
ファハド・アブドル・ジャダエル
ジェッダ: 年内に始動予定のサウジの不動産売買のためのデジタルプラットフォームにより、ミスが生じにくく公正かつ迅速で効率的な不動産取引が促進されると期待されている。
この無料で利用できるプラットフォームは不動産の株式市場のようなもので、完成間近で今年の第4四半期中に運用を始められる予定だ。
来年にはさらに規模を拡大し、現在の市場取引の5倍の取引を処理する予定だと、同省のアフメド・アルサルマン統括責任者はCNBCの取材を受けて明らかにした。
そのうえで、「このプラットフォームは当面、不動産仲介や不動産鑑定に関わる業務を行うことはないので、関連業者の利益に反することはない」と述べた。
そして、この新たなデジタルプラットフォームは電子的な市場運用を行い、手動運用による従来のミスを回避することができると説明した。
また、同氏によれば、注文を受理する前に買い手の購買能力を評価するシステムも設ける予定だという。注文後は10日以内に購入を確定しなければならない。不動産価格を操作しようとする試みを阻止するためだ。
不動産市場はめざましく成長しており、直近7ヶ月だけで前年比70%増加している。1日に約6000件の取引が行われ、取引額は約7億リヤルに上る。
「取引プロセスはより簡単で迅速になり、1日の取引数は増加すると予想されます」とアルサルマン氏は述べている。
さらに、2022年末までに同省の1億点の不動産関連文書をデジタル化する計画も明らかにした。
この計画が初めて発表されたのは2017年で、2019年後半に開始するとされた。電子機器の活用および不動産取引の電子化を通じて、不動産管理手続きの簡素化を目指すものだ。
開始以来、デジタル化された文書は5000万点に及び、1日当たりの処理量は10万点に相当する。
サウジアラビアの不動産証書は1500万~1800万通ほどで、そのうち400万通がデジタル化されたとアルサルマン氏は述べた。
そして、2019年以降、約4万件の不動産取引(総額80億リヤル)が行われたと指摘したうえで、今回の不動産デジタルプラットフォームは、最終的には不動産株式市場的なものにつながる強固な基盤となるとの考えを示した。