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日本のサービス業の景況感は改善傾向。だがオミクロン株とコスト上昇で見通しは不透明

東京の銀座商店街の通りを渡る歩行者。(AFP)
東京の銀座商店街の通りを渡る歩行者。(AFP)
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13 Dec 2021 07:12:00 GMT9
13 Dec 2021 07:12:00 GMT9

日本銀行の調査によると、国内サービス業の景況感は2年ぶりの高水準に改善したが、製造業の回復は停滞していることが明らかになった。これは、原材料費の高騰がパンデミックからの回復の重荷となっていることを示している。

大企業は、燃料価格の高騰や円安による輸入コストの上昇により、今後も状況が悪化すると予想しており、政府が脆弱な経済を支えるために大規模な財政・金融支援を継続するとの見方を強めている。

大和証券のアナリスト末廣 徹氏は「非製造業では、パンデミック対策の各種規制が終了したことで景況感が好転しましたが、製造業では供給面での制約がありました」と語る。

「全体として、製造業、非製造業ともに状況の悪化を予想しており、景況感は力強さに欠けています」

日本銀行が行う統計調査、日銀短観によると、大手製造業の景況感を示す指数(業況判断指数)は、2021年最終四半期に前期と変わらずプラス18の横ばいとなり、市場予想のプラス19を下回った。

非鉄金属、化学、機械などの業界では、コストの上昇や自動車の減産などの影響を受けていることが示されている。

一方、大手非製造業の景況感は6四半期連続で改善、9月のプラス2からプラス9となり、市場予想のプラス6を上回った。

9月30日に新型コロナウイルス感染症のパンデミック対策のための緊急事態宣言が解除されたことを受け、小売業者の士気が高まり、指数は2019年12月以来の高水準を記録した。

しかし、12月10日までの1ヵ月間に行われたこの調査では、回答の8割近くが11月29日までに寄せられたものであり、最近のオミクロン株の流行状況はあまり反映されていない可能性が高い。

原材料費の高騰はパンデミックの影響から立ち直ったばかりの企業の利益を圧迫し、状況は不安定である。

大企業の生産財の販売価格を示す指数(販売価格判断指数)は1980年以来の水準まで上昇したが、仕入れ価格を示す指数(仕入価格判断指数)も2008年以来の高水準となっており、企業がコストをカバーするために必要なだけの値上げができない可能性を示している。

短観では、企業は1年後のインフレ率が1現状の水準と比較し1.1%になると予想しており、これは2015年9月以来の高水準となった。

先行きは不透明であるが、企業は慢性的な労働力不足に対処するため、雇用や設備投資を増やす予定だ。

大企業の2022年3月期の設備投資計画は9.3%増で、市場予測の9.8%増を下回ったものの、前年の8.3%減からは回復している。

別のデータでは、設備投資の先行指標である機械受注が10月に3ヶ月ぶりに増加したことが示されている。

また、短観では企業の資金調達が引き続き緩和されていることが示されており、日銀は昨年のパンデミックによる信用収縮に対処するための緊急支援を段階的に縮小すると考えられる。

日本は、昨年のパンデミックからの回復が他国に比べて遅れており、7〜9月期の成長率は年率3.6%となっている。

アナリストたちは、今年の最終四半期には成長率が回復すると予想しているが、オミクロン株の出現がその見通しを曇らせ、来年も回復が弱くなる可能性があると警告している。

ロイター

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