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11知らぬ世代へ=小学生に教訓伝える―沿岸部訪れ実感・震災10年

同市は「中通り」と呼ばれる内陸部にあり、津波が襲った海岸近くを訪れたことがない児童もいる。また、同校から東京電力福島第1原発までは約50キロ離れている。高野教諭は今年1月、復興の現状と課題を知ってもらうため、4年生を連れて津波被害を受けた浪江町の請戸小学校などを見学した。(AFP9
同市は「中通り」と呼ばれる内陸部にあり、津波が襲った海岸近くを訪れたことがない児童もいる。また、同校から東京電力福島第1原発までは約50キロ離れている。高野教諭は今年1月、復興の現状と課題を知ってもらうため、4年生を連れて津波被害を受けた浪江町の請戸小学校などを見学した。(AFP9
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05 Mar 2021 01:03:28 GMT9
05 Mar 2021 01:03:28 GMT9

現在の小学3年以下の年代は、10年前の東日本大震災の後に生まれ、被災体験を持たない。震災を知らない子供たちに、記憶や教訓をどう伝えるか。東北各県の被災地の小学校では、現地見学や他校との交流など、当事者意識を持たせる取り組みが続いている。

「3月11日が何の日か分からない児童がいる」。福島県本宮市立白岩小学校の高野舞子教諭(40)は危機感を募らせる。高学年でも震災の記憶がない子がほとんどで、低学年は授業で触れても反応が薄いという。関心を高めるため、「紙芝居やクイズを用いるなど工夫を凝らしている」と話す。

同市は「中通り」と呼ばれる内陸部にあり、津波が襲った海岸近くを訪れたことがない児童もいる。また、同校から東京電力福島第1原発までは約50キロ離れている。高野教諭は今年1月、復興の現状と課題を知ってもらうため、4年生を連れて津波被害を受けた浪江町の請戸小学校などを見学した。

後日の振り返り学習では、児童から「海の近くには建物がなかった」「帰還困難区域には入れないようになっていた」などの感想が出た。高野教諭は「実際に見ないと分からないことは多い。普段の生活が当たり前ではないと気付いてもらえた」と手応えを口にする。

地震による津波で面積の約48%が浸水し、180人以上が亡くなった宮城県岩沼市。市立玉浦小学校では、災害時に主体的に行動する力を身に付けさせるため、防災訓練に重点を置く。今年度は地震や津波、竜巻などを想定した訓練を16回実施。武田知也主幹教諭(47)は「形式的にならないよう、教職員に予告しないこともある」と話す。

2月25日には、姉妹都市の高知県南国市で南海トラフ地震に備え防災教育を推進する市立十市小学校と、震災をテーマに交流会を開催。新型コロナウイルスの影響のためオンラインで実施し、災害時の広域連携について発表した玉浦小6年の菅原直太朗君(12)は「人と人とのつながり、助け合いが大切だ」と強調した。

今後も巨大地震が発生する可能性が指摘される中、武田主幹教諭は「震災の経験を風化させてはならない。『自分の身は自分で守る』という意識をさらに高める必要がある」と力を込めた。

JIJI Press

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