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あなたのパンは私たちの責任:レバノンにてCOVID-19飢餓救済プログラムが開始

レバノンのボランティア団体がCOVID-19飢餓救済プログラムを開始(Facebook)
レバノンのボランティア団体がCOVID-19飢餓救済プログラムを開始(Facebook)
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01 Apr 2020 03:04:21 GMT9
01 Apr 2020 03:04:21 GMT9

カーラ・チャアワー

コロナウイルス (COVID-19)が拡散し続ける中、世界の人々は不安定な時代に生きている。都市や国が封鎖されていく一方で、感染者と死亡者は増加し続けている。

しかし、もともと政治的、経済的、財政的危機に苦しむレバノンのような国では、アウトブレイクがそうした事態のさらなる悪化を招いており、国民の多くに大損害を与えている。

3月15日にCOVID-19の蔓延を阻止するためのほぼ完全なロックダウンが始まり、同時に政府による民間、公共事業の閉鎖を労働者に命じる制裁および抑制が発動した。それにより、生活必需品の支給を支援するために非営利団体が立ち上がることとなった。

非営利団体「イズディハール」、「シー・シャバルキ」からのボランティアグループは、パンデミックによる負担を軽減し、トリポリの低所得家庭にパンを提供することを目的とした「キブザック・アバイタック」という名のプロジェクトを新たに立ち上げた。これはアラブ語で「あなたの家へパンを」という意味である。

「シー・シャバクラキ」の広報担当エハブ・ヌハイリー氏はアラブニュースジャパンの独占インタビューでこう答えた。「コロナウイルスに起因した政府の要請によって外出できなくなり、厳しい生活状況に苦しむ人々がいます。私たちはそうした、生活基盤への緊急支援がもっとも必要な地区の貧しい家庭にパンを配り始めました。彼らの尊厳と安全を守るため、私たちは彼らの家までパンを届けたいと切望していたのです」。

「プロジェクトが開始してから1日あたり5,000包のパンが配布されていましたが、今では1日あたり8,000包に増えています。将来的には、必要とする地域内のすべての家庭により多くのパンを届け、食料やその他の必需品を含んだ支援にまで拡大するため、より多くの支援を受けられることを願っています。私たちとの共同を希望するすべての組織、またボランティアや寄付を希望するすべての人を歓迎しています」とヌハイリー氏は付け加えた。

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もともと予算の厳しい中で生活している低所得家庭には、収入がないまま家にいる余裕はない。結果としてそのような家族は、日雇い労働に参加することによる露出のより高い危険を受け入れるか、食糧安全保障の問題を抱えるかの選択を強いられる。

ヌハイリー氏によると、パンの配布とロックダウンは同時期に始まった。パンの配布は、最低賃金で働く人々にある種の食糧安全保障を与えることによって人々が家に留まるように仕向ける一方で、外出の必要性を最小限にもしている。

「パンの配布中には、食料の安全性を保つための試みが行われています。ボランティア、また受け取る人々両方の安全を確保するため、私たちはそれぞれ個人の保護具を使用するなど、最高の健康、殺菌、衛生基準を採用しています」とヌハイリー氏は言った。

「私たちに資金を提供してくれているのは、政府や政治当局に見捨てられた人々が極限の改善と貧困に苦しむのを見たくないレバノン人家族たちです」と、NGO団体イズディハール秘書モハメッド・アブディーンは言った。

「この危機に打ち勝つために、トリポリのすべての人々が団結し、差異は脇に置く時が来ました。アイデンティティや宗派、政治的所属に関係なく、すべての人々のもとへ食料が届かなくてはなりません」とアブディーン氏は付け加えた。

レバノンの社会問題省によると、レバノンで極度の貧困に苦しむ人々の20パーセントが現在1日4ドル未満で生活していると推定されている。経済活動の喪失の中、レバノン・ポンドの切下げなどの以前の複合的な危機と相まってこの数は増えることが予測され、何千人もの時間労働者とその家族に集団的な影響を与えている。

ボランティア活動や、もっとも困窮したトリポリの家庭に食料としてパンを提供する取り組みへの寄付に興味がある人は、Facebook またはInstagramを通して協会に連絡することが可能だ。

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