リヤド：エジプト中央銀行のデータによると、エジプトの10月の対外純資産（NFA）は1099億エジプトポンド（44億7000万ドル）減少し、2021年9月に始まった減少幅を拡大した。

ロイター通信によると、10月中の通貨切り下げを考慮した場合、その減少額は約2億2800万ドルになる。

NFAは、非居住者が保有する銀行システムの資産から負債を差し引いた金額と、中央銀行が保有する海外資産を指す。中央銀行が保有する対外資産も含まれる。エジプトは、NFAに頼ることで、価値が下落した自国通貨を安定化させている。

エジプトは、2月のロシアによるウクライナ侵攻をきっかけに通貨危機に直面し、国際通貨基金（IMF）と金融支援交渉を開始した。

ロイター通信によると、IMFは10月、エジプトに対して46ヵ月、30億ドルの拡大信用供与措置（EFF）を行うことで合意し、「永続的で柔軟な為替レート」への移行と社会的保護の強化への注力を歓迎した。

IMFは声明で、この取り決めは、エジプトに対する国際的、地域的な幅広い支援を反映するものであり、2023年6月に終わる会計年度中の約50億ドルを含む複数年の大規模な融資パッケージを促進することを目的としていると述べている。

エジプト中銀は10月、1営業日あたり約0.01ポンド単位でのエジプトポンドの下落を容認していたが、先月IMFとの間で締結した30億ドルの支援策の一環として、10月27日に一気に14.5％の切り下げを実施した。

同中銀のデータによると、NFAは前月のマイナス4411億ポンドから10月末にはマイナス5510億ポンドに減少した。

NFAは、下落が始まる前の2021年9月には2480億ポンドのプラスだった。2月のロシアによるウクライナ侵攻が投資家の不安を煽り、さらに大量の資金流出を引き起こした。

同中銀によると、NFAの金額の変化は、中央銀行のものを含む、銀行システムの海外部門との正味の取引を表しているという。

国営サウジ通信（SPA)は11月29日、サウジアラビアは3月にエジプト中銀に行った50億ドルの預金について、ロシアのウクライナ侵攻を受けて北アフリカの同国が財政圧力を高めていることを受け、期間を延長したと報じた。

これは、特にサウジアラビアの預金に加え、エジプト市場に多くの外貨建て投資を行うことに関して、両国が連携を強化したいためであるとSPAは述べている。

SPAは、これらの投資が、地域機関や国際機関との新たな資金チャンネルの開拓に貢献することが期待されると付言した。