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サウジ 食品・車両価格上昇でインフレ率高まる VAT引き上げの影響続く

主に生活費の圧迫につながっているのは、7.3%上昇した飲食費だ。(提供写真)
主に生活費の圧迫につながっているのは、7.3%上昇した飲食費だ。(提供写真)
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16 Jun 2021 09:06:45 GMT9
16 Jun 2021 09:06:45 GMT9
  • サウジ統計局のデータによれば、先月のインフレ率は5.3%だった

アラブニュース

リヤド:サウジアラビアは2か月連続でインフレ率が上昇し、消費者物価指数は5.7%を記録した。

サウジ統計局のデータによれば、先月のインフレ率は5.3%だった。

このインフレ率の上昇は、2020年7月に付加価値税(VAT)が5%から15%に引き上げられたことの影響が今も尾を引いていることを浮き彫りにしている。

車両価格の上昇により、交通費も19.3%上昇している。

とはいえ、主に生活費の圧迫につながっているのは、7.3%上昇した飲食費だ。生計費の算定に使用されるサウジアラビアの消費バスケットにおいて、食品は17%を占める。「とりわけ、肉(6.8%)と野菜(6.7%)の上昇が顕著だ。食品価格は2021年5月のインフレ率上昇の主要因となっている」と統計局は声明の中で指摘した。

食品価格は中東全体で上昇傾向が高まっており、エジプトも今週、5月のインフレ率(前年同月比)が4.8%となり、先月の4.1%から上昇したと報告している。また、国連食糧農業機関も今年の世界の食料輸入コストが2桁上昇するという見通しを立てている。

「今後の見通しとしては、サウジアラビアの消費者物価指数の伸びは6月がピークで、前年比6.3%前後となるとみられる」と、ロンドンを拠点とするコンサルタント会社、キャピタル・エコノミクスの中東・北アフリカ担当エコノミストのジェームズ・スワンストン氏はレポートの中で述べている。

そのうえで「ただし7月以降は、昨年のVAT税率3倍のベース効果が、前年比において働かなくなるため、インフレ率は急激に低下するとみられる。消費者物価指数は鈍化し、前年比1.0~1.5%前後で推移し、その傾向は今年いっぱい、さらには2022~23年を通して続くと考えられる」とスワンストン氏は指摘した。また、343品目の卸売価格について調査した卸売物価指数(WPI)は、主に化学・石油精製品価格の上昇とVAT増税の影響を背景に、5月は17.5%上昇した。

WPIは、化学製品価格が前年比38.4%、石油精製品価格が29.9%、それぞれ上昇したと報告されている。また過去1年間に渡って、ベースメタル価格が35.6%上昇したことを受けて、金属・機械・装置価格が18.1%上昇した。

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