アラブニュース

リヤド：コンサルタント会社Strategic Gearsが公表した報告書によると、非石油部門の力強い拡大と安定した石油部門が今年のサウジアラビア経済を成長させていくと予想される。

「アラビア年次経済見通し」（Saudi Arabia Economic Outlook）と題された報告書では、王国のマクロ経済の実績や成長の見通し、財政政策、インフレーション、労働市場、外部要因、全体の事業環境、改革の機運などを分析している。

リヤドに拠点を置くこのコンサルタント会社の専門家は、報告書の中で昨年の王国の実績を振り返るとともに今年の見通しを示している。また、政府の「ビジョン2030」戦略の一環としての変革プランの進展や、来年注目すべきポイントも挙げている。

 報告書は先日公表された今年の国家予算に加え、サウジ財務省や国際通貨基金のデータに基づいて作成された。

今年の見通しについては、昨年の8.5%という輝かしい成長の勢いや国内の非石油部門での経済活動の拡大が民間主導で続くと想定している。

しかしながら、新型コロナの変異株が再度現れるリスクも指摘されている。また、特に王国の主な貿易や外国直接投資の相手に関して、世界的な不況の影響が懸念されている。

また全体として、国内の財政構造改革により、経営体制の合理化や収入源の多様化が引続き進んでいることも言及されている。当然ながら、今年の財政バランスは黒字となり、中期的にもそれが25年まで続くと予想されている。

以前は財政赤字が8年間続いていたが、今年は2年連続出での黒字ということになる。

公的債務も政府の50%という債務上限を引続き下回る見通し。

国内の失業率が下がり続ける一方で、女性の労働参加は増え続けている。労働力に占める女性の割合はわずか4年で倍増し、「ビジョン2030」の目標をすでに上回っている。

だがStrategic Gearsの専門家によると、需要の伸びに追いつくため、専門技術を持った人材を供給する必要があるという。その際、労働コストの上昇など、長期的かつ広範な取り組みを伴う可能性がある。

報告書は最後に、2023年は旅行・観光・おもてなし・エンタメ、およびそれらの関連業界で興味深い動きが見られ、サウジと中東の「グリーンイニシアチブ」の一環として、また鉱業において環境に対する取り組みでも進展が期待されると述べている。