ニルマル・ナラヤナン

リヤド: サウジアラビアが不動産、インフラ、観光などの開発を加速させているため、サウジアラビアのギガ・プロジェクトが受注した契約額は今年20％増の1960億ドルに達したことが、新たな分析で明らかになった。

世界的な不動産コンサルタント会社Knight Frankは「サウジアラビア・ギガ・プロジェクト・レポート2025」の中で、この急増はビジョン2030変革プログラムが計画から実行へと移行しつつあることを浮き彫りにしていると述べた。

ディルイーヤ・ゲート、キング・サルマン・パーク、全長220kmのスポーツ・ブールバードといった画期的な開発が首都の景観を再構築しており、リヤドは依然としてこの推進の中核を担っている。

本レポートの調査結果は、サウジアラビアをライフスタイル、レジャー、観光、経済活動の地域ハブとして位置づけることを目指す「ビジョン2030」の進捗状況を浮き彫りにしている。

ナイト・フランクは7月に発表した別の分析で、サウジアラビア全体の建設生産額は2029年までに1,910億ドルに達し、2024年から29％増加すると予測した。

ナイト・フランクのパートナーで中東・北アフリカ地域調査責任者のファイサル・ドゥラニ氏は、最新レポートについて次のように述べている：”リヤドはサウジアラビアの新たな経済大国として確固たる地位を築いており、2019年以降王国で新たに創出された雇用の63％を占めている。”

また、”2016年以来、不動産、インフラ、交通機関全体で2370億ドル以上のプロジェクトが発表されており、すでに440億ドルの建設契約が結ばれている。”と付け加えた。

ドゥラニ氏によると、これらの投資は、2022年の700万人から2030年には1,010万人へと増加する同市の人口を支え、34万戸以上の新しい住宅、480万平方メートルのオフィススペース、300万平方メートルの小売店、約3万室のホテルが建設されるという。

さらに同氏は、リヤドは「世界で最も野心的な都市成長ストーリーのひとつ」を目の当たりにしていると述べ、現在進行中の開発規模は、首都をビジネス、観光、グローバル人材の世界的ハブとして位置づけるのに役立つだろうと付け加えた。

ディルイーヤ・ゲートは、リヤドを代表するギガ・プロジェクトのひとつであり、サウジアラビア最初の国家が誕生した場所でもある。

2024年には59億ドル相当の契約が結ばれ、2025年の最初の8ヶ月間にも37億ドルの契約が結ばれた。ディルイーヤのプロジェクト総額は145億ドルで、さらに456億ドルのプロジェクトが進行中であるとナイト・フランクは述べている。

サウジアラビア西部

サウジアラビア西部では、17のギガ・プロジェクトが進行中で、2016年以降に発表された投資総額は4313億ドルに上るという。そのうち570億ドルがすでに発注され、1872億ドルがまだ準備中である。

Neom、紅海グローバル・プロジェクト、Qiddiya Coastがあるこの地域は、ビジョン2030アジェンダの目玉であり、この地域を未来志向の生活、高級観光、持続可能性の拠点に変えることを目的としている。

2030年までに、38万2,500戸以上の新しい住宅、300万平方メートルを超えるオフィススペース、430万平方メートルの小売スペース、33万室のホテルが建設される予定だ。

ナイト・フランク社は、マグナ4億7000万ドル、トロヘナ33億1000万ドル、ザ・ライン89億ドル、オキサゴン93億ドルなど、これまでにネオムとそのサブプロジェクトで240億ドル相当の建設契約が結ばれていることを明らかにした。

全国展開

リヤドと西側回廊以外では、他の地域や国家的イニシアティブにまたがるギガ・プロジェクトが1,323億ドルの投資に相当し、これには314億ドルの受託プロジェクトと853億ドルのパイプラインが含まれる。

「主要な中心部以外でも、国内観光を促進するためのアセアとそのスダ山脈の開発から、ダウンタウン株式会社を通じた繁華街の活性化まで、プロジェクトは居住性と統合性を高めています」と、ナイト・フランクのMENA地域パートナー（コンサルティング部門責任者）であるハーメン・デ・ヨング氏は述べている。

また、National Housing Co.は大規模な公共住宅計画を進めており、ＰＩＦ(公共投資基金）が支援するROSHNは、持ち家を拡大し、新しい都市ライフスタイルを導入するためのマスタープラン・コミュニティを開発している。

スポーツ・レジャー投資

ナイト・フランクはまた、ビジョン2030の重要な柱であるスポーツとエンターテイメントのインフラへの王国の注目の高まりを強調した。2027年のAFCアジアカップや2034年のFIFAワールドカップといった世界的なイベントを控え、約12のスタジアムが建設・拡張中で、175億ドルの投資額となる。

一方、公共投資基金の子会社であるサウジアラビア・エンターテインメント・ベンチャーズ（SEVEN）は、主要都市で47億ドル以上のエンターテインメント施設を展開している。このプロジェクトには、テーマパーク、映画館、ファミリーレジャーセンターが含まれ、57万平方メートル以上の売り場面積がある。

「サウジアラビアのスタジアムやエンターテインメント・デスティネーション・プロジェクトの強力なパイプラインは、世界クラスのスポーツイベントを開催するという政府の野心だけでなく、経済を多様化し、生活の質を向上させるという政府の戦略を反映している」と、ナイト・フランクのリサーチ担当アソシエイト・パートナーのアマール・フサイン氏は述べた。

同コンサルタント会社は、プロジェクトの実行と契約締結のペースは、サウジアラビアの数兆ドル規模の「ビジョン2030」計画が、かつては意欲的な計画と見られていたものの、現在ではしっかりと実現段階に入りつつあることを示していると述べている。