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原油価格が安定、新型コロナに対する懸念はあるが鉱工業生産指数が改善

ノースダコタ州西部のマッケンジー郡にある原油採掘装置。ここ1カ月間、ブレント原油は41ドルから45ドルの範囲で取引されている。(AP / 資料写真)
ノースダコタ州西部のマッケンジー郡にある原油採掘装置。ここ1カ月間、ブレント原油は41ドルから45ドルの範囲で取引されている。(AP / 資料写真)
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04 Aug 2020 05:08:24 GMT9
04 Aug 2020 05:08:24 GMT9

ロンドン: 8月3日の原油先物相場は堅調に推移した。世界中で新型コロナの感染者数が増大し、OPEC加盟国と非加盟の主要産油国が減産を縮小するとみられ供給過剰になるとの懸念がある反面、ヨーロッパやアジアの鉱工業生産指数が上昇したためだ。

ブレント原油先物は5セント(0.1%)高の1バレル = 43.57ドルで取引され、アメリカのウェスト・テキサス・インターミディエート(WTI)原油先物は6セント(0.1%)上昇し40.33ドルで取引された。

ここ1カ月間、ブレント原油先物は41ドルから45ドルの範囲で取引されている。

「原油先物市場は非常に安定した状態が続いています」とシンガポールING銀行でコモディティ市場戦略を率いるウォーレン・パターソンは語った。

「投機筋は需要回復について神経質な見方を強めているようですが、価格動向は今年後半に向けた市場予測よりはるかに穏やかです」

新型コロナ感染者数はアメリカで上昇が続き、世界全体では1800万人に到達しそうな勢いだ。しかし新たな規制を導入したりこれまでの経済活動制限を延長したりするなどの感染拡大を抑える動きをとる国が増えている。コロナウィルスが再び猛威を振るうなか石油需要はなだらかに回復しているが、投資家側は供給過剰についても懸念している。石油輸出国機構(OPEC)と非加盟の主要産油国で構成される「OPECプラス」が8月から石油減産を緩和する方向で動いているからだ。

「OPECプラスが増産に転じることで、コロナの感染第2波による各国の景気後退と重なり、石油需要の回復が不透明になるとの懸念が広がっているようです」と仏銀行大手BNPパリバでコモディティ・リサーチ部門を率いるハリー・チリンギリアンは語った。

OPECプラスは5月から日量970万バレルの協調減産を実施している。8月から12月にかけては、日量770万バレルまで減産を緩和していくと公式に発表されている。

7月にロシアの石油・液化天然ガス生産量は日量937万バレルだった。それに対し8月1日~2日にかけては、日量980万バレルに増加したと、産出量に詳しい情報筋が3日に語った。

原油価格は今四半期前半に下落したが、2019年初期以来はじめてユーロ圏全体の鉱工業生産指数が上昇したという調査結果を受け、ある程度持ち直した。

アジアの鉱工業生産指数が上昇したのも原油価格の持ち直しに一役買った。

7月31日にロイター通信が行った調査によると、新型コロナによる経済活動制限が徐々に緩和されていくため今年の原油価格はなだらかに上昇していくという。しかしコロナの感染第2波により価格上昇のペースが落ちる可能性はある。

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