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ウクライナ侵攻 金価格上昇、原油100ドル突破、仮想通貨は下落、ルーブルは取引停止

(シャッターストック)
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25 Feb 2022 04:02:28 GMT9
25 Feb 2022 04:02:28 GMT9
  • プーチン大統領がウクライナに軍事作成実行
  • ブレント原油とWTIが8年ぶりの高値
  • ビットコインは35,000ドル前後で取引

アラブニュース

リヤド:ロシア軍によるウクライナ侵攻を受け、木曜日の原油価格は急騰した。ブレント原油と米国のベンチマーク原油WTIはともに2014年以来の高値を記録した。

ブレント原油は1バレル=105.13ドルと8.56%上昇。米WTI原油先物は7.6ドル急伸し、1バレル=99.7ドルに達した。一時、WTIは1バレル=100ドルにまで上昇した。

仮想通貨、ビットコイン(BTC)とイーサリアム(TECはともに下落。ロシアによるウクライナに侵攻を受け、ヨーロッパの戦争が世界のエネルギー供給を混乱させるという懸念を呼び起こした。

ロシアは世界第2位の産油国であり、主にヨーロッパの製油所に原油を販売している。また、ヨーロッパへの天然ガスの最大供給国でもあり、供給量の約35%を供給している。

ロイター通信によると、ロシアの石油の少なくとも3つの主要な買い手は、木曜日の購入をカバーするために西側銀行から信用状を開くことができなかった。

海運大手マークスは今回の軍事衝突を受け、2月末までウクライナにおける全ての寄港を停止した。同社の広報担当者が木曜日に発表した。

ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は木曜日、ウクライナ東部における軍事作戦を許可した。これは、NATOの東方拡大に対するロシアの要求をめぐる、ヨーロッパでの戦争を引き起こしかねない行動である。

この軍事侵攻は、世界中の市場や取引に多くの影響を及ぼしている。

ルーブル取引の停止

木曜日、プーチン大統領がロシア軍にウクライナへの侵攻を命じたことで、モスクワ取引所が全取引を停止した。これを受け、ルーブルは2日に2016年初頭以来の安値に急落した。

プーチン大統領が東部での「特別軍事作戦」を許可した後、ロシア軍は木曜日、ウクライナのいくつかの都市にミサイルを発射、同国の南海岸に軍隊を上陸させたと当局者やメディアは述べた。

ルーブルは、グリニッジ標準時(GMT)4時の取引開始後数分で、対ドルでは3.6%下落し84.0750ルーブル、対ユーロでは3.9%下落し過去最低の95.2425ルーブルとなり、その後速やかに取引が停止された。

モスクワ取引所を運営するMOEXグループはGMT4時52分に声明を発表した。「全市場での取引は停止されました。再開は後日発表されます」

市場

NYダウ先物は木曜日に700ドル(2%)近く下落、ナスダック先物は2.7%下落した。

ブレント原油が100ドルの大台に乗るなかで、バラット・ペトロリアムとペトロネットは最大で6%下落した。

ロンドン上場のロシア企業は急落。スベルバンクは75%、VTB銀行は22%近く下落した。ロスネフチは23%下落、ガスプロムは36%近くの暴落となった。

ロンドンでのアルミニウム価格は、過去最高値を更新した。これは、投資家が、ロシアからの供給とエネルギー価格の高騰によるアルミニウム生産への悪影響を懸念したためである。ロシアは世界のアルミニウムの6%以上を生産している。

銀行

ロシアで大きな事業を展開する銀行が後退に直面している。

ヨーロッパの銀行株の指数は、GMT正午前に6.1%下落し、ユーロ・ストックス指数の4%下落を上回る急落を見せた。

ロシアで大きな事業を展開している銀行は特に大きな打撃を受けている。オーストリアのライファイゼン・バンク・インターナショナルは16%、フランスのソシエテ・ジェネラルは8.6%の下落を記録している。

ロシア部門が同国最大の金融機関の1つであるイタリアのウニクレディトの株価は9%も下落し、その後、自動売買停止措置がとられている。

仮想通貨

CoinGeckoのデータによると、ビットコインは7.8%減の35,084ドルとなり、7月20日に3万ドルを割り込んで以来の安値となった。

時価総額で2番目に大きい仮想通貨であるイーサリアムは、9.7%下落して2396.93ドルとなり、1824.93ドルまで下落した7月19日以来の最安値を記録した。

金価格は上昇

木曜日の金価格は2%以上跳ね上がり、1年以上ぶりの高値となった。木曜日のウクライナ侵攻を受け、ヨーロッパの戦争勃発を懸念した投資家が、比較的安全な資産とみられる金に殺到したためだ。

スポット金は、GMT4時28分までに1.9%上昇し、2021年1月初旬以来の高値となる1オンス=1943.86ドルとなった。米金先物は2%上昇し、1949.20ドルとなった。

金は2月中に約8%上昇しており、2020年7月以来の月間上昇率を記録することになる。

スポット銀は1.6%上昇し1オンス=24.91ドル、プラチナは0.5%上昇し1097.01ドル、パラジウムは2%上昇し2530.42ドルと急伸した。

アナリストの反応

ING:「ロシアがウクライナへの特別軍事作戦を発表したことで、ブレント原油は1バレル=100ドルの大台に乗りました」とINGの商品リサーチ責任者ウォーレン・パターソン氏は述べた。石油市場は、西側諸国がロシアに対してどのような追加行動を取るかを不安げに見守っていると付け加えた。

「石油市場がすでに切迫した状況にあるなかで、このような不確実性の高まりは石油市場を脆弱にします。そのため、価格は不安定に上昇し続けるでしょう」

西側諸国と日本は火曜日、ウクライナ東部の分離独立派地域に軍隊を派遣したロシアに対し、新たな制裁を科し、モスクワが隣国への全面的な侵攻を開始した場合はさらに踏み込むと警告していた。今のところ、エネルギー取引に対する制裁はまだない。

日本とオーストラリアは木曜日、ウクライナでの敵対行為によって世界の供給が打撃を受けた場合、他の国際エネルギー機関加盟国とともに、各国の石油備蓄を利用する準備があると述べた。

OANDA:OANDA(オアンダ)のシニアマーケットアナリスト、ジェフリー・ハレー氏は、「原油価格に対する一時的なブレーキとなり得る要因の一つは、イラン核合意です。早ければ今週中に新しい合意が発表されるとの噂が飛び交っていいます」と述べた。

「しかし、ウクライナへの懸念とその影響により、原油価格は引き続き下支えされ、下落局面においては引き続き確実な買い材料となるでしょう」

ハレー氏は、金価格についてこう指摘する。「金は避難資産として本来の姿を取り戻しつつあります。今後数週間のうちに価格が史上最高値を更新することは否定できません」

世界の株式と米国債利回りは急落し、ドルや原油価格は急上昇した。

City Index:City Index(シティ・インデックス)のシニアマーケットアナリスト、マット・シンプソン氏は述べる。「西側が実施するいかなる制裁も、西側が期待しているような形でロシアに影響を与えることはないでしょう……西側は守りの姿勢です。リスクに強いとされる金価格の上昇がそれを表しています」

原油に影響を与えるその他の要因

米国とイランはウィーンで間接的な核協議を行っている。この協議で合意が得られれば、イラン産原油の販売に対する制裁が解除され、世界の供給が増加する可能性がある。

しかし、イランは水曜日、2015年の核合意復活に向けた協議で「現実的」であるよう西側諸国を促した。また、交渉担当トップが協議のためテヘランに戻ると述べ、協議は合意の局面に至っていないことを示唆した。

さらに、米国の原油在庫は先週600万バレル増加し、留出油在庫は減少したという。アメリカ石油協会(API)の数字を引用していた市場関係者が火曜日遅くに語った。

木曜日の政府発表に先立ち、アナリストは原油在庫が40万バレル増加し、燃料在庫は減少すると予想している。

ガソリン在庫は427,000バレル増加し、留出油は985,000バレル減少したと、匿名を条件に語った情報筋がAPIのデータで示した。

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