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サステナビリティが切り開く、UAEのスマートモビリティの新たな未来

サステナブルシティを通じて、車を減らすことで、輸送コストが減り、アクセスしやすくなり、二酸化炭素排出量と全体的な公害が減り、地域はより住みやすいものになるだろう。(ロイター)
サステナブルシティを通じて、車を減らすことで、輸送コストが減り、アクセスしやすくなり、二酸化炭素排出量と全体的な公害が減り、地域はより住みやすいものになるだろう。(ロイター)
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19 Jun 2022 10:06:27 GMT9
19 Jun 2022 10:06:27 GMT9
  • この動きは、自律走行シャトルなどのスマート交通により、サステナブルシティを促進している

ダナ・アル・オマー

ドバイ:ドバイ道路交通局(RTA)が2030年までに無人自動車を実現するロードマップを策定してから6年、スマートモビリティはインテリジェントなコンセプトでこの地域の社会基盤を一変させる勢いで席巻している。

この動きはすでにサステナブルシティを促進しており、自律走行シャトル、Eバイク、Eバギーなどのスマート交通が道路を席巻することになりそうだ。

完全統合型住宅プロジェクトの好例として、シャルジャ・サステナブル・シティ(SSC)がある。環境に優しいこのコンセプトは、追加費用なしで持続可能な生活を提供することを約束するエネルギー効率の高いヴィラを備えたネット・ゼロ・エネルギー・コミュニティを採用している。

シャルジャ投資開発局がダイヤモンド・デベビロッパーズ社と共同で開発したこのサステナブルシティには、太陽光発電のスマートハウス、垂直農法のバイオドーム、電気自動車の充電器、自律走行シャトル、バイオガス工場など最高のグリーンテクノロジーが導入される予定だ。

SSCの最高サステナビリティ責任者であるカリム・エル・ジスル氏は、「UAEは、湾岸協力会議(GCC)で2050年までのネットゼロ達成に取り組んだ最初の国であり、すべての成長と発展はこの取り組みに沿わなければならず、私たちもそのために努力しなければなりません」と、アラブニュースに語っている。

サステナビリティ・ピラミッド

スマートモビリティをピラミッドに例えると、最下層は通勤に徒歩や自転車を利用する人などソフトモビリティで成り立っているとエル・ジスル氏は説明する。SSCの基本計画では、横断歩道のない道路を建設することで、この部分をカバーした。

「SSCにある1,250棟のヴィラに行くのに横断歩道を渡ったり、車と交差したりする必要はありません。住民や観光客は、徒歩でこれらのヴィラにアクセスできるのです」とエル・ジスル氏は語った。

ピラミッドの次の階層では、Eバギーやコンシェルジュサービスを利用したシェアモビリティが登場した。

「バギーはコンシェルジュチームが管理し、居住者はスマートフォンで予約することができます。コンシェルジュチームは、将来の需要に応じて台数を増やすことができます」と同氏は付け加えた。

ピラミッドの最上層には電気自動車があり、SSCはガソリン車から電気自動車への乗り換えを推奨していく。

「当社は、開発地全域に充電ステーションを提供します。GCC加盟国全域のプロジェクトの中で、最も高密度に充電ポイントを設置することになります」とエル・ジスル氏は述べ、コミュニティ内に80箇所の充電ポイントを設置する予定であることを付け加えた。

また、SSCは、ドバイでの自律走行シャトルの試運転を研究し、導入の是非を判断している。

フェイスレス・モビリティの登場

話はこれだけに留まらない。昨年12月、UAEに拠点を置くサステナブル交通企業イオンは、アジュマン・コーニッシュ沿いでUAE初の自律走行シャトルサービスを開始し、モビリティのあらゆる障壁を打ち破った。

この自律走行シャトルは、アジュマン・コーニッシュのフェアモント・ホテルとコーラルビーチ・ホテル間の公道を利用している。イオン社は、中東のサステナビリティのパイオニアであるBee’ah社と、シャルジャに拠点を置くクレセント・エンタープライゼス社の共同事業である。

「ディープラーニング技術に加え、自律走行シャトルは3次元ビジョン、自動経路選択、ナビゲーション、安全性の最適化のためのIoTセンサー、ドア開閉のためのモーションセンサーを備えています」とBee’ah社のサステナブル・モビリティ・ディレクター、ナシル・アル・シャムシ氏はアラブニュースに語っている。

信号機や交通信号のデータを受信することで、自律走行シャトルが周囲を検知し、横断歩道に近づくと警告を発する仕組みになっている。

車椅子での利用が可能なほか、排気ガスを出さない設計で、最大15人が同時に乗車できる。

アル・シャムシ氏は、ドバイの人口の約半数は車を所有しておらず、公共交通機関に大きく依存していると述べ、ドライバーがミスをして事故を起こす可能性があるため、自動運転車は人間が運転する車よりも安全であると付け加えた。

「UAEの事故の90パーセント以上はヒューマンエラーによるものです。その90パーセントを金額に換算すると、これらは数十億UAEディルハムに相当します。この損失はそれだけで経済を弱体化させます」と同氏は語った。

アル・シャムシ氏によると、同社は目視範囲を超えたドローンによる配送ソリューションも考えており、建物間で商品を配送することも可能だという。

現在、シャルジャ民間航空局と共同でシステムの試験を実施中で、近日中に最初の試運転を開始する予定だ。

Bee’ah社は、電動自転車やスクーターによってマイクロモビリティを取り入れる方法を検討している。

ゼロ・カーボンフットプリントを実現する自転車

ドバイを拠点とするカリーム・バイク社は、来月175箇所のステーションを設置することにより、世界最大のペダルアシスト付き入庫バイクシェアスキームになる予定だ。

同社は最初に、ドバイの道路交通局との15年間の提携のもと、市内全域で800台のEバイクと80箇所のステーションを導入した。

カリーム・バイク社のオペレーション担当シニアディレクターであるサミ・アミン氏はアラブニュースに対し、「当社ではちょうど200万回の移動と約1,000万キロの走行距離を成し終え、CO2排出量の観点では市内で約450台の車に取って代わりました」と述べ、一方で「今後は3,500台の自転車と350箇所のステーションにまで拡大する予定です」と付け加えた。

この地域の多くの都市と同様、ドバイも車中心で、道路はサイクリストのためには設計されていない。しかし、ドバイ道路交通局はこの地域を世界で最もサイクリングに適した都市に変貌させることに意欲的である。

持続可能なモビリティに明確に焦点を当て、自動運転車、配送ロボット、その他の電動化された車両を検討している。「サステナビリティの推進は、私たちの中核的な戦略です」とアミン氏は語った。

サステナブルシティ、車の削減、マイクロモビリティの導入を通じて、輸送コストの削減、アクセス性の向上、二酸化炭素排出量や全体的な公害の削減など、地域はより住みやすいものになるはずだ。スマートモビリティは、すべての地域に関わるものだ。

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