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サウジアラビアの個人向け不動産ローンが10月末時点で88%増大

10月の不動産ローンの内訳をみると、別荘購入のためのローンが大半を占めて81%となっていた。上の写真はリヤドで建築中の別荘。(AFPファイル写真)
10月の不動産ローンの内訳をみると、別荘購入のためのローンが大半を占めて81%となっていた。上の写真はリヤドで建築中の別荘。(AFPファイル写真)
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11 Dec 2020 06:12:27 GMT9
11 Dec 2020 06:12:27 GMT9
  • サウジアラビアは2030年までに持ち家率70%を目指す

ラシド・ハッサン

リヤド:サウジ中央銀行の数字によると、今年年頭から10月末までに不動産ローンの総価値が88%増大し、1,055億2,000万サウジ・リヤル(281億4,200万ドル)となった。

不動産ローンへの需要の大幅増大は、ビジョン2030の一環として国民の持ち家率を70%まで引き上げるというサウジアラビア政府の目標の一つとなっており、2018年と比較して50%増となっている。

10月の不動産ローンの内訳をみると、別荘購入のためのローンが大半を占めて81%となっており、その他はアパートや土地区画の購入に使われている。

不動産ローンの情報筋によると、10月にある程度の変動がみられ、銀行と個人顧客との間で結ばれた契約数が22%増大した一方で、金融会社による契約は昨年度に比べて39%減少したという。

会計会社KPMGは最近の四半期報告の中で、サウジアラビアの銀行部門は2020年第3四半期(Q3)に一連の規制変更を行い、その一つが固定資産税法の改正で、それに よって住宅を購入する人々が優遇を受けることになったという。

KPMG リヤド事務所の業務執行社員ハリール・イブラヒム・アル=セダイスはこう言う:「サウジアラビアの銀行部門における貸付能力は、新型コロナウィルス感染症(COVID-19)の拡大以来不動産ローンの金融取引が増大し続けたため、もう限界にきている」

「サウジアラビアにおける持ち家需要の表れであり、政府による支援政策の有効性を証明するものだ」

コンサルティング会社JLLが最近出したQ3報告によれば、サウジアラビア政府が不動産売買を15%の付加価値税(VAT)の対象から免除し、その代わりに同売買に対して新たな5%の税金を課すという決定を行ったことによって、不動産部門の景気が刺激され、「住宅ローン市場における機運の継続が見込める動向が生まれ、今のところその動向は十分回復力があることが裏打ちされており、COVID-19による影響もなんとか切り抜けることができた」という。

不動産部門の回復力への明らかな兆しが、サウジリアルエステートリファイナンス会社(SRC)のCEO、ファブリス・スシニのコメントにも見ることができる。同社は2017年にサウジアラビア公共投資基金(PIF)によって不動産部門のテコ入れを目的として創設され、2020年末までに住宅ローン総額の10%、その数年後には20%を目標に定めていた。

ところが、スシニは6月にS&P グローバルに対し、「この1年における不動産市場の大幅な成長」により、SRC の目標達成の期限が延期されたと告げている。

年間の不動産ローンの総額は1月から10月までの間に88%増大しているものの、COVID-19 のパンデミックが年間の成長に影を落とし、明らかにそれなりの変動がみられた。

「個人の住宅購入への決断にCOVID-19 が影響したことは疑いの余地が無い。特に完全自宅待機期間中は尚更であり、それによって家の購入を考えている人々が家探しをすることが難しくなっていた」と金融アナリストで銀行業務の専門家であるタラート・ザキ・ハーフィズがアラブニュースに語った。

KPMG のサウジアラビア向け金融サービス部門の責任者オヴァイス・シャハブはこう指摘する:COVID-19による自宅待機期間は確かに4月における比較的低めの27%年間成長率の一因といえるが、その後の業務再開によって、6月にみられた220%という ローンの年間成長率の急成長がもたらされたとも考えられる。

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