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3回目を迎える年次未来投資イニシアチブがリヤドで開幕

キャプション:3日間開催される未来投資イニシアチブ会議に出席するためにリヤドのリッツ・カールトン・ホテルに到着する参加者。(AN/ジヤード・アルアルファジュ)
キャプション:3日間開催される未来投資イニシアチブ会議に出席するためにリヤドのリッツ・カールトン・ホテルに到着する参加者。(AN/ジヤード・アルアルファジュ)
29 Oct 2019 03:10:21 GMT9
  • 公的投資基金のアル=ルマヤンCEO:サウジアラムコは近日中に法人株主を増加させる予定
  • サウジアラムコは「利害の対立を防ぐために」サウジアラビアのエネルギー省から分離

ドバイ:サウジアラビアの公的投資基金を率いるヤシル・アル=ルマヤン氏は、リヤドの高級ホテルであるリッツ・カールトンで3日間にわたって開催中の未来投資イニシアチブの開幕全体会合の場で、サウジアラムコは法人株主を増やす予定であると発表した。

サウジアラムコのIPOはタダウル証券取引所が舞台になるとみられており、いつ公式に発表されてもおかしくない秒読み段階になっている。ロシアや中国の投資家は、世界最大の石油会社のIPOに他の海外投資家と並んで参加することに意欲を示している。

アル=ルマヤン氏はまた、サウジアラムコをサウジアラビアのエネルギー省から分離させたことの目的は、「利害の対立を防ぐため」だったとも説明した。

公的投資基金のトップは、未来投資イニシアチブの開幕スピーチにおいて、同イニシアチブは単なる年1度の集まりから関係構築のためのハブに成長したと語った。

未来投資イニシアチブ2019の第1日目のセッションを観る:

https://youtu.be/NTEjFS8RuyM

「これまでは、未来投資イニシアチブは単なる年1度の集まりでした。今日では機構のようになっています... 関係構築のためのグローバルなハブになるでしょう」と同氏は参加者に向けて語った。

アル=ルマヤン氏はまた、このリヤド開催の会議の参加者の幅が広がっているとも述べた。「2017年には、南北アメリカ、ヨーロッパ、及び中東からの参加者がほとんどでした。今回は日本、中国、インド、ロシアからも参加があり、全員コラボレーションの精神で団結しています」

「次の10年:経済的野望の新時代において、世界経済はいかに変貌していくか」と題された開幕全体会合では、世界的に先行きの不透明感が高まっている中、成長を促進するアイデア、イノベーション、テクノロジー、及び政策などの方法が議論された。

「先行きの不透明感は、主にテクノロジー分野で以前に増して誰もが直面している問題だと思います。インターネットやSNSによって、企業の経営や国家の管理は難しくなっています」とブラックストーン・グループの創立者でCEOを務めるスティーヴン・シュワルツマン氏は集まった参加者を前に語った。「SNS上で巻き起こり得る怒りというのは、私たち全員が何としてでも対処しなければならない問題です」

またゴールドマン・サックス・グループのジョン・ウォルドロン会長は、「過去数年で、私たちとクライアントの関係はかなり変わりました。設備投資の主要分野は、従来型の分野からイノベーション、コンピューティング、及びAIに移行しつつあります」と述べた。

さらにHSBCホールディングズでグループ最高経営責任者を務めるノエル・クイン氏は、パネリストらを前に「業界の一部はテクノロジーの使用によって劇的に変化しています」と述べた。

「かつて私たちが事業を行なっていた世界の枠組みと世界の構造は、私たちの周囲で急激に変化しています。テクノロジーによって市場は変貌しつつあり、企業はそれに適応することで生き残らなければならない状況です」とクイン氏は付け加えた。

一方でアル=ルマヤン氏はサウジアラビアのソブリン・ウェルス・ファンドの適応力を強調した。

「常に適応力を確保しなければなりません。公的投資基金では投資を通して、住居、医療、再生可能エネルギー、及びその他多くの分野にインパクトを与えています。大きな投資にはインパクトがあるので、これらの分野の不透明感を減らすことができます」と同氏は説明した。

中東及びアジア視点では、リライアンス・インダストリーズの会長兼社長を務めるムケシュ・アンバニ氏から、「世界は新技術が導入されることで変化しています。新技術によって世界経済に変化が生じ、それによって不透明感も増しますが、同時にチャンスも出現しています」とのコメントが聞かれた。

アラブ首長国連邦を拠点とするムバダラ投資グループでCEOを務めるハルドゥーン・アル=ムバラク氏は、「ここしばらく不透明感が高まっています。過去15年でそれはさらに高まっています。これからもそれは変わらないと考えていますが、それ自体は良いことでも悪いことでもありません」と述べた。

「投資機関として、私たちはこの不透明感の中、うまく前進することを試みてきました... ソブリン・ファンドであることから、長期的視点で物事を考えることができています」

ムバダラを率いる同氏はまた同様に、「テクノロジーは大きな力を持つもので、世界を変えてしまえるものです。そのため、未来を予測するのは不可能になります... 人工知能に関する用語には十分精通しておかなければなりません」とも指摘した。

またロシア直接投資基金のCEOを務めるキリル・ドミトリエフ氏は、「ソブリン・ファンドは今後特に重要な役回りを演じやすい立場となります。より遠くを見据えた計画ができますし、展開できる資金も多いですから」と述べた。

3年目を迎える今回の会議には、首脳、政府要人、及びビジネスや金融の世界の意思決定者が出席している。

本会議には、ヨルダンのアブドゥッラー国王、インドのナレンドラ・モディ首相、ブラジルのジャイール・ボルソナーロ大統領、及びナイジェリアのムハンマド・ブハリ大統領などの高官が参加予定で、経済界からはインドの複合企業体リライアンス・インダストリーズのムケシュ・アンバニ会長兼社長、ムバダラ投資グループのハルドゥーン・アル=ムバラクCEO、及びマジッド・アル=フッタイムのアラン・G・ベジャニCEOなどが開幕セッションの全体会合に出席予定だ。

Arab News

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