カタリナ・カダバシ、ドバイ
サウジを拠点とする軍事企業ミドルイースト・プロパルジョン・カンパニー(MEPC)は、今後2年間に13百万ドルから16百万ドルを投じて航空機エンジン用のテストセル建設と生産ラインの新設を行う予定だ。
これらの拡張投資は、主要顧客であるサウジ防衛省向けに高度に技術的な修繕の現地対応を進め、ワンストップ化するという同社の目的を補完するものだと同社のアブドゥラー・アル=オマリーCEOはアラブニュースに語った。
航空機エンジンやエンジンモジュールを修繕のために外国へ送ると、軍事資産が実際の配備に戻るまでに時間を要する。これを現地化することで、ターンアラウンドタイムが短縮するのみならず、修繕のためのサウジ政府の支出も削減できる。
「これまでに[2001年以降]サウジアラビア国内で完全にメンテナンスが行われたエンジンとエンジンモジュールの数は1,600点以上に上ります。」アル=オマリー氏はドバイエアショー出席時にこう述べている。「エンジン関連のコストは、航空機全体のコストの45%を占めます。」
同社では、毎年150点から160点のエンジンとエンジンモジュールに対応している。
同社ウェブサイトによれば、MEPCは、中東で初のMRO(メンテナンス、修繕、オーバーホール)特化型企業だ。同社では、過去2年間に自社のMROサービスの現地化に26百万ドル以上を投じている。
「かつてはこうした部品を国外に送っており、ターンアラウンドタイムは6か月から時には24か月にも達していました…アパッチエンジンの場合には、最低でも24か月です。」アル=オマリー氏はこう述べる。同社の現地化への取り組みで、能力は大幅に改善し、ターンアラウンドタイムはわずか150日間へと短縮された。
同社がエンジンとモジュール修繕に要する期間の短縮は、サウジ軍の対応能力にも良い影響を与えると同氏は付け加えた。
同社では、エイブラムス戦車やGEのT700エンジンについてはハネウェルなど、他の軍事企業とも能力改善に向けた今後の提携の可能性について話し合っているという。
「現時点では、[サウジ防衛省に提供中のものと]同様のサービスの提供について、クウェート軍と協業の可能性について話し合っています。」同氏は、こうした協業が「今後2年程度のうちに」始まる見通しであるとしている。