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フランシスコ教皇、反核の使命を抱き日本の爆心地を訪問へ

2014年6月6日、バチカンでの内謁にて贈り物を交換し対談する日本の安倍晋三首相(左)とフランシスコ教皇。 (AFP)
2014年6月6日、バチカンでの内謁にて贈り物を交換し対談する日本の安倍晋三首相(左)とフランシスコ教皇。 (AFP)
18 Nov 2019 02:11:20 GMT9

ロイター、バチカン市国

フランシスコ教皇は日本およびタイへのツアーの一環として今週、核兵器廃絶の使命を抱き、戦争で核兵器が使用された唯一の場所である第二次世界大戦の爆心地、広島と長崎を訪問する。

今回の7日間の旅は教皇にとって最長かつ最も遠くへの旅の一つとなり、それぞれの国において人口の1%未満を占める、小さいが尊敬を集めるカトリックのコミュニティを支え、奨励する機会となる。

実際、タイでは389,000人、日本では536,000人という各国のカトリック教徒の人口は、他の国での教皇の一回のイベントに集まる群衆の人数より少ない。

2013年の教皇就任以来32回目となる今回の旅でフランシスコ教皇は、火曜にタイに向けて出発し、11時間半のフライトの後、水曜の午後にバンコク到着する。

教皇はバンコクでの3日間で、教皇より約10歳年上の91歳のタイ仏教最高指導者、大僧正ソムデット・プラ・マハー・ムニウォン、そして67歳のマハー・ヴァジラロンコーン王と面会する。

タイ滞在中、教皇にはセックスツーリズムと人身売買の惨状への対応が期待される。

政府データによると、タイで救出された人身売買被害者の数は今年過去最高を記録する勢いで、隣国マレーシアにおける安価な労働力の需要が違法取引の急増を引き起こしている。

個人的な側面では異例となるが、アルゼンチン人である教皇のスペイン語=タイ語通訳は教皇のいとこが務める。シスター・アナ・ロサ・シヴォリは、タイで50年以上宣教師として働いてきた修道女である。

核兵器の全面禁止

タイに4日間滞在した後教皇は日本に移動するが、特に広島と長崎を訪れる11月24日には、国際政治と国内政治が大きく迫る。

第二次世界大戦の終結を求めて米国が1945年8月6日に広島に、そして3日後に長崎に投下した原爆により、約40万人が即死あるいは放射線病や原爆による負傷により死亡した。

2017年、前任者よりさらに進んで、各国が抑止力目的としてでも保有すべきではないと述べた教皇は、核兵器の全面禁止を望んでいる。

この姿勢は、核は抑止力として75年間有効に機能したと主張するカトリック教会内外の保守派により批判された。

日本は原爆攻撃を受けた唯一の国家としての独自の立場を強調し、軍縮を提唱する一方、拡大抑止として米国の核の傘に依存している。

教皇は長崎の爆心地で原爆生存者と面会し、祈り、重要な「核兵器に関するメッセージ」を読み上げる。その後、広島の平和記念公園を訪れる。

また、2011年の地震により引き起こされた津波が原因となって福島の原子力発電所のメルトダウンが発生した、日本の「三重災害」の犠牲者に教皇が面会する際には、原子力エネルギーも今回の旅の焦点となる。放射能により16万人が避難を余儀なくされ、何千人もの人々が戻れなくなっている。

福島の震災後、日本カトリック司教協議会は原子力発電の廃止を求める文書を発表した。

協議会はまた、安倍晋三首相による戦後の平和憲法改正の動きにも反対している。

若き司祭だった頃日本で宣教師になりたいと思っていた教皇は、何世紀にもわたり迫害を受けながら秘密裏に信仰を守った日本の「隠れキリシタン」の、減少しつつある子孫たちとも面会する予定だ。

キリスト教は1549年にイエズス会により日本にもたらされたが、1614年に禁止された。宣教師は追放され、敬虔な信者は殉教か信仰を隠すかの選択を迫られた。キリスト教は1873年に解禁された。

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