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アラムコのIPOから持続可能性へ—- サウジアラビアの2019年FII会議の重要な5つの要点

サウジアラビアの首都リヤドにあるキング・アブドゥルアズィーズ・カンファレンスセンターで開催された未来投資イニシアチブ(FII)首脳会議の参加者たち。(AFP通信)
サウジアラビアの首都リヤドにあるキング・アブドゥルアズィーズ・カンファレンスセンターで開催された未来投資イニシアチブ(FII)首脳会議の参加者たち。(AFP通信)
01 Nov 2019 11:11:55 GMT9
  • 事実上、すべての金融パネルはサウジアラムコの新規公開株式(IPO)に関していくらかの情報を得ていただけでなく、夕食の席はその話題で持ちきりだった
  • 株式公開に関して唖然とする事実の一つは、サウジアラビアがテクノロジーに費やす国民一人当たりの支出額の程度が、なんと、機械装置に夢中な日本に次ぐ第二位だったことだ

フランク・ケイン

リヤド----  ケインの城のランヤードツリーに新たに未来投資イニシアチブ(FII)のバッジをぶら下げ、次の年に向けたリヤドのまとめをする時が来た。私が今参加したのは、連続した会議の3つ目である。もしこのイベントが来年も同じ形式(下掲参照)で設定されるなら、確かに私は何らかの種類のロイヤルティ報酬を受ける資格があるだろう—— それは、リッツ・カールトンのそれぞれの出入口の空港さながらのセキュリティを特別に「軽い検査」で通過することが許される地位かもしれない?あるいは、ロボットのペッパーと二人だけのディナー?

私が今、注意散漫な状態であることはお分かりになるだろうが、FIIはそのような影響をもたらすものなのだ。早朝に出発して、リヤドのラッシュアワーに車に乗り、リッツ・カールトンのセキュリティを通過すること(その後にFIIの体験である活気のあるマインドブラスト)で、思考の流れが乱されがちだ。したがって、ある程度の秩序を求めて、ここに2019年FIIの重要な5つの要点を挙げる。

  1. サウジアラムコのIPOはかなり注目された熱い話題だった。まさに初日の朝、長らく人々が心待ちにしていた株式の売出し日が設定されたと地元メディアが報じた時、3日間を通して私が最も耳にした疑問はこれだ—— それは公式発表?事実上、すべての金融パネルはIPOに関するいくらかの情報を得ていただけでなく、夕食の席はその話題で持ちきりだった。過去3年間、王国の将来は容赦なくアラムコのIPOと絡み合ってきた。今となっては、これ以上長く待つべきではなかった。
  2. 持続可能性はチェック項目からは外されてきたが、今や世界の主要な意思決定者により、深刻に受け止められている。2017年の第一回FIIでは、気候変動と環境に関して示された懸念はリップサービスだったが、それは偏に適切なESG(環境・社会・企業統治)のチェック欄にチェックを入れるためだったという印象を受けた。2019年FIIでは、サウジアラビアのエネルギー相、アブドゥルアズィーズ王子が「循環炭素経済」に言及したのをはじめとして、多くの講演者が持続可能性を重要な主眼点とした。機の熟したアイデアほど説得力のあるものはない。
  3. 未来はスマートで自動化されているだろう。アラムコは唯一にして最大の話題だったが、より長く会議の公式の時間が費やされたのは、技術革新や人工知能、ロボット工学、デジタルインフラ、そのほかすべての「スマート」革命の話題だった。株式公開に関して唖然とする事実の一つは、サウジアラビアがテクノロジーに費やす国民一人当たりの支出額の程度が、なんと、機械装置に夢中な日本に次ぐ第二位だったことだ。ロボットのペッパーは、自動フロアクリーナーや自動運転車、存在することすら想像できないほどの多くのアプリの中の氷山の一角である。
  4. それでもFIIを成功させるのは人間である。リッツ・カールトンの飛行機の格納庫のようなホールや通路を歩くことの大きな喜びの一つは、突然の出会いだ。テラスに出て手軽にニコチンで一息つき、隣にソフトバンクの孫正義がいるのに気づく(純粋に新鮮な空気を吸い、寒々とした空調を逃れるため)。控えめに言ってもドギマギする。最高の出会いの中にはこのように始まるものもある。例えば、私は偶然にイギリスの女性実業家、アマンダ・ステイヴリーに出くわし、サッカー界を待つ大きな取引についての興味をそそる囁きを耳にした。元ホワイトハウス広報部長のアンソニー・スカラムーチと数分間、偽りのない時間を過ごしたことで、印刷できない逸話を手にし、ドナルド・トランプが二度と大統領にはならないという揺るぐことのない確信を得た。
  5. 2020年のFIIに関しては、いくつかの深刻な選択肢がある。中東における最高のソートリーダーシップ・イベントとして(「砂漠のダボス」の呼び名にふさわしく)その地位を確立した第3回の会議を成功裡に終え、2020年のFIIでは、過酷な競争が起こるだろう。次の11月には、王国は、世界の指導者が集まるG20を主催する。おそらく世界的フォーラムの分野では究極の催し物だ。リヤドは数週間以内にその両方を開催できるほど大都市だろうか。見てみようではないか。
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