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アラブの女性たちがLondon Award(ロンドンアワード)ショーを祝った

クウェートの市民活動グループ「Abolish Article 153(刑法153条を廃止せよ)の、Sheikha Al-NafisiとSundus HusseinがCampaign for Social Change Award(社会変革キャンペーン賞)を受賞した様子。(付属)
クウェートの市民活動グループ「Abolish Article 153(刑法153条を廃止せよ)の、Sheikha Al-NafisiとSundus HusseinがCampaign for Social Change Award(社会変革キャンペーン賞)を受賞した様子。(付属)
年間アラブの女性賞)の受賞者と主催者、ロンドンのステージ上にて(付属)
年間アラブの女性賞)の受賞者と主催者、ロンドンのステージ上にて(付属)
特別支援教育賞)を受賞したHH Dania Al-Saud氏(付属)
特別支援教育賞)を受賞したHH Dania Al-Saud氏(付属)
05 Dec 2019 11:12:26 GMT9
  • 「名誉」の殺人を終わらせるために戦う女性たちに特別賞が贈呈された
  • HH Dania Al-Saud氏は 『Genius Center(天才センター)』 の監督としてAchievement in Special Needs Education Award(特別支援教育賞)を受賞した

 

Denise Marray【ロンドン】

業績やビジョンを通じて社会に良い影響を与えた、注目すべきアラブの女性たちを、11月27日にロンドンで催されたArab Women of the Year Awards(年間アラブの女性賞)で祝った

この煌びやかなイベントは、レバノンのソーシャルメディアインフルエンサーで起業家のAlice Abdel Aziz氏が主催し、Langhamホテルで催された。本年の特別賞は、苦しみに満ちた「名誉」の殺人を終わらせるために戦う女性たちに贈呈された。

the London Arabia Organization(ロンドンアラビア・オーガニゼーション)とthe Arab Women of the Year Awards(年間アラブの女性賞)のCEOであるOmar Bdour氏はオープニングスピーチで「社会として、今や私たちは名誉の殺人についてのニュースを見て、次の話題へと画面をフリックすることに慣れてしまっています。ショックは徐々に消えてしまいました。しかし8月に別の名誉の犯罪がアラブ世界を揺るがしました、Israa Ghrayebさんの事件です」と言った。Bdour氏が述べているのは、21歳のパレスチナ人がベツレヘムで、婚約をするはずだった前日に彼女のフィアンセと一緒に撮ったセルフィーを投稿した後で殴り殺されたとされる事件のことだ。

「彼女の殺人における必要のない残忍さに、なぜ、どうしてこんな事件がいまだに起こっているのかと疑問を抱かずにはいられませんでした」Bdour氏は続けた。「Israaさんの事件は国際的にヘッドラインを飾りましたが、いわゆる名誉の殺人は驚くべき速度で世界中で起こっていて、そのほとんどがきちんと報道されることもなく、被害者のための正義もありません」

「しばしば名誉の殺人はイスラム教とイスラム社会の一部分だといった危険な結論に至っています。私を知る人は私が信仰心の強い人間ではないことを知っていて、私はイスラム教を擁護するためにここに来たわけではありません。ですがイスラム教から生まれた名誉に基づく暴力という考え方は完全に誤ったものであり、ネガティブなイスラム恐怖症の比喩にぴったりと合います。そしてこうした犯罪の、役に立たないメディアの報道の中にはっきりと見てとれるものなのです。

「私たちが合わせて認識しなければならないのは、名誉の殺人はイスラム教によって承認されたものではないということです」彼は続けた。「いわゆる名誉の殺人は他の宗教と同様に禁止されていて、殺人事件として捉えられます」

ヨルダンの作家でジャーナリストのRana Husseini氏は『Murder in the name of Honor(名誉の名の下での殺人)』という本を書き、この恐ろしい犯罪を終わらせるために戦う作品を称してthe Achievement in Social Impact award(社会的インパクト賞)を受賞した。

「私はいわゆる名誉の殺人の問題に25年以上携わっています。名誉の殺人に反対し、家族の名誉の名の下に殺された女性たちを報道しています。多くの法律が変わり、このような殺人を拒絶する方向へ社会の意見が変わり始めています」と彼女はイベントでアラブニュースに対して述べた。「私のような人間やこの問題に従事する方々がより一層受け入れられるようになってきました」

彼女の活動が原因で危険な目に遭ったことがあるかどうか質問しました。

「活動を始めた当初は(ありました)、でも今では状況は変わっています」と彼女は言った。「女性に対する暴力などの問題に取り組むことに、皆さんはよりオープンになってきています。私たちの世界の一部分、また実際に他国においても、長らくこの問題について話すことは受け入れられませんでした。『女性に対する暴力』は家族や『家庭内』の問題と見なされていましたので、大きな変化があったのです」

「バーレーン、クウェート、イエメン、その他の世界の各国には多くの戦う女性たちがいます」彼女は続けた。「過去に国連は『女性に対する暴力』といった総称的な表現を使用していました。今ではもっと具体的なことを意味するようになってきています。国連は花嫁の焼身、いわゆる名誉の殺人、女性器切除、女性の移動の否定について話し合っています。これらすべての犯罪が今では個別に取り組まれています」

名誉の犯罪に取り組み始めた頃、真実を報道しているのだと人々を説得するのが難しかったとHusseini氏は言った。

「『こんなことは起こらない』だとか、『話を誇張している』、他には『ヨルダンのイメージや評判を傷つけようとしているのだろう』と周りから言われました。「でもいつも、自分と自分のしていることを信じて、不運にも夢を叶えられず亡くなった女性たちの声になるのだと信じてきました」彼女は説明した。「私のできる限りのことを、一人の良き市民として、ジャーナリストとして、人権活動家として、手助けしてきました」

クウェートの市民活動グループ「Abolish Article 153(刑法153条を廃止せよ)」のSheikha Al-Nafisi氏とSundus Hussein氏は、仲間の活動家たちを代表して「Campaign for Social Change Award(社会変革キャンペーン賞)」を受賞した。刑法153条はクウェートの刑法の一部だとHussein氏は説明した。「その刑法によると、ある男性が妻と別の人間との恥ずかしい状況を目撃した際、実際には妻、姉妹、母、おば、女性の親族なら誰でも良いのですが、その当事者の女性を殺害しても、殺人ではなく軽犯罪と見なされます。その男性は2つの刑罰、3年間の投獄または(774ドル)相当の(罰金の)支払いのうち、どちらかを選べます。これは実際にアラブの法律ではなく、ナポレオンの法律です。アラブ世界に取り入れられたフランスの法律で、種族のものとされました。この法律を廃止する法案は、今では議会で緊急の必要があるとされています」

「クウェートで刑法153条を廃止するために、ここ5年間戦ってきました。これを実現して、刑法が廃止されるよう、引き続き頑張ることが大切です。これは凶悪な犯罪なのです。この法律は存在すべきではありません、恥ずべきものです。この賞によって、大臣や議員や意志決定者に話す際に、私たちはより認知され正当性を持てるようになります。国際的なコミュニティーによって認められたニーズがあるということを、皆さんにもっと聞いてもらって認識してもらえるようになります」とAl-Nafisi氏は言った。

私たちのグループは他の差別的な法律にも取り組もうとしていますと、Al-Nafisi氏は付け加えた。「いかなる形での女性に対する暴力はやめなければなりません。時間はかかるでしょうが、継続的に活動を続けていけば辿り着けるはずです」

サウジアラビアを代表してHH Dania Al-Saud氏は、リャドで障害を持った子供たちにデイケアサービスを提供する『Genius Center(天才センター)』の監督として、the Achievement in Special Needs Education Award(特別支援教育賞)を受賞した。

「この賞をいただいたことにとても感謝しています」と彼女はアラブニュースに言った。「私は心理学者で、特別な支援を必要とする(子供たちを)助けることに情熱を燃やしています。このような子供たちのことを社会にはもっと愛して欲しいですし、もっと多くの教育を与えて欲しいと思っています。社会の外側にいて欲しくはありません。他の皆と一緒になって欲しいのです。特別な支援を必要とする子供たちへの関心を高めて、子供たちが持つ能力を理解することが、私の仕事であり、すべての人の責任です」

その他に表彰された卓越した女性たちは以下のとおりです。家族支援賞を受賞したUAEのHE Rym Abdulla Al-Falasy氏、スポーツ賞を受賞したチュニジアのテニス選手Ons Jabeur氏、ビジネス賞を受賞したMohsin Haider Darwish LLCのLujaina Darwish代表取締役(オマーン)、テレビ賞を受賞した司会でプロデューサーで映画ジャーナリストのRaya Abirached氏(レバノン)、ジャーナリズム賞を受賞したバーレーンジャーナリスト協会のAhdeya Ahmed会長、経済発展とリーダーシップ賞を受賞したクウェート経済情勢閣外大臣のHE Mariam Al-Aqeel氏、世界男女同権賞を受賞したIpsos Global AffairsのCEOのHE Najat Vallaud-Belkacem氏(フランス/モロッコ)、文化交流賞を受賞した複数の楽器を演奏するエジプトのザ・アユブ・シスターズ。

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