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OPECプラスの会合延期で石油価格が大幅下落、ウィルスによる死者数の失速で株価急騰

ロシアのオムスクにあるガスプロムネフチトの石油精製所の眺め(ロイター/Alexey Malgavko/ファイル写真)
ロシアのオムスクにあるガスプロムネフチトの石油精製所の眺め(ロイター/Alexey Malgavko/ファイル写真)
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06 Apr 2020 03:04:03 GMT9
06 Apr 2020 03:04:03 GMT9
  • ジョンソン首相の入院でイギリスポンドが下落
  • 株式投資家ら、COVID-19による死者数失速に注目

Swati Pandey

シドニー:石油産出量削減に関するサウジ-ロシア間の交渉が延期されたことを受け、過剰供給懸念が残って石油価格が下落した。一方株価の方は、コロナウィルス関連の死者数と新たな感染者数の失速で投資家たちが活気づき、急騰した。

外貨市場では、コロナウィルスのパンデミックが急速に拡大する中、英首相がコロナウィルスの感染症状が長引いて入院したことを受け、ポンドが下落した。サウジアラビアとロシアが石油産出量削減に関する潜在的インパクトをめぐる交渉を4月9日(木)まで延期することが決まった後、アジア市場での取引開始直後、ブレント原油が$3まで下落した。アナリストたちによると、このニュースによって外貨市場でもある程度の売却が行われるだろうという。

また、カナダのトロントにあるケンブリッジ・グローバル・ペイメンツの主任市場ストラテジスト、Karl Schamotta氏によると、ポンドの下落は、ボリス・ジョンソン首相と共にブリーフィングに同席していた他の政府高官もウィルスに感染している可能性があるという懸念によるものだという。ポンドは4月6日(月)の取引開始当初、反射的に0.4%下落し、最終的には0.3%安の$1.2222に終わった。

「ウィルスの感染拡大とそれに対する抑止対策が市場の動きの中心的な要因であることは言うまでもありません」とCMC マーケッツの主任市場ストラテジスト、Michael McCarthy氏は言う。

実際、株式投資家たちはフランスやイタリアをはじめとするヨーロッパ主要国での死亡率低下の報告を受け、それを期待要因ととらえた。

米国のドナルド・トランプ大統領がコロナウィルス危機について、米国は「横ばい」状態になりつつあるという希望的観測を表明した後、4月6日(月)の取引前半で米国株式先物取引は1.5% 以上上昇した。

ニューヨーク州のアンドリュー・クオモ知事が、同州内のコロナウィルス危機が停滞期に入ったかどうかはまだ明らかではないという警告をしたにもかかわらず、この上昇が見られた。イタリアでは集中治療を受けている感染者数が2日続けて減少しており、投資家たちはCOVID-19感染者数がヨーロッパで上限に達したらしいことに安堵した。

アジアでは、オーストラリアのベンチマークインデックスが0.5%上昇、日本の日経が0.2%上昇、一方韓国のKOSPIインデックスは1.4%の上昇を見せた。それによって日本以外のアジア株式に関するMSCIの最も広範囲のインデックスが0.1%上昇した。中国市場は祝日につき休場。

現在市場の注目は、ロックダウン体制から抜け出す方法や、パンデミック抑止対策を次なるパンデミックのリスクを取らずにどの程度まで解除できるかということへ向けられるようになるでしょう」とナショナル・オーストラリア銀行のアナリスト、Tapas Stricklandしがメモの中に書いている。「中国が力強くリバウンドするための鍵は、コロナウィルス感染の震源地である武漢のコロナウィルス抑止対策の解除でしょう。4月8日に抑止対策が解除されることになっています。」

しかし、Strickland氏によると、中国国内の多くの人々はパンデミック再発を防止するために今後もソーシャルディスタンシングと隔離制限を課されているという。ロイターの調べによると、コロナウィルスのパンデミックは64,000 人以上の死者を出し、米国ではさらに爆発的に拡大中であり、スペインとイタリアでは死者数が増大した。                               

世界経済への深刻な打撃への懸念から投資家たちは安全な国債への投資に駆り立てられたが、国債の方は利回りがほぼ過去最低となっている。その他外貨においては、若干の円安ドル高108.58、ユーロは$1.0803でほとんど動きがなく、一方リスクに敏感なオーストラリアドルは0.2% アップで$0.6004となっている。

商品取引の方では、ブレント原油の先物が6.2%下落して$2.13、1バレル$31.98、一方米国原油は7.4%下落して$2.12、1バレル$26.12に落ち着いた。スポットゴールドは0.2% 下落して1オンス$1,612.9。

ロイター

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