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海外在住レバノン人への懇願 – 空港は再開した、帰省してほしい、ドルを持ち込んでほしい

湾岸諸国だけで約40万人が働いている。 (シャッターストック)
湾岸諸国だけで約40万人が働いている。 (シャッターストック)
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02 Jul 2020 09:07:59 GMT9
02 Jul 2020 09:07:59 GMT9

ナジア・フサリ

ベイルート:水曜日、新型コロナウイルス蔓延対策で4か月閉鎖されていたベイルートの空港が再開された。そんななか、海外在住のレバノン人に対し、夏に帰省してほしいとの呼び掛けがあった。帰国し、ドルを持ち込んでほしい、と。

レバノン・ポンドは今年、その価値の80%を失った。闇市場での対ドル取引レートが、公式固定水準である1,507ポンドから9,000ポンドに急落したのである。

食料価格は高騰し、企業は閉鎖され、給料や貯蓄は急速に消え失せ、失業率は急上昇した。

国はハードカレンシーを切実に必要としている。そして、ハッサン・ディアブ首相はそれがどこにあるかを知っている。「旅行者は好きなだけ多くのお金を持ち込むことが許可されている。誰もそれを止めることなはい」と首相は水曜日の閣議で述べた。

「海外在住のレバノン人には、ドルを持って帰省し、家族や同胞を助けてやってほしい」

レバノン人のディアスポラは、レバノンの人口500万人の約3倍の規模はあると考えられており、繁栄を遂げるレバノン人コミュニティは世界中のあちこちに存在する。

湾岸諸国だけで約40万人が働いている。里帰りは夏の伝統だし、毎月家族に現金を仕送りする人も多い。だが今、海外在住レバノン人のなかには、祖国との関係を断ち切ろうと考えている人も出てきた。腐敗し、自分たちから未来を奪うような国とは関係を続けたくないというのだ。

「この夏に里帰りを考えているレバノン人なら、帰国中に必要なものだけを持っていこうと考えると思います。それ以上は1ペニーでも持っていくもんか、と思っていますよ」と、1997年からドバイに住み、ブランドコンサルタント会社を経営するハサン・ファドラッラーさんは言う。

「経済への投資を考えている人など、いないんじゃないでしょうか。受け取る側が助けに値しないような人たちだと分かっていれば、なおさらですよ」

米フィラデルフィア在住のレバノン人医師、エリー・フェアズさんは次のように語っている。「苦労して稼いだお金を腐敗した政府に楽々と渡すようなことは絶対にしません。そんなことしたら腐敗を永続させるだけですからね」

レバノン国内では、最も崩壊経済の影響を受けているのが、すでに貧困状態にある地域である。「トリポリの社会的現実は壊滅的な状態が続いており、国民はいつ爆発してもおかしくない火山の上に座っているようなものです」とレバノン産業連盟のオマール・ハラブ氏は言う。

「北部では2万8千社の企業が閉鎖に向かっており、そのうち1万社がトリポリにあり、60万人が路頭に迷うことになります」

「問題はますます深刻化するばかりで、余裕などなくなっています。貧困は新たな地域にも広がり、革命は激化するでしょう。そんな時だというのに、政治家はただ椅子に座って理論を述べるだけです。何の解決策を講じようともしていません」

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