷かれ、ディスプレイを見に訪れる多くの人々が道に溢れる。ハンドペイントされた照明の電力源はバイオマスである。これは地区の電源供給が地震で破壊された時に多くの人々が耐えなければならなかった暗闇に対する辛い、しかしポジティブな反撃である。全犠牲者の名前が刻まれたモニュメントも夜間点灯される。

川崎のディストピア風ビデオアーケード

「あなたのウェアハウス」はゲーマーにとっては素晴らしい場所である。名高い (あるいは悪名高い)香港の九龍城塞を模したこのくすんだサイバーパンクディストピアでは、あちこちの金属が錆びつき、照明は付いたり消えたりして、荒廃したインダストリアルシックといった雰囲気だ。観光するには奇妙な場所だが、絶対に行ってみる価値はある。ただ本当に心惹かれ羨ましいのは、アーケードに置かれたレトロなハイテクゲームのコレクションである。

猫たちの自由区 青島

日本にはいくつかの「猫島 」があるが (大久野島という「うさぎ島」もある)、最も有名なのは愛媛県の青島である。この島では住民より猫が多く、猫と住民の比率はおよそ36:1だと言われている。全長わずか1.6kmのこの島はかつては (人の) 住民約900の漁村だった。しかし住民の数は急速に減り、朝日新聞GLOBEによると今年の島民はわずか6人、これに対しおよそ140匹の猫がいる。猫たちがえさを貰っているのは主として観光客からである。猫集団が存続していけないほど増えるのを防ぐために大部分の猫にはすでに避妊・去勢手術が施されている。

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