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S&Pが債務不履行後のレバノン債を格下げ

8月初旬に街を破壊した悲惨な爆発により壊滅的打撃を受けたベイルートの港。この爆発は同国で高まっている経済の混乱に拍車をかけた。(AFP)
8月初旬に街を破壊した悲惨な爆発により壊滅的打撃を受けたベイルートの港。この爆発は同国で高まっている経済の混乱に拍車をかけた。(AFP)
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23 Aug 2020 05:08:39 GMT9
23 Aug 2020 05:08:39 GMT9
  • 評価機関は悪化している経済と債務不履行統制に対する政治的空白に言及

ワシントン:信用評価機関S&Pが、債務不履行後に発行されたレバノンの政府債の評価を引き下げ、今月初旬に起きたベイルートの壊滅的な爆発事故を受けて悪化した同国の経済危機に言及した。

S&Pグローバルレーティングは、レバノンが3月に初の債務不履行を起こした外貨建て債に対しては「選択的債務不履行(SD)」を維持した。しかし同機関は、新たな3つの債券については「CC」から「D」へ引き下げたと述べた。

「ベイルートで最近起きた壊滅的な爆発が、同国の経済危機をより深刻化している」と、S&Pは声明で述べた。「長期化する政治的空白や無力な新政府が、政策改革や対外援助、債務再編交渉をさらに遅らせる可能性がある」

同国の首都は、8月4日に181人の死者と数千人の負傷者を出したベイルート港の大爆発によって破壊された。その後、政府に対する抗議運動が起こり、内閣は退陣に追い込まれた。

悲惨な爆発のショックがまだ残る同国では、コロナウイルスの1日の感染者数で記録的な数字が続いたことを受け、金曜にロックダウンも再開された。

「レバノンは最近の出来事の前から、債権者たちとの債務再編交渉をあまり進展させてこなかった」と、S&Pは言う。

IMFは同国政府と協力して、債務再編を補強し数十億ドル規模のさらなる援助の道を開く可能性のある新たな支援プログラムに関する合意をまとめようとしてきた。

レバノン政府によれば、同国は2018年に支援が約束されている110億ドルを含む、200億ドルの外国からの援助を必要としている。

しかし、これには「捉えどころのなさが残る。レバノンの主要な政治機関とプレイヤーたちが、同国の危機の原因と範囲について意見をまとめることができないからだ」と、S&Pは言う。

「経済、財政、および金融の構造改革実施に対する強い決意が見られず、IMFプログラムが提供する政策アンカーもないため、債務再編交渉は2020年を超えて長引くだろうと予想する」

  AFP

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