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アラブ・英国ビジネスサミット、強力な貿易関係構築への道筋を探る

英国は2022年第1四半期までの1年間にアラブ首長国連邦と136億ポンド相当の商品やサービスを取引し、これは英国の貿易総額の1%を占めている。(AFP)
英国は2022年第1四半期までの1年間にアラブ首長国連邦と136億ポンド相当の商品やサービスを取引し、これは英国の貿易総額の1%を占めている。(AFP)
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03 Nov 2022 08:11:05 GMT9
03 Nov 2022 08:11:05 GMT9
  • アラブ首長国連邦とサウジアラビアは英国との貿易における主要なアラブ国家となっている

ファリダ・エルガッザール、ハーラ・ヒシャーム・クーラ

リヤド:英国とアラブの企業や投資家は、世界経済を苦しめている地政学的シナリオとインフレ情勢を乗り切るため、地域のシナジーとビジネスコラボレーションを強化することになるだろう。

11月2日にロンドンで開催されるアラブ・英国経済サミットの一環として、サウジアラビアと英国の共同評議会であるアジア英国商工会議所は、2回目の会合をロンドンで開催し、英国とアラブ世界の22カ国との経済関係発展に関する重要事項を優れた指導者達が協力して議論し、検討する。

「共有のビジョンを描く(Shaping a Shared Vision)」をテーマに、英国およびアラブ諸国の企業経営者や投資家が同イベントに参加し、豊かな未来を築くことを目指して一堂に会する予定だ。

アラブ・英国商工会議所のエリザベス・シモンズ会長の歓迎挨拶に始まり、アジア英国商工会議所事務局長兼CEOのバンダル・レダ博士のスピーチが予定されている。

「このサミットへの大きな反響は、英国とアラブ諸国の関係強化に弾みをつけることになるでしょう」とシモンズ氏は述べている。

同サミットでは、気候変動問題や健康問題から、革新的な教育やフィンテック革命まで、さまざまなトピックが議論される予定だ。

今年は、テクノロジーの力と、その力がどのように金融サービスや銀行業に変革をもたらすかを探る場となる。

立ち直り

政治的・貿易的不均衡がいくつかの経済圏を揺さぶっていることを考慮すると、この動きは重要な意味を持つものと考えられる。英国国家統計局によると、英国の8月の貿易赤字は、前月の下方修正された54億ポンドから71億ポンド(81億ドル)に拡大した。

8月の英国の輸入(貴金属を除く)は、燃料、機械、輸送機器のEU域外からの輸入が35億ポンド増加したことで、31億ポンド(5.7%)増加した。

アラブ・英国経済サミットは、パンデミック後、そしてブレグジット後の世界に立ちはだかる新たな障壁に取り組むことを目的としている。(提供)

同月、EU域外への輸出が7億ポンド増加したことで貴金属を除く輸出総額は4億ポンド(1.2%)増加した一方、EU域内への輸出は3億ポンド(1.5%)減少した。

国際貿易に関する国連貿易統計データベースによると、2021年、西アジアや北アフリカからの英国への商品輸出は47.8%増加し、1兆5950億ドルに達している。

同年のこの地域の輸入額は、22.1%増の1兆2919億ドルに達した。

貿易収支は、前年の148億ドルの黒字に対し、2021年は2938億ドルの黒字を記録している。

国際貿易省のデータによると、アラブ首長国連邦とサウジアラビアは、英国貿易における主要なアラブ国家となっている。

英国は2022年第1四半期までの1年間にアラブ首長国連邦と136億ポンド相当の商品やサービスを取引し、これは英国の貿易総額の1%を占め、第24位の貿易相手国となっている。

英国の貿易総額の0.8%を占める第27位の貿易相手国であるサウジアラビアがデータを報告している。その貿易総額は、2022年第1四半期までの1年間で113億ポンドに達した。

同期間のカタールとクウェートの対英貿易総額はそれぞれ62億ポンドと24億ポンドであった。同様に、オマーンとバーレーンの対英貿易総額はそれぞれ11億ポンドと8億8900万ポンドであった。

自由貿易の好機

また、英国は今年6月、リヤドで湾岸協力会議諸国との自由貿易協定を開始し、投資と雇用の機会を開き、商品やサービスの流れを活発化させている。

英国の第7位の輸出市場である湾岸地域の国際的な商品やサービスに対する需要は、2035年までに35%急増し、8000億ポンドに達すると予想されている。

合意当日、英国貿易大臣のアン=マリー・トレベリアン氏は、「本日は、英国と湾岸諸国との緊密な関係を強化することで、最高の貿易の1年における次の重要な節目となります」と述べた。

製造業団体であるメイクUK(Make UK)のCEO、スティーヴン・フィプソン氏は次のように述べている。「私達は湾岸協力会議との自由貿易交渉の開始を歓迎いたします。これにより、将来的に湾岸地域への商品とサービスの流れが促進されることで、英国の製造業は恩恵を受けることになるでしょう」

貿易以外にも、この経済サミットでは地球温暖化の影響と、それに対して取らなければならない措置についても分析される予定だ。

このサミットは、パンデミック後、そしてブレグジット後の世界に立ちはだかる新たな障壁に取り組むことを目的としている。貿易関係を強化し、両国間の投資フローを促進することによってそれを達成する狙いだ。

さらに重要なのは、同サミットが持続可能かつ環境に優しい方法でこの目標を達成することの重要性に言及することである。

2019年に開催されたアラブ・英国経済サミットは、関心のある投資家と起業家の間の触媒として機能し、素晴らしい成功を収めた。

さらに、若者の失業や水不足など、中東・アラブ地域に蔓延する経済的障壁といった既存の課題についても言及された。英国・アラブ間の協力によってそれらの問題を軽減するための解決策も提案されている。

また、英国とアラブ諸国が協力することで、この地域で重要なプロジェクトを実現できる可能性も提示された。

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