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国連世界観光機関、中東本部にリヤドを選択

サウジアラビアは2018年に外国人に観光部門を開放した。(ファイル/ロイター)
サウジアラビアは2018年に外国人に観光部門を開放した。(ファイル/ロイター)
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27 May 2021 04:05:25 GMT9
27 May 2021 04:05:25 GMT9

リヤド:国連世界観光機関(UNWTO)は、マドリードの本部以外の同機関初の地域事務所をリヤドに開設することを決定した。

UNWTOリヤド新事務所の主な役目は、中東地域13か国における観光産業の方針とプロジェクト内容の調整、観光商品のプロモートおよび持続可能な開発の促進である。

新事務所はまた、統計情報の収集、および観光への投資を促す活動にも従事し、地域の観光産業の安全性と衛生に関する方針の決定にも関わっていく。

「国連組織としての私たちの最優先事項は、新しい雇用を創出し、新しい観光地を生み出すことです」とUNWTOのズラブ・ポロリカシヴィリ事務局長は、リヤドで開催された2021年観光復興サミット(Tourism Recovery Summit 2021)でのスピーチの中で述べている。「世界観光機関の新事務所は、多くの人々にとって希望のしるしとなっています。観光業の再始動にはリーダーシップと調整力が必要だからです。」

事務局長によると、UNWTOは他にも、企業の支援、自然と文化遺産の保護支援、過疎化と地域間不平等への対策、人々と地域社会のエンパワーメント等を優先事項としている。

事務局長はまた、リヤドの新事務所の建物は、新型コロナウイルスの流行が続く中、8か月をかけて建設されたものだと説明した。

UNWTOの動きとは別に、サウジアラビアは世界銀行と協力して、1億ドル(約109億円)を拠出し、観光業全体のための国際基金を設立する、とサウジアラビアのアーメド・アール・ハティーブ観光相が明らかにしている。

サウジアラビアのニュースメディア、アルガームの報道によると、アール・ハティーブ観光相はリヤドでの観光復興サミット2021の際、設立される基金は新型コロナの流行により打撃を受けた観光セクター全体で人と組織の能力を育成していくことを目的としたもので、観光産業のグローバルな成長の支援に特化した最初の世界的な基金になると語っている。

「観光業界は柔軟性が足りない部分があり、14か月前にはこの分野で多くの職が失われ、多くの企業が通常の労働システムから離脱してしまうのを私たちは目の当たりにしました。観光関係の会社はすべて民間セクター主導によるものですから、観光産業全体を新しく再構築して、今回の新型コロナのような危機にも柔軟に対処できるものにしていかなければなりません」とアール・ハティーブ観光相は述べた。

観光相はまた、他の国との調整を行うことなく、次の夏のシーズンに向けた個人旅向けのプロトコルを策定したとして、EU(欧州連合)を批判した。

観光産業は「単一のグローバルなセクター」であり、旅行を促進するためには統一されたプロトコルを導入する必要があると観光相は指摘した。

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