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世界的なロボットコンテストでドバイがテクノロジーの評判を見せつける

FIRST Global Challengeは世界中の学生を魅了する。 上は、2017年にワシントンDCでロボットチャレンジに参加するチーム。(ファイル/ AFP)
FIRST Global Challengeは世界中の学生を魅了する。 上は、2017年にワシントンDCでロボットチャレンジに参加するチーム。(ファイル/ AFP)
02 Nov 2019 12:11:56 GMT9
  • ドバイは、『Roxo』と呼ばれる自律配送宅配ロボットをテストする米国外の最初の都市となるだろう
  • 約1500人の学生がコンテストに参加した

ドバイ:未来を見据えた大都市として印象付けるため、今週ドバイで最大の国際ロボットコンテストが開催され、世界190か国の若者が地球規模の海洋汚染の解決策に挑んだ。

イベント主催者によると、ドバイをホスト都市として選択したことは、石油が豊富なアラブ首長国連邦が革新のグローバルな拠点になり得るという承認を反映しているという。彼らは、明日の科学者とエンジニアを呼び集めることで、世界の最も差し迫った問題、特に環境に関連する問題を解決する技術の開発に役立つことへの希望も表明した。

FIRST Global Challengeの創設者であるDean Kamen氏は、中東は「大人たちがお互いにうまくやっていく方法を学んでいない」世界の一部を代表しており、人類が自ら負った傷を治すのは若者次第であると述べた。

「私たちは、破滅的状況に向けて突き進んでいます。地球温暖化、(極氷の)氷冠の融解、鳥インフルエンザ、テロリズムなど、何もかも心配です。世界のほとんどの大きな課題に対する解決策は、今日よりも優れた技術にかかっています」と同氏は語った。

「私たちの地球は崩壊寸前です。そのため、すべての国の子どもたち一人一人がテクノロジーの利用方法を学ぶことに集中し、それを武器ではなく道具として使うことに焦点を当てるべきだと考えています」と同氏は説明した。

この非公式の「ロボット工学オリンピック」は、若者にSTEMとして知られる科学、技術、工学、数学を追求することを奨励している。14〜18歳の4、5人の学生からなるチームそれぞれに、移動ロボットを組み立てるためのロッド、ホイール、ワイヤー、その他の原材料一式が提供された。彼らの任務はこうだ。さまざまなサイズのオレンジ色のボールを、海で人間が作った汚染物質を表現したフィールドから集める。ボールをすくうロボットを考え出したグループもあれば、ボールをさっと取って容器に飛ばして入れるロボットも見られた。

それから、チームはそれぞれが最大4つの国で構成される「同盟」を結成し、最終ラウンドへ向けて戦った。全体で1500人の学生が参加した。

ベラルーシがキャプテンを務め、シリア難民が含まれたチームが最終的に金メダルを獲得し、劇的なファイナルマッチでイスラエルがキャプテンを務めたチームを僅差で破った。しかし、主催者が強調したのは対立ではなく統一のメッセージだった。

「子どもたちは分かっています。 彼らにとって、これは競争ではなく『協争』なのです。テクノロジーの称賛なのです」とKamenは語った。

以前行われたイベントでは、きれいな水へのアクセスと持続可能なエネルギーに関連する課題に取り組んだ。

ロボット工学は、すでに無人自動車と無人タクシーをテストしているドバイにしっくりなじんでいる。ハイテクスタートアップ企業があふれる「インターネットシティ」と呼ばれるゾーン全体とともに国際的な起業家を引き寄せるようになった。来年の10月、ドバイではExpo 2020が開催され、世界中からの技術的なブレークスルーを迎える予定だ。

「未来の都市になるためには、世界中から適切な人材を確保する必要があります」と、世界初の人工知能を担当する大臣となった29歳のアラブ首長国連邦のオマール・アル・オラマ大臣は述べた。「人工知能はデータに基づいています。データは、これらすべての新しいテクノロジーを推進するものです。私たちにはデータの聖杯を手にしています。この国には200の国籍を代表する人々がいるのです」

フェデックスは最近、ドバイが、歩道や舗装されていない路面でさえも移動できる自律配送宅配ロボット『Roxo』をテストする、米国外で初の都市になるだろうと発表した。

『Roxo』は今週のロボットコンテストでデビューし、アフガニスタンからジンバブエといった多様な出身地のテクノロジーに精通した10代の若者の関心を集めた。彼らはドバイフェスティバルシティで交流し、体験を語り合ったり、友情を築いたりしながら、自分たちのロボットについて話し合ったりした。

「コントロールハブのトラブルが多かったため、試合ではあまりうまくいきませんでしたが、それは問題ではありませんでしたし、とても楽しみました」とオランダからの参加者Stefan Sijbesma(17)は語った。「ぼくにとって、ロボット工学は非常に重要です。なぜなら、勉強したいことや自分が人生でやりたいことを選ぶ大きな助けとなったからです」

この3日間のトーナメントはフェスティバルのような雰囲気にあふれ、アナウンサーと解説者がスポーツを放送するようなスタイルでアクションを分析し、応援する人たちは自分のチームをサポートする旗やバナーを振っていた。パビリオンの床は、世界の海を脅かす何百万トンもの汚染物質に関する事実が至る所にかかれており、「陸で結ばれ、海でつながっている」や「ともに汚染の流れを変えよう」などといったスローガンが書かれていた。

ハラハラドキドキの結果が発表されたとき、イスラエル人はウガンダ人のチームメイトと身を寄せ合って、勝利チームを抱き締めたハッピーエンディングとなった。

「信じられません。奇跡のようです」とチーム・ホープのマネージャー、Yamen Najjarは言った。このチームはシリア難民を代表していて、勝利した同盟の一員であった。

「この競争は私たちにとって非常に難しいものでした。多くの問題に直面しましたが、私たちは希望を失いませんでした」

今年初めにドバイが世界政府サミット(World Government Summit)に突然訪問し、このイベントを開催するという当初の発表を行っていた、辞任が予定されているリック・ペリー米国エネルギー長官が出席していた。ペリー長官は、テキサス州知事としてヒューストンで行われた地域大会に参加し、若い競技者の情熱と能力に「感動した」2002年以来、ロボットトーナメントを見続けていると語った。

しかし、同長官は彼らの仲間意識がさらに印象的に感じられたと語った。

「この若者たちがやっていることは驚くべきことです」とペリー長官は語った。「大人たちが国際外交の立場で失敗したかもしれないことを、この若者たちは達成できるかもしれません。もしそうであるならば、それこそがこの大会から生まれる最も重要なことかもしれません」

AP

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