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サウジアラムコの利益、石油大手をリードし、予測を上回る

世界経済の回復で石油価格が押し上げられ、サウジ王国は産油量を増加することができた。そうした中でサウジアラムコの第2四半期の利益は前年同期比で増加し、954億7000万サウジ・リヤル(254億6000万ドル)となった。(提供写真)
世界経済の回復で石油価格が押し上げられ、サウジ王国は産油量を増加することができた。そうした中でサウジアラムコの第2四半期の利益は前年同期比で増加し、954億7000万サウジ・リヤル(254億6000万ドル)となった。(提供写真)
サウジアラムコはポートフォリオ最適化戦略でも利益を得ており、ここ数ヶ月で10億ドル規模の取引を発表している。(提供写真)
サウジアラムコはポートフォリオ最適化戦略でも利益を得ており、ここ数ヶ月で10億ドル規模の取引を発表している。(提供写真)
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09 Aug 2021 12:08:55 GMT9
09 Aug 2021 12:08:55 GMT9
  • サウジアラムコは2018年以来最高額となる703億3000万サウジ・リヤル(255億ドル)の配当を宣言
  • エネルギー大手である同社の2021年度第2四半期の利益は2020年度比で約4倍

フランク・ケイン、ワン・カルロ・ディアス、シャサ・アルマソウジ、サラ・アルファイズ

ドバイ/リヤド: サウジアラムコは世界で最も利益を出している石油企業である。その他の石油大手を純利益で大きく上回り、アル・ラジヒ・キャピタルからJPモルガンに至るまで、どのアナリストの予想も超えた。

世界経済の回復で石油価格が押し上げられ、サウジ王国は産油量を増加することができた。そうした中でサウジアラムコの第2四半期の利益は前年同期比で増加し、954億7000万サウジ・リヤル(254億6000万ドル)となった。

これは288%の増益を示している。サウジアラムコはサウジ証券取引所(タダウル:Tadawul)に提出した資料の中で、これは石油価格の上昇や世界需要の回復に関係しており、新型コロナウイルスの規制の緩和、ワクチン接種キャンペーン、景気刺激策、主要な市場における活動の加速が支えとなった、と述べた。

これはエコノミストの予測の中央値である247億ドルをわずかに上回るものだった。バンク・オブ・アメリカの予測は240億ドル、JPモルガンの予測は237億ドル。そうした中、アル・ラジヒ・キャピタルの予測は253億ドルという最高値だった。

リサーチ部門代表のマゼン・アル・スダイリ氏は「サウジアラムコはアル・ラジヒ・キャピタルの予測を超える業績を出しました」と述べた。

サウジアラムコCEOのアミン・ナセル氏は「当社の第2四半期の業績は世界全体のエネルギー需要の強力な回復を反映したものです。世界的な回復に勢いがついている中、さらに回復力と柔軟性を持って2021年下半期に向かっています」と述べた。

「新型コロナの変異株がもたらす課題を巡り、依然として不確実性は残っていますが、変化する市場の条件に迅速かつ効率的に適応する能力があることを当社は示しました」氏はそう付け加えた。

主要経済大国が再び開かれ、ワクチンがさらに配布されることで石油需要は回復しており、原油は今年約40%上昇した。ここ2週間、BP、シェブロン、ロイヤル・ダッチ・シェルなどの石油企業は自社株買いや配当金を増加すると述べており、最悪のパンデミックは過ぎ去ったと自信を示した。それでも、パンデミックは「過ぎ去ったと言うには程遠いことは明らか」とナセル氏は後に記者との電話で語った。

デルタ株の拡大により、石油価格が昨年10月以来で最悪となる週が発生した。特に中国では、短期的な需要の見通しに下落リスクが加わった。ブレント原油は7%下落し、1バレルあたり70.70ドルとなった。世界の石油需要はコロナ流行前の水準を下回った状態のままとなっている。しかし来年は1日あたり1億バレルという記録に近いレベルに達するだろう、とナセル氏は記者に語った。

堅実な収益性やキャッシュポジションにもかかわらず、サウジアラムコはその他の石油大手の後を追って703億3000万サウジ・リヤルの配当を宣言した。サウジアラムコの予想配当利回りは約4%だが、BP、シャベロン、エクソン・モービルは各社とも5%超となっている。

国際的な指標銘柄であるブレント原油の1バレルあたりの価格は今年約40%上昇し、4ヶ月で最大となる週足の下落を経て、金曜に70.70ドルで取引終了した。

また、サウジアラムコはポートフォリオを最適化する戦略でも利益を得ており、ここ数ヶ月で10億ドル規模の取引を発表している。

「当社の歴史的な124億ドルのパイプライン取引は、長期間に渡る事業戦略に対する国際投資家の皆様からの承認であり、ポートフォリオ最適化計画における大きな進展を示しています。画期的な60億ドルのイスラム債券(スクーク)で堅実なバランスシートが強化され、資金源のさらなる多角化や投資家基盤の拡大をしています。そして再び、188億ドルの配当金を株主の皆様にお届けする運びとなりました」ナセル氏はそう述べた。

ナセル氏によると、サウジアラムコは特にサステナビリティや低炭素燃料に注力した複数の戦略計画を前進させるという。

資産を売却して再リースするという同社の新戦略に言及する中でナセル氏はアシャルクビジネスTVに対し、このような投資が、サウジ王国に外国からの大口投資を惹き付ける上でサウジアラムコが果たしている役割を強化する、と語った。

ナセル氏が触れたのは、6月にサウジアラムコの石油パイプライン事業の49%を、ワシントンDCを拠点とするEIGグローバル・エナジー・パートナーズなどが加盟しているコンソーシアムに124億ドルで売却した件である。

サウジアラムコの第2四半期の資本支出は前年同期比20%増となる75億ドルだった。

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