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ヨルダンの繊維労働者「2年間で休めたのは1日だけ」

ヨルダンの工場で働く女性労働者の姿。(提供画像)
ヨルダンの工場で働く女性労働者の姿。(提供画像)
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20 Sep 2020 03:09:55 GMT9
20 Sep 2020 03:09:55 GMT9
  • 政府系工場での権利侵害が明らかに

ダーウード・クタブ

アンマン:ヨルダン政府が設立し、補助金を出している工場で、労働者の権利が繰り返し無視されていることが、9ヶ月間の調査で明らかになった。

40歳のファーテメさんは、ヨルダン北部、アジュルン市近くのアンジャラ工場で繊維労働者として働いているが、2年半の間に1日しか休みを取っていないという。

彼女は、7人家族を養っており、給料の天引きを避けたかったと権利侵害を調査している記者たちに、話した。

カナダに拠点を置く人権ジャーナリストの支援を受けているシャファ・クオダとインサム・イスマエルの2人の記者によると、インタビューを受けた他の女性たちは、工場監督は彼女らが病気休暇を取ることを拒否したという。

同グループのアンマン事務所のコンテンツ責任者、モハマド・シャマ氏は、この記事は労働者の権利に焦点を当てた一連の調査報道の一環だと、アラブニュースに話した。

「我々は、現地の記者を訓練し、彼らの調査が完了し、弁護士の承認を得た後で、ヨルダンの独立系ニュースサイト ammannet.net に掲載します」と彼女は語った。

シャマ氏は、労働者の権利問題は「あまりにも長い間隠蔽されてきた」と言う。

アジュルンの記者たちは、この地域にある3つの工場で17人の女性労働者が直面している労働条件を調査した。

「我々は、年次休暇や病気休暇の停止、強制的な残業、職場環境における健康上、そして職業上の問題の事例を記録しました」と彼らは言う。

これらの工場は、ヨルダン政府からの支援と資金提供を受け、建設費や税制優遇措置で1億ドル程度の資金援助を受けて建設されたものだ。

ヨルダン労働省のモハマド・ジオッド報道官は、アラブニュースに、当局は工場で働く労働者からの苦情を受けていないと語った。

「我々は、随時苦情を受け付けており、それらをすべて調べています。また、問題に直面している人々を保護するためのオンラインアプリも作成しました。」と同氏は言う。

「それでも、我々がこれらの企業に連絡を取ったところ、残業を強制された者は誰もおらず、また、労働者の権利と労働衛生に関する法律を遵守しているということでした。」

ジオッド氏は、労働者自身が収入のために休日にも働きたい場合でも、「ヨルダンの労働法では許されていません。」と述べた。

国境なき弁護士団のディレクター、モアズ・モマニ氏は、政府には国民の求職を支援する義務があるが、「これは、労働検査官は、苦情の申し立てがあったかどうかにかかわらず、労働者の権利を確実に保護しなくてはならないのです。」と述べた。

フェニックス経済情報学センター(Phenix Center for Economic and Informatics Studies)のアフマド・アワド所長は、「これらの工場は低賃金の仕事に依存しています。労働者は貧しい地域から来ており、僅かな収入を得るために、受け入れ難い条件下での労働を余儀なくされています」と言う。

アワト氏の説明によると、この状況は、政府の監視が不十分であることと、労働組合がないことにより生まれた強制労働だという。

タムキーン法律扶助・人権センターのリンダ・アル・カラシュ所長は、監視の欠如が大きな問題であると言う。

「これらの工場の労働安全衛生条件が悪く、また、労働者は、その収入が最低賃金だということに苦しんでいるのです」とカラシュ所長は言う。

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