• 他の銀行でも経済や不動産市場の停滞を受けて人員削減を行なっている

ドバイ：アラブ世界で経済規模が第2位のアラブ首長国連邦の各銀行でコストカットが進む中、HSBCホールディングズはアラブ首長国連邦で約40人の行員をリストラし、Emirates NBDも約100人の人員削減を行なっている。

今回の人員削減は、特に不動産価格が下落しているドバイで経済成長が停滞していることを受けて行われたものだ。

ロンドンに拠点を置くHSBCは、収入の急激な落ち込みを報告し、痛みを伴うリストラの可能性を警告していた。その中で今回の解雇が行われた形だ。ノエル・クイン暫定CEOは同銀行が抱える問題に正面から取り組んでいる。

HSBCはアラブ首長国連邦内に約3,000人のスタッフを抱え、中東、北アフリカ、およびトルコ全域ではその数は10,000人近くにのぼる。

ある情報筋は、ドバイで最大の融資銀行であるEmirates NBDでの人員削減は消費者営業と負債部門で行われたとしたが、別の情報筋は今回の動きはさほど重要ではないとした。

HSBCとEmirates NBDはコメントを差し控えた。

「今回の人員削減は、厳しい市場において効率アップを図るためのコストカットと合理化の一環です」と後者の情報筋は語った。

他の銀行でも今年人員削減が行われている。アラブ首長国連邦の中央銀行のデータによると、各地域の銀行では9月末までの12ヶ月の間に446人が解雇されたとのことだ。同じ時期、外資系の銀行は人員を増やしている。

アラブ首長国連邦には35,518人の銀行従業員がおり、そのうち80%以上は各地域の銀行のスタッフとして勤務している。

Abu Dhabi Commercial Bank、Union Commercial Bank、及びAl Hilal Bankの合併では、何百人もが解雇された。

Commercial Bank International（CBI）は9月に依願退職を募集することを従業員に発表し、情報筋によると100人以上が退職したとのことだ。Standard Charteredも、9月にアラブ首長国連邦で100人以上の人員を削減した。

格付け会社のフィッチは9月に、不動産市場の停滞でアラブ首長国連邦の各銀行にはより圧力がかかることになると警告している。

ロイター通信