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中東の女性たちの物語を語り続ける10人のアラブの女性監督たち

革命後の社会状況から個人の苦難まで、女性たちはそのままでは歴史に埋もれていってしまったはずの同地域の物語を伝え続けてきた。(提供)
革命後の社会状況から個人の苦難まで、女性たちはそのままでは歴史に埋もれていってしまったはずの同地域の物語を伝え続けてきた。(提供)
02 Nov 2019 07:11:39 GMT9
  • 長年に渡ってアラブ世界の女性監督たちはカメラの裏で活動を続けてきたが、これまで彼女たちが脚光を浴びることは少なかった
  • カイロ国際映画祭は先日、5050x2020ジェンダー平等憲章に調印した

Jethu Abraham

カイロ:同地域として初めて、カイロ国際映画祭は5050x2020ジェンダー平等憲章に調印した。この憲章はエンターテインメント業界における平等を保証し、透明性を向上させることを目的としたもので、現在までに世界中で60の映画祭が調印を行っている。

アラブ世界の女性たちは、今回の憲章調印の遥か以前からカメラの裏で活動を続けてきた。革命後の社会状況から個人の苦難まで、そのままでは歴史に埋もれていってしまったはずの同地域の物語を伝え続けてきた。ここでは、アラブ世界の最も著名な10人の女性映画監督を紹介する。

  1. アンマリー・ジャシル

「A Post Oslo History」(2001年)をはじめ、ジャシルは数々のアワード受賞作の製作、監督、脚本を務めてきた。彼女の短編映画「Like Twenty Impossibles」(2003年)は、このカテゴリーではアラブの映画作品として初めて、カンヌ国際映画祭の公式選定作品に選ばれた。パレスチナ人である彼女の最新作であるコメディードラマの「Wajib」(2017年)は、18の国際的なアワードを受賞した。

  1. ヌジョーム・アル=ガネム

UAE出身の映画監督、脚本家、詩人であるアル=ガネムは、社会的スティグマ、家族からの反対、妻そして母としての責任を乗り越えなければならなかった。彼女は不利な条件を乗り越えてテレビおよび映画製作を学び、後に「Amal」(2011年)や「Sounds of the Sea」(2015年)といった作品を生み出してきた。

  1. ナディーン・ラバキー

17歳まで戦争で引き裂かれたレバノンで過ごしたラバキーは、「キャラメル」(2006年)で映画監督としてデビューした。女性中心に描かれるこのコメディ映画はカンヌ国際映画祭でプレミア上映され、女優および監督として彼女は世界的に高い評価を受けた。

  1. ハイファ・アル=マンスール

サウジアラビア初の女性映画監督であるアル=マンスールの映画では、同国の女性問題や様々なタブーが描かれている。彼女が最初に製作した3本の短編映画「Who」 (1997年)、「The Bitter Journey」(2000年)、「The Only Way Out」(2001年)は、UAEとオランダで映画賞を受賞した。

  1. ハラ・カリル

エジプトのポスト家父長制時代にキャリアをスタートさせたカリルは、大胆なテーマ性と強い女性が登場する作品を製作する新世代の映画監督を代表する存在となった。「The Best of Times」(2004年)や「The Kite」(1997年)を始めとする作品で数々の賞を受賞し、世界的な評価を受けている。

  1. マイ・マスリ

レバノンのシャティーラ難民キャンプの近くで暮らしていたマスリは、サブラー・シャティーラ事件を目撃した。彼女はパレスチナや中東の生活をテーマにした作品を製作しており、「Beirut Diaries: Truth, Lies and Videos 」(2006年)、「3000」(2006年)、「Layla」(2015年)といった作品には特にそのテーマ性がはっきり表れている。

  1. ネイラ・アル=カジャ

アル=カジャは1996年にコメディ映画「Sweet Sixteen」でキャリアをスタートさせて以来、数々の映画やドキュメンタリー作品で賞を受賞してきた。彼女は社会問題をリアルに描き出すことで称賛されており、「Arabana」(2007年)や「Animal」(2017年)といった作品は特に高い評価を受けている。

  1. カウテール・ベン・ハニア

チュニジア生まれの映画監督であるベン・ハニアは、大胆なテーマ性と人物描写で高い評価を受けている。「Le Challat de Tunis」(2013年)や「Beauty and the Dog」(2017年)といった作品では、アラブの春以降の世界を舞台に、正義を求めて闘う強い女性たちを描いている。

  1. ソフィア・ジャマ

広告や短編の脚本執筆を行っていたアルジェリア出身のジャマは、自身の短編作品の1つである「Mollement un Samedi Matin」((2012年)で監督デビューする。本作は、社会道徳と法的手段の並行関係を描いている。

  1. シャハド・アミーン

サウジアラビア出身の脚本家、映画監督であるアミーンのデビュー作「Scales」(2019年)は波紋を呼んだ。本作はディストピア的世界で自分を発見していく少女の物語だ。アミーンは男性が支配する社会で影の中に生きることになる女性の個人的な旅路を描き出している。

  • 本レポートは、アラブ地域の変わりゆく状況の可能性を探るというUAE首相およびドバイ首長のビジョンを反映するためにMohammed bin Rashid Al Maktoum Global Initiatives およびビル&メリンダ・ゲイツ財団が創設したMiddle East Exchangeとの共同で、Arab Newsにより発行されました。
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