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インタビュー—- 首長国の重鎮が数百万ドルのサウジのレジャープロジェクトを計画

ハラフ・アル=ハブトール
ハラフ・アル=ハブトール
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19 Jan 2020 11:01:12 GMT9
19 Jan 2020 11:01:12 GMT9

フランク・ケイン

ハラフ・アル=ハブトールを説明する言葉としてよく使われるのは、「歯に衣着せぬ」である。彼は、アル=ハブトールグループの創業者兼会長で、中東屈指の偉大なビジネスリーダーだ。

彼のツイート、テレビ出演、公式声明はすべて、アラブ世界のビジネスリーダーのトップとしては珍しい率直さという特徴を表している。

彼は先週、ドバイの自社の本社における早朝の会話で、多くの話題について歯に衣着せぬ物言いをした。話題は、サウジアラビアでの野心的な拡大計画からUAE経済が直面している課題、世界の地政学的領域にまで及んだ。

アル=ハブトールは、来週、世界経済フォーラムのダボスの年次会議に出席しようとしている「世界的エリート」と意見を共有するつもりはないと述べたが、彼は気後れするような男ではない。「私たちはその話題を本物の大人のためにとっておくんです。これは本当に娯楽以外の何物でもありません」と彼は冗談を言った。

エンターテイメントとレジャーはずっと、アル=ハブトールのビジネス帝国の主力だ。UAEそのものと同じ長さの歴史を持ち、国内屈指の有名ブランドである。建設、不動産、自動車の流通、教育に利権を持っている。

同グループは、欧州と米国にホテルを展開してきたが、会長は今や、拡大の手段としてサウジアラビアに注目している。これに伴い、王国のための何百万ドルもの投資プロジェクトを予定している。その機会は想像を絶するものであると、彼はアラブニュースに話した。

「私はサウジ・アラビアを国ではなく、大陸と見なしています」と彼は述べた。

「私たちは、かつて見たことのないものをテレビで見ています---- 緑の草原や、スキーをしているところ、太陽、砂漠。これがアラビア砂漠だとは信じられないでしょう」と彼は言い添えた。

「それはすべての旅行者や投資家にとって非常に魅力的です。多様性があるからです。何か建築したい時に、その場所について一つの地区やセクターに制限されないからです。できることに選択肢があるのです。」

アル=ハブトールは、サウジ観光当局との提携で、リヤドの外の巨大なレジャー・レクリエーションのプロジェクトを支援するという選択した。

プロジェクトは、彼の故郷であるドバイでのハブトール・シティの開発の成功を頼りにするだろう。ただし、はるかに大規模なものだ。最大700万平方メートルのホテル、レストラン、劇場、小売店、住宅施設。さらに、想像してもらいたい。湖と浜辺だ。「こうなれば、あなたは私に尋ねるでしょう。浜辺はリヤドのどこかにあるのかと。私たちが造るのです」と彼は話した。

プロジェクトはまだ計画の段階で、すべての関係者の最終的な承認次第だ。

プロジェクトは、ドバイにおける成功裡のハブトール・シティ開発の要素をいくつか取り入れるだろう。特に目を引くのは、壮大な演劇のラ・パールのサウジ版だ。しかし、これは、ドバイの名所をそのまま模したものにはならないだろうし、ドバイの開発戦略をそのまま模したものにもならないだろう。

「ドバイには石油がありません。石油に依存していたなら、現在、このようにはならなかったでしょう。サウジアラビアには多くの人が住んでいます。その数は3,000人で、そのうちの90%が、自分たちの人生や歴史を楽しみたいサウジの人です」と彼は話した。

「湾岸のその他の地域に住む私たちは、こんな偉業を目にしたことはありません。私は自分でそこに行き、この偉業を目の当たりにして、リヤドや東部州、紅海を見たいと思っています。」

アル=ハブトールは、特に、一般的に保守的な国として認識されている状況で、より自由な社会の文化的環境を創出することで、王国がドバイ開発の教訓を活かすことができると信じている。

「〈保守的〉という言葉には何かしらの説明が必要です。サウジとUAEの人々は同じ背景を持ち、同じ家族から派生しています。私たちは親戚です。彼らはここに来た時にそれがわかります」と彼は語った。

「UAEに元から住んでいた人々も、その経歴により、保守的ですが、彼らはまた、レストランや映画、劇場に行って楽しんだりもします。彼らはどこにでも行きたいのです。自由になりたいのです」と、彼は、自由にも制限があることを認めつつ、言い添えた。

「自由が意味することは、国や人々、当局をおろそかにすべきだというものではありません。他の人々を教育して自国の文化を守らなければいけません。」

ハブトールのUAEの店舗ではアルコールが提供されているため、サウジアラビアでのアルコール提供の可能性を尋ねられ、彼は答えた----「正直に申し上げると、それに関して彼らの計画を知らないので、コメントできません。」

「しかし、すべてのものは変わります。すべてのことが可能です」と彼は付け加えた。

彼は、ビジョン2030「基本計画」が王国の認識を変えたと述べた。「これは本当に優れた戦略です。すべてが明確で透明性があります。投資、観光客、旅行者が関心を寄せている限り、サウジアラビアには大きな未来が待っています。」

エクスポ2020ビジネス展の準備を進める中、同国は課題に直面している。アル=ハブトールグループはUAE経済の多くのセクターに利害関係があり、このような立場にあることから、会長は権威ある意見を述べる資格が充分にあるのだ。

経済アナリストにとって最も切迫した懸念は、住宅やホテルの過剰供給、価格高騰である。これが外国労働者をUAEから追い出していると信じる人もいる。.

彼は、「さて、2018年はそれほどよい年ではありあませんでした。2019年も初めは非常に緩慢としていましたが、第4四半期の終わりには市場が上向きになっているのが確認できました。小売りでそれがわかり、事態は動いていました。土地の部門では、人々は土地や不動産を売買していました」と話した。

彼は、自分のレンタカー事業、不動産や高級車、教育の事業で、UAE経済が好転している兆候を目にしました。「間違いありません。好転が確認できました」と彼は述べた。

しかし、量産車の事業は遅れを取っていた。国外居住者のお金の使い方の違いが影響したのだ。彼らは今や車を購入せず、長期間のレンタカーの利用を選択することが珍しくない。生活費の値上がりも大きな要因だと彼は話した。

「何もかもにお金がかかるようになってきました。国内で唯一、安価なものはホテルの部屋です---- 世界屈指の低料金です」と彼は言い添えた。

「ホテルの部屋数、住宅の開発が多すぎます。これ以上の建設は進められません。」

UAE政府は、不動産の供給およびホテルの建設計画を制限するいくつかの対策をとっている。アル=ハブトールはこれを正しいと考えている。

しかし、彼の考えでは、VATの導入は経済に損害をもたらす誤りであり、すぐに正すべきである。

「VATを取り消し、徴税は返金すべきだと思います。私の国では当分はVATの概念はふさわしくありません。将来的には可能性もあるでしょう」と彼は述べた。

彼は、標準税率の所得税で置き換えることで、消費税の取り消しとビザや事業免許などの政府関係料金の廃止が実現することを望んでいる。

「私は彼らがすべての料金とVATを取りやめ、例えば英国のように、収入から徴収するように勧めました」と彼は話した。

外交においては、ドナルド・トランプ米国大統領に対する彼の見解はこれまで一定していない。一部のイスラム教国からの入国を禁止した政策は非難しているが、中東に対する現在の方針は暖かく受け入れている。

今やアル=ハブトールは圧倒的にトランプを肯定しているように見え、彼の再選の実現を望んでいる。

「世界の先頭に立つ人物として、我々に必要なのは、政治家ではなくビジネスマンだと私は言いました。しかし、過去に彼が何を言ったとしても、それは単に当選するためだと思います。そして、彼の支援者の多くが私たちアラビア人のことを知りませんでした」とアル=ハブトールは語った。

「彼らは私たちがテロリストなのか、善良な人間なのかを知りません。米国にはたくさんの無邪気な人がいます。」

とりわけ、彼は、米国の制裁はさらに注力する余地があると感じてはいるものの、最近のトランプの対イラン政策を強く支援している。

「仮にトランプが、(イラン最高指導者アリ・)ハマネイとその一味を餓死させたいと望んでいるなら、彼にはそれができます。ですから、私は、彼がなぜそれを実行しないのかが理解できません」とアル=ハブトールは話した。

「制裁はありますが、彼が富裕層を死なせることはありません。貧困層が飢えている一方で、富裕層は今でもキャビアや最高のステーキを味わっているのです。」

アル=ハブトールは、米国のガーセム・ソレイマーニー殺害については、その行いが正しかったという点に完全に同意しているが、攻撃にはイランとの共謀があったと信じているとほのめかした。

「ずっと前にこうなるべきでした。彼は地上最悪の犯罪者です。イラン人も彼の他界を望んでいたのではないかと思います。そうでなけれは、米国人はどのようにして彼を追跡したのでしょうか。この出来事はよいことであり、誰が行ったかは問題ではありません」とアル=ハブトールは述べた。

彼は、地域の緊迫状態はこれ以上は悪化しないと断固主張しているが、次の大きな脅威は、レバノンにいるイランの協力者、ヒズボラによるものだと信じている。

「私の考えでは、ヒズボラはイランよりも強力です。そして、(ヒズボラの指導者)ハサン・ナスルッラーフは同地域の平和にとって最大の脅威だと思います」とアル=ハブトールは率直に締めくくった。

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