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G20首脳、法人税について合意、貧しい人々へのワクチン供給加速を約束

各国首脳は2022年半ばまでに世界人口の7割への新型コロナウイルスのワクチン接種を目指す計画と将来のパンデミックに対応するタスクフォース立ち上げを支持するとみられている。(AFP/Getty Images)
各国首脳は2022年半ばまでに世界人口の7割への新型コロナウイルスのワクチン接種を目指す計画と将来のパンデミックに対応するタスクフォース立ち上げを支持するとみられている。(AFP/Getty Images)
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31 Oct 2021 01:10:57 GMT9
31 Oct 2021 01:10:57 GMT9
  • 米国のジョー・バイデン大統領を始めG20首脳の多くは直接グラスゴーに向かい、月曜日に開幕する国連気候変動会議に出席する
  • 大企業向けの最低税率を定める歴史的な合意が確認された

ローマ:経済大国の先進20カ国首脳は土曜日、大企業がタックスヘイブン(租税回避地)で行う収益隠しを防止するために世界規模の法人税最低税率を制定することで合意した。また貧困国に向けて新型コロナウイルスのワクチン供給を加速させることでも合意した。

2年ぶりに対面形式で開催されているサミットに出席するG20各国首脳は、貧困国に対する債務救済を拡張し、世界人口の7割に対する新型コロナウイルスのワクチン接種を2022年半ばまでに実現する約束について大筋で合意した。

ローマで開催されるサミットで議長を務めるイタリアは医療と経済を初日の議題最上位と位置づけていた。日曜日にはより大きな難題である気候変動が議題に上がる。

新型コロナウイルスによってもたらされた世界的危機状況を強調するため、G20サミットの伝統となっている集合写真には世界中で医療従事者が払ってきた犠牲と努力に対する賛辞として白衣を身につけた医師や赤十字職員が首脳らに加わった。

鋼鉄とガラスで作られた会議用複合施設で開催される会合の開幕あいさつでイタリアのマリオ・ドラギ首相は、各国国民が直面する手強い課題に対応するために各国政府は協力し合わなければならない、と述べた。

「パンデミックから気候変動や公正かつ公平な課税に至るまで、単独で対応するという選択肢はまったくない」とドラギ氏は語った。

法人税に関する合意は新しい形の多国間協議の賜物と讃えられた。この合意は企業が海外法人に収益を隠匿することを防ぐために、2023年以降どこで事業を行うにしろ大企業は最低でも15%の課税を受けることを定めるものだ。

「これは税率に関する合意以上のものだ。外交が世界経済を作り替え人民に還元するということなのだ」と米国のジョー・バイデン大統領はツイッターに記した。

現在イタリアにいるG20首脳の多くと同様、バイデン大統領は国連気候変動会議に出席するために日曜日に直接グラスゴーに向かう。COP26として知られる国連気候変動会議は温暖化がもたらす脅威の対策を話し合う主要会議とみなされている。

ブラジル・中国・インド・ドイツ・米国などが含まれるG20からの温室効果ガス排出は世界総排出量の約8割を占めると推測されるが、ローマでの会合によってスコットランドで開催されるCOP26の成功への道筋が立つという期待は大きくしぼんでいる状況だ。

中国の習近平国家主席とロシアのウラジミール・プーチン大統領は両者ともに会合にオンラインのリンク映像のみで出席することを決めた。有意義な合意締結を目指す外交家らはこの両国およびインドが大規模な気候解決目標制定に抵抗している、と訴えている。

イギリスのボリス・ジョンソン首相はG20およびCOP26における会合は困難であることを認めたが、勇気ある行動なくしては古代ローマ帝国と同様に世界の文明が一気に崩壊し新たな暗黒時代に突入する、と警告した。

ローマの一時の繁栄を象徴するコロッセオの円形闘技場の側で記者団と会見した同首相は「皆が必要とする同意を得ることはとてつもなく難しい」と語った。

ロイターが入手した公式声明の草稿によると、G20各国は地球温暖化を摂氏1.5度に制限するための努力を加速する、という。科学者はこのレベルを維持しない限り破滅的な気候パターンの到来は避けられない、としている。

また草稿には、既存の有害ガス排出抑制に向けた各国の国家計画はさらに強化される必要がある、と記されているが、その方法についての詳細は書かれていない。

また各国首脳は海外の石炭火力発電に対する投資を今年末までに凍結することを約束する予定であり、2030年代末までに新規の石炭火力発電所建造を停止することに「最善を尽くす」という。

何ヶ月もの間ほぼ隔離状態にあったため、対面外交を楽しむ各国首脳はメインの会談以外の場でも多くの会合を持った。その1つにおいて米国・イギリス・ドイツ・フランスはイランの核開発について話し合った。

ドラギ首相は「ここ数年国際社会が困難な状況にあったなか、今こうして皆さんとお会いできるのはとても素晴らしい」と出席者間に広がる明るい雰囲気を代弁するかのように語った。

 

 

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