東京：日本卓球界のスター伊藤美誠選手は、東京オリンピックが開催へと前進する限り、ファンがいなくてもプレーする準備ができていると語った。

新型コロナウイルスによって延期されたオリンピック2020の主催者は、中止の可能性を否定しつつも、無観客で大会を開催する可能性を示した。

「ファンが試合会場にいることを望んでいますが、選手にとって最も重要なことは、大会の開催に向けて前進し、プレーできるようになることです」と世界第3位の伊藤選手はAFPに語った。

「それが選択肢なら、ファンがいなくてもプレーしたいです。絶対にプレーしたいです」と、日本で最も人気のあるオリンピック選手の1人である、この20歳の女性は言った。

東京オリンピック2020の上層部は、今後数か月で観客数を決定する予定だが、伊藤選手はホームの大声援なしで競技が行われる可能性にも動揺することはない。

「主催者側が出した結論に冷静に対処する準備を確実にする必要があります。動揺はしたくありません。どんなことが起きても、大丈夫なようにしていたいです」と彼女は話した。

伊藤選手の評価は、2016年リオデジャネイロ大会において、15歳と300日で団体戦の日本チームとして銅メダルを獲得し、史上最年少のオリンピック卓球メダリストになって以来、上昇を続けている。

彼女は昨年、男女を問わず世界ランキング2位を獲得した最初の日本人選手となった。

しかし、オリンピックで中国の優勢を崩すことは至難の業となるであろう。

1988年に卓球がオリンピック競技になってから、中国女子はシングルスすべての金メダルを獲得してきた。しかし伊藤選手は、ホームグラウンドに驚きをもたらすことができると信じている。

オリンピックでシングルス、団体戦、ミックスダブルスの試合に出場予定の伊藤選手は、「自分がより上手くなっていることは分かっており、自分の試合に大きな自信を持っています」と語った。

「ほんの1～2か月前と比べても、日に日に自信が深まっています。」

日本政府とオリンピック関係者は、国内外で新型コロナウイルスの感染者が増加し、国内の支持が低下しているにもかかわらず、大会は7月に予定通り開幕すると主張している。

伊藤選手は、オリンピックが中止となる可能性があるという報道があっても、目の前のやるべきことから気をそらすことはない。

「私は、開催に向けて前進しているという前提で準備をしています。一選手として、絶対に前進して欲しいですし、それを念頭に置いて日々練習しています」と彼女は言った。

今月初めの全日本選手権の決勝で、伊藤選手は石川佳純選手に敗れた。この大会は、新型コロナウイルスで国際大会が8か月中断となった後の2度目のトーナメントであった。

彼女は、11月に中国で開催された女子ワールドカップで実戦に復帰したが、調子を取り戻すのにそれほど時間はかからなかったという。

「とても楽しかったですが、大会が始まる前に2週間隔離しなければならず、対処しなければならない不慣れなことがたくさんありました」と彼女は話した。

「かなりストレスを感じましたが、試合が始まってからはとても楽しかったです。早く試合をしたいと思っていましたし、試合が終わってからは、いつでもプレーできる状態にしておきたいと思いました。試合がどれだけ楽しいかを改めて実感しました。」

伊藤選手は、昨年の大会中断中に気力が落ちたと感じることはなく、代わりに日本のテレビドラマを途切れることなく見て、家での時間を楽しんだという。

また、パンデミックを通して集中力が揺らぐようなことは一度もなかったものの、すべてが終わった際のしばらくの休みを楽しみにしていると話す。

「オリンピックで優勝することは、今年私が最もやりたいことです」と彼女は語った。

「その後、パンデミックが終わったら、友だちと一緒に温泉に行き、日本にいることを心から楽しみたいです。」

AFP