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サウジアラビア、米国外で最大規模のシェールガス生産国になる計画を開始

王国は、世界第5位のシェールガス埋蔵量を誇ると言われている。(シャッターストック)
王国は、世界第5位のシェールガス埋蔵量を誇ると言われている。(シャッターストック)
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01 Dec 2021 06:12:04 GMT9
01 Dec 2021 06:12:04 GMT9
  • サウジアラビア、1,000億ドルを投じて、米国外で最大規模のシェールガス生産々になる計画を開始

マイケル・グラッキン

ロンドン:サウジアラムコがその大規模なジャフラプロジェクトで100億ドル相当の契約を締結したことで、米国以外では世界最大のシェールガス田と考えられるジャフラ地域の開発に向けて、いよいよスタートラインに立った。

過去10年間、アメリカのシェールオイル生産者と市場シェアを争ってきた王国は現在、従来の水圧破砕法(フラッキング)に変わる先進的な低コスト技術を採用しており、ジャフラに最大1,000億ドルを投じて国内のガス生産量を急速に増加させようとしている。

サウジアラビアは、世界で5番目に大きなシェールガスの埋蔵量を誇ると言われている。

サウジアラビアのエネルギー大臣アブドルアジーズ・ビン・サルマン王子は、ジャフラガス田の建設により、2030年までにサウジアラビアの天然ガス生産量は世界第3位になると述べている。

しかし、サウジアラビアには、米国のシェールガス開発の急成長を再現する可能性が本当にあるのだろうか?

サウジアラムコのアミン・ナセル最高経営責任者は確かにそう考えている。今週、契約を発表したナセル氏は次のように述べている。「これは、王国以外ではほとんど考えられなかった画期的なことであり、エネルギー安全保障、経済発展、気候保護にプラスの影響を与えるものです」

生産は今後3年以内に開始される予定だ。このガス田はよりクリーンな天然ガスを国内に供給するとともに、石油化学製品や低炭素水素発電の原料としても利用される。

ジャフラガス田は、2060年のネット・ゼロ目標に向けて、電力の半分をガスで、半分を再生可能エネルギーで生産するというサウジアラビアの目標に貢献することが期待されている。実際、ジャフラガス田のみで、国内で消費されるはずの石油を1日あたり最大50万バレル置き換えることができると予想されている。

これは、原油に頼る経済の多角化と二酸化炭素排出量の大幅な削減を目指す王国の「ビジョン2030」の目標に合致するものである。たとえこの計画によって、原油の輸出量を増やすことができるとしてもだ。
しかし、サウジアラビアでのフラッキングは、米国でのフラッキングよりもコストがかかると考えられてきた。

水、砂、化学物質を高圧でガス田の地盤に注入し、頁岩(けつがん)を破砕して炭化水素を放出させるのがフラッキングである。

「我々は、2014年のコストベンチマークと比較して、掘削コストを70%、注入・浸透コストを90%削減し、ガス田の生産性をプログラム開始時と比較して6倍に向上させることができました」とナセル氏は月曜日に述べた。

アラムコは、ジャフラでのフラッキングに海水を使用する予定である。また、今年初めには、同ガス田における海水淡水化プラントの入札を実施した。淡水化された水はガス処理プラントで使用される。先行していた入札は昨年突然中止され、今回の入札で淡水化プラントの能力は約20%低下した。

しかし、元アラムコ副社長のサダド・フサイニー氏は、この「水問題」は真っ赤なウソだと主張している。

彼はアラブニュースにこう語っている。「水の問題は何年も前に解決しています。ここには塩分を含んだ水を蓄える帯水層があり、サウジアラビアの石油産業はこの水を掘削に利用してきた長い歴史があります」と語っている。

またフサイニー氏は、米国のシェールガス産業とのコスト比較を否定している。

同氏は説明する。「フラッキングのコストは、貯留層の深さによって異なります。米国では、深さ3,000~4,000フィート程度の浅い貯留層で作業を行うため破砕のコストは低くなります。サウジアラビアでは、貯留層の深さは9,000~10,000フィートです。技術的にはより難しくなりますが、米国とは異なり、これらの地下深層からはガスだけでなく、一緒に多くのコンデンセート(原油の一種)、特にエタンを生産することが可能です。エタンは石油化学産業の糧となる原料です」

また、「チャレンジングな開発ですが、問題が解決しなければ進まなかったでしょう」と続けた。

米国以外でのシェールガス開発は、特にヨーロッパの人口の多い地域での環境問題、インフラの不足、掘削プロセスで使用する水の入手や処理の難しさなどの理由から、特筆すべき成功例はない。

しかし、ジャフラは湾岸に近く、海水へのアクセスが比較的容易であることに加え、世界最大の油田であるガワール油田とその充実したエネルギーインフラに隣接している。

ジャフラの生産開始は2024年を予定しており、2030年には販売ガスが最大で日量20億立方フィート、エタンが日量4億1800万立方フィート、液体ガス・コンデンセートが日量約63万バレルに達すると予測されている。この間の投資額は680億ドルであるが、全体では1,000億ドル以上になると予想される。

また、「ビジョン2030」のもう一つの柱である国内雇用もこの計画の中心となっている。アラビア半島北部とガワール南部で開発中の油田と合わせて、ジュファラプロジェクトは国内で20万人以上の直接・間接雇用を創出すると考えられている。

また、このプロジェクトでは、産業用IoTや動画解析などの新技術も導入される。

ジャフラプロジェクトは、王国の環境問題への取り組みを支援するだけでなく、石油化学産業も支援する。アラムコ最高経営責任者は、「このプロジェクトで生産されるエタンと液化天然ガスは、王国の石油化学産業にとって非常に貴重な原料となるでしょう」と述べている。

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