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OPECプラス閣僚会合、石油市場について慎重ながらも楽観視

OPECプラスでは昨年の協調減産を1カ月延長することで合意した。(Shutterstock)
OPECプラスでは昨年の協調減産を1カ月延長することで合意した。(Shutterstock)
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04 Feb 2021 12:02:28 GMT9
04 Feb 2021 12:02:28 GMT9
  • 閣僚会合では23の加盟国に対し、石油価格が回復基調にあるが気を抜かず、厳しい経済状況にあっても生産枠の急激な増加を求めないよう警告が出された

フランク・ケイン

ドバイ: サウジアラビアとロシアが主導する産油国グループ「OPECプラス」のエネルギー担当閣僚が会合を開き、2021年の世界石油市場に関して慎重ながらも楽観的な見方を示した。

ウィーンの石油輸出国機構(OPEC)本部にて開かれ、各国からエネルギー担当閣僚がオンラインで参加した。閣僚会合では「経済見通しと石油需要は今後数カ月見通しが立たない状態が続くと思われるが、世界中でワクチンの接種が徐々に進んでいるため、2021年の世界経済と石油需要は回復すると見込まれる」との共同声明が出された。

しかし同会合では23の加盟国に対し、石油価格が回復基調にあるが気を抜かず、厳しい経済状況が続いても生産枠の急激な増加を求めないよう警告が出された。

産油量を増加させずに「不確実な市況を考慮して警戒を怠らず柔軟性を維持し、これまで加盟国が利益を得られている原因である既定路線を踏み外さない」よう勧告が出された。

今回の会合はOPECプラスの共同閣僚監視委員会(JMMC)が毎月開催しているもので、加盟23カ国の経済状況を評価する役割を担っている。

共同閣僚監視委員会にはOPECプラスの方針を変更する権限はないが、来月開催される総会の流れを決める傾向はある。

サウジアラビアが月当たり自主的に100万バレル追加減産すると急きょ決定してから、今年の世界石油市場は安定した状態が続いている。減産は今週から実施されたが石油価格は上昇している。

世界的な指標であるブレント原油は1バレル58ドルを超え、過去12か月間での最高値を記録した。

「委員会では、サウジアラビアが自主的に2021年2月1日から2か月間大幅な追加減産を実行し模範的な役割を果たした件について謝意が表され、全加盟国が柔軟かつ予防的なアプローチをとる必要があるとされた」と声明にある。

OPECプラス加盟国は昨年の歴史的な減産が世界市場の安定に寄与したことで、さらに1カ月減産を継続すると決定した。

コロナ禍によるロックダウンと移動制限により需要が激減したため、脆弱となっていた石油市場から昨年4月以来約21億バレルの余剰在庫が姿を消した点が会合で指摘された。

産油量が多すぎた加盟国が以降数カ月その分を減産するという取り決めも順調に実行されるようになった。

参加国は「協調減産を完全に履行して以前の超過産出分を減産対象とすると固く約束し、速やかに市場の安定を取り戻す努力を加速させることの重要性を強調した。この点におけるナイジェリアの貢献が注目された」とある。

先進国の石油在庫が5ヶ月連続で減少したという事実により、世界市場は間違いなく回復基調にあると言える。

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