• 教育部門は、増加する需要に対応するため、サウジの会計士の養成を強化する必要がある

ジュマナ・アル・タミミ

ドバイ：小売りやエンジニアリングの歩みに続いて、サウジ政府は最近、サウジ人でまかなうべき職業リストに会計士を追加した。アナリストらがこの決定やその長期的な恩恵を歓迎する一方で、多くは、短期的には、この仕事に就ける人材候補が不足する可能性があり、サウジ人会計士のスキルを国際基準に沿った形で向上させるためには対策を講じる必要があると考えている。

会計士の仕事の30%に自国民を雇用する決定は、5人以上の会計士を抱える王国の全ての国内民間企業に影響を与えることとなる。サウジアラビア人材社会開発大臣アフメド・アル・ラジが発表した決定によると、サウジアラビアヒジュラ暦1442年第11月（2021年6月12日）の初日から発効する予定だ。

大臣の発言によると、サウジ公認会計士機構の承認が得られると、9,800人分の雇用機会がサウジ人会計士に確保されると見込まれるとしている。

ドバイに拠点を置き、湾岸地域全体を対象に事業を展開する人材派遣会社、クーパー・フィッチの創業者でCEOのトレフォー・マーフィーは、今度の動きは、「国としては長期的にはサウジアラビアにとって良いことで、サウジ経済の一助となるだろう」と語った。しかし、短期的には、外国人会計士の席を埋める問題が発生するだろうと、彼は付け加えた。

「公認会計士の数と、公認会計士の実際の需要に、現時点でギャップがあるだけです」と、マーフィーはアラブ・ニュースに語った。

「サウジ人の公認CFOやサウジ人の公認財務責任者は確かに不足しています。これを1つの問題として乗り越える唯一の方法は、今から公認を増やし始めることです。そうすれば、時間が経つにつれて公認される人は増え、サウジ国民の供給ルートを構築できます」と、彼は付け加えた。

勅許会計士協会の中東代表、ファジーラ・ゴパリアーニもこの意見に賛同し、「会計の学位を持っていれば会計士であるという誤解」があると付け加えた。

ゴパリアーニは、会計士のポストの一部に自国民を雇用するサウジの決定を正しい方向性の良い決定だと称賛した一方、会計を学んだ十分な卒業生が教育部門から確実に入って来るようにすることで、この動きを下支えする対策が必要だと、彼女は考えている。

「これまでにサウジ政府機関と一緒に仕事をしてきて、常に改善の余地があることや、必要な養成を急ぎたい気持ちが何ものにも劣らないことはよくわかっています」と彼女は語った。

サウジアラビア統計総合庁の数値によると、全労働人口のうち、310万人がサウジ国民で、1040万人が非サウジ国民だ。同時に、サウジ国民の失業率は2020年第2四半期に3.1%上昇し、15.4%となっている。

サウジアラビアを含む湾岸地域の雇用の自国民化は、その大部分の政府にとっての主要目標で、王国のビジョン2030の野望の1つの柱だ。2018年には、サウジ労働省が12の主要経済活動で外国人労働者をサウジ労働者に据え変えることを呼び掛ける決定を発表している。2020年8月には、サウジアラビアは、エンジニアの雇用の20%を自国民化する計画を発表している。

会計士の雇用の3分の1をサウジ国民にすることは、企業の上級職員レベルでの意志決定において、サウジ国民により発言権を与えることにもなると、調査会社ユーロモニターのコンサルタント、ラビア・ヤスミーンは考える。

「これは、サウジ国民に対し、この国の経済構築への参加を促す1つの方法です。これは、より積極的になり、国の自給率を高めることを意味します」と、彼女はインタビューの中でアラブ・ニュースに対して語った。

「サウジアラビアに注目すると、これまでは、これが欠けていたのです。他の国の人々に過剰に依存してきたのです」と、ヤスミーンは付け加えた。