Since 1975
日本語で読むアラビアのニュース
  • facebook
  • twitter
  • Home
  • ビジネス
  • 日本の景況感、新型コロナの影響が緩和され2年半ぶりの高水準に – 日銀短観

日本の景況感、新型コロナの影響が緩和され2年半ぶりの高水準に – 日銀短観

日銀短観によると、サービス業の景況感も5四半期ぶりにプラスに転じた。(AFP通信)
日銀短観によると、サービス業の景況感も5四半期ぶりにプラスに転じた。(AFP通信)
Short Url:
01 Jul 2021 04:07:01 GMT9
01 Jul 2021 04:07:01 GMT9

日銀の調査によると、日本の大企業・製造業の景況感は第2四半期に改善し、2年半ぶりの高水準となった。これは、堅調な世界需要がコロナウイルスのパンデミックによる低迷から日本経済が抜け出す後押しをしていることを示している。

また、日銀短観によると、サービス業の景況感も5四半期ぶりにプラスに転じた。これは、日本がコロナウイルス感染症の新たな波を食い止めるのに苦労しているにもかかわらず、景気回復が広がっていることを示している。

昨年の不振から利益が回復する中、企業は4月からの1年間に設備投資の増加を見込んでおり、今年後半に成長が加速すると予測している政策立案者に希望を与えている。

キャピタル・エコノミクスの日本経済専門家、トム・リアマウス氏は、「第2四半期の短観がさらに回復したことは、期待外れだった今年の経済のスタートが、ワクチンによる下半期の力強い回復を妨げることはないという我々の見解を裏付けるものだ」と述べた。

大企業・製造業の景況感を示す業況判断指数は、3月のプラス5から6月にプラス14に上昇し、4四半期連続で改善して2018年12月以来の高水準となったことが、木曜日に発表された調査で明らかになった。

新型コロナウイルスによる停滞を経て、商品流通やレジャー産業が徐々に活動を再開する中、大企業・非製造業の景況感も前回調査のマイナス1からプラス1に改善し、2020年3月以来の高い数値となった。

「輸出と生産高が引き続き改善していることから、ほとんどの製造業の景況感が改善している。しかし、自動車部門では、半導体不足の影響で景況感が悪化した」と日銀の担当者は会見で述べた。

日銀の調査によると、大企業の設備投資額は、3月を期末とする前年度の8.3%減から、今年度は9.6%増になると予想されている。

しかし、一部のアナリストは、感染者数が再び増加していることや、ワクチン接種の遅れによって消費の見通しが不透明となっていることにより、経済のパンデミックからの持続的な立ち直りがどの程度早く実現されるかについて疑問を呈している。

また、今回の調査では、原材料費の高騰や半導体不足の影響で、木材・木製品や自動車などの一部の製造業に慎重な姿勢が見られた。

BNPパリバ証券のシニアエコノミスト、白石洋氏は、「宿泊・飲食サービス業は、人々がコロナウイルスに慣れてきたためか、改善の兆しを見せているが、百貨店は新型コロナによる規制の影響をより強く受けているようだ」と述べている。

白石氏はまた、「回復のペースは、今後のコロナウイルスの状況とワクチン接種の広まりに大きく左右されるだろう」と述べた。

日本の経済は、第1四半期に年換算で3.9%の縮小となった。また、4月から6月にかけては、新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐために緊急事態宣言が発令されたことで消費が冷え込んだため、小幅な成長にとどまったと見られている。

ほとんどの地域で緊急事態宣言が解除された一方で、多くのアナリストは、ワクチン接種の遅れによって家計がレジャーや外食への支出を増やせない中で、個人消費は輸出に主導される日本の経済回復の弱点であり続けると予想している。

日銀短観は、日銀が7月15日から16日に開催し、金利見直しを行う金融政策決定会合において精査される要素の1つとなる。また、この会合では四半期ごとの成長率とインフレ率の予測が新たに発表される。

日銀短観の業況判断指数は、「良い」と答えた企業の割合から「悪い」と答えた企業の割合を引いて算出される。プラスの値は、楽観的な見方が悲観的な見方を上回っていることを意味する。

ロイター

特に人気
オススメ

return to top