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サウジアラビアの銀行が金融セクターのパンデミック後の回復を先導

サウジアラビアの金融部門は、2021年に住宅ローンや小口ローンの貸し出しが強化されたことを背景に、貸付残高が増加した。(Getty Images)
サウジアラビアの金融部門は、2021年に住宅ローンや小口ローンの貸し出しが強化されたことを背景に、貸付残高が増加した。(Getty Images)
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12 Mar 2021 05:03:17 GMT9
12 Mar 2021 05:03:17 GMT9
  • S&Pグローバル・レーティングのアソシエイト・ディレクター、ローマン・リバルキン氏「サウジアラビアの経済は、世界的な石油需要の増加と個人消費の増加により、2021年から2022年にかけて回復すると予想される」
  • BCGの取締役社長、ゴッドフリー・サリバン氏「パンデミックはリテールバンキング部門に打撃を与えており、GCC諸国ではリテールバンクの回復が遅れるシナリオが最も可能性が高いと考えている」

Deema Al Khudair 

ジッダ:S&Pグローバル・レーティングのアソシエイト・ディレクター、ローマン・リバルキン氏は、「低金利とリスクコストの上昇にもかかわらず、サウジアラビアの銀行の収益性は2021年にGCC諸国の銀行の収益性を上回るだろう」と述べている。

「2020年に直面したショックの後、世界的な石油需要の増加と個人消費の増加により、2021年から2022年にかけてサウジアラビア経済は回復すると予想される。2022年までにはOPECプラスの減産割り当てが終了し、原油価格が上昇することで経済活動は3%近くまで上昇すると予想している」とリバルキン氏はアラブニュースに話した。

リバルキン氏は、実質国内総生産(GDP)がパンデミック前の水準に戻るのは来年以降になると考える一方、経済規模の大きさ、保守的な規制、2020年以前の活発な成長の欠如により、今後12〜24か月の間にサウジアラビアの金融部門は正常に戻り始めるだろうと述べた。

昨年サウジアラビアの金融部門では、住宅ローンや小口ローンの貸し出しが強化されたことを背景に、貸付残高の増加が見られた。リバルキン氏はこの傾向が2021年から2022年にかけても強く続くと予測している。

リバルキン氏は、「パブリック・インベストメント・ファンド(PIF)は、新しいプログラムを立ち上げ、国内で追加投資を行うことが予想されている。これにより、2021年から2022年にかけてPIFが企業向けの契約を継続的に発注し、企業の与信を伸ばすため、今後数年間で企業向け融資の需要が高まる可能性がある」と指摘した。

一方、コンサルティング会社のボストン・コンサルティング・グループ(BCG)が新しく発表した報告書によると、UAE、サウジアラビア、クウェートを含む主要なGCC経済圏における今後数年間のリテールバンクの収益見通しは、以前に比べて比較的控えめなものになるという。

BCGの取締役社長兼共同経営者、ゴッドフリー・サリバン氏は、「パンデミックはリテールバンキング部門に打撃を与えており、GCC諸国ではリテールバンクの回復が遅れるシナリオが最も可能性が高いと考えている。このシナリオでは、GCC地域のリテールバンクの収益総和は2024年までにようやく2019年に近い水準に到達し、基本的には不活発な市場となるだろう」と述べた。

ゴッドフリー・サリバン氏は、BCGの取締役社長兼共同経営者。(提供写真)

BCGの調査結果によると、パンデミックの影響を最も受けているGCC地域の銀行のリテールバンキング品目は消費者ローンと預金収入だという。

2019年にはローン(住宅ローンと消費者ローン)と預金がリテールバンキング収益の80%を占めていた。しかし最近の出来事から、今後は決済、住宅ローン、投資商品がリテールバンキングの収益増加の主な要因になると考えられる。

サリバン氏は、金融機関が「より魅力的で妥当な商品を提供することで競争し、それがエンドユーザーにとって良いことである」ため、収益の伸びの減少は消費者にとって望ましいことだと考えている。

「消費者の嗜好が変化し、人口が増加する中で競争力を維持するためには、組織内でのデータの利用と分析を強化し、既存の顧客層に幅広い商品をクロス販売することが鍵となる」とサリバン氏は述べた。

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