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オリンピックで銀メダル獲得したサウジアラビアのタレク・ハムディ選手がジェッダ空港に到着し、英雄待遇の出迎えを受ける

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09 Aug 2021 11:08:28 GMT9
09 Aug 2021 11:08:28 GMT9
  • 2020年度東京オリンピックで歴史的快挙を遂げた23歳のタレグ・ハメディ選手が、サウジアラビアオリンピック委員会会長のアブダッラー・アジズ・ビン・トゥルキ・アル・ファイサル王子に伴われ、万雷の拍手と紙吹雪で出迎えられる

アリ・カーレド

モハメド・アル・キナニ

ドバイ: 2020年度東京オリンピックの男子空手競技で見事に銀メダルを獲得したサウジアラビアのタレグ・ハメディ選手がジェッダ空港に到着し、サウジアラビアオリンピック委員会会長のアブダッラー・アジズ・ビン・トゥルキ・アル・ファイサル王子に伴われて、英雄待遇の出迎えを受けた。

日本の首都東京から帰還したサウジアラビア代表選手団は、歓声と紙吹雪で迎えられ、23歳のタレグ・ハメディ選手の快挙が讃えられた。

ハメディ選手の銀メダルは東京オリンピックでサウジアラビアが獲得した唯一のメダルとなったが、ペナルティ判定がなければあと一息で金メダルの可能性もあった。

ハメディ選手は空手男子組手75キロ級の決勝で悔し涙を飲むこととなった。彼はイランのサジャド・ガンジザデ選手に4対1でリードしていたが、危険な技を使ったとして反則がとられ、金メダルを逃す結果となったのだ。ガンジザデ選手は担架で日本武道館から運び出され、この試合は4対0でイランのガンジザデ選手の不戦勝に決まった。

オリンピックの銀メダルはハメディ選手にとって素晴らしい成果であることに変わりはない。この決勝戦以来、ハメディ選手はサウジアラビアおよびアラブ世界全土に渡って、その快挙が讃えられている。

到着したハメディ選手は、決勝戦での出来事についてコメントを避け、審判の判定は青天の霹靂だったが、判定を受け入れたと述べた。

「本当にショックでしたが、私たちは判定を受け入れる以外どうすることもできませんでした。それでも、近い将来行われる大会では必ず金メダルを手に入れます」と語った。

今回の銀メダルは、2000年シドニー大会の400mハードルでハディ・スーアン選手が銀メダルを獲得して以来初のオリンピック銀メダルだと、ハメディ選手はアラブニュースに語った。

「これによって、我々サウジスポーツ選手がオリンピックで良い結果を出す能力があることが示されたのです」とハメディ選手は付け加えた。

「決勝に進出できたのですから、今後の大会で金メダルを獲得するのは可能だと思います。2年後にはパリ大会がありますが、パリでも空手競技が採用されるのであれば、メダルは1個以上期待できるのではないかと思います」と語った。

ハメディ選手は、東京2020大会の準備には大変長い時間がかかったことを指摘した。

「この大会に向け、2年近くもハードなトレーニングを積み、準備を重ねなければなりませんでした。愛する祖国のために何かをしたいという野心と執念がありましたから」

ハメディ選手は、自分と仲間の選手たちはスポーツ省からあらゆる支援を受けたことを指摘した。さらに、自らの野望は金メダルだと付け加えた。

「選手団は、サウジアラビア政府、皇太子殿下、スポーツ大臣、サウジアラビアオリンピック委員会の副委員長の全面的なご支援をいただきました。関係者の皆様の努力には本当に感謝しています」と語った。

「金メダルは私たちの野望であり、サウジアラビアは金メダルに値する国だと本当に思っています。自分もベストを尽くしたのですが、その結果が…。ただ、これはアッラーの御命令であり、すべてはアッラーの御心のまま。アッラーに感謝を」と語った。

ハメディ選手は、特に第一戦でクロアチアのイバン・クベシッチ選手に3-2で敗れた後、全勝しなければならないという大きなプレッシャーにさらされたと語った。だが、そこで負けて良かったとハメディ選手はいう。

「最初の敗北がかえって有利に働いたのです。自分のベストを引き出すよう背中を押され、それが本当に実現したのですから」と語った。

アラブニュースの取材に対し、サウジアラビア空手連盟の会長であるムシュリフ・アルシェリ博士は、ハメディ選手は世界的に見てもお手本となる存在になったと語った。

「世界空手連盟は、ハメディ選手の能力や優れたパフォーマンスを目の当たりにしました。世界中の空手選手のお手本ともなるハメディ選手は、サウジアラビアの選手の能力を全世界に示すことに成功したのです」とアルシェリ氏は語った。

さらに、東京大会に向けては計画を立てて準備を進め、それが成功したとも述べた。

「準備計画はもう一つあります。世界選手権です。ドバイで開催される同大会に向け、選手たちに準備を重ねてもらいます」

「ハメディ選手をはじめとする選手団は、より良いパフォーマンスを見せ、オリンピックよりさらに良い結果を出してくれるだろうと思っています。非常に熟練したコーチを採用し、努力してくれたので東京で結果が出ました」とアルシェリ氏は語った。

「我が国には女子空手選手の1団もいます。現在、選手を鍛えてくれる優秀なコーチを探しているところです。次のアジア選手権が、サウジ女子空手チーム初の公式参加の場となると思います」とアルシェリ氏は締めくくった。

一方、サウジ代表空手チームのモロッコ人コーチであるムニール・アフキール氏がアラブニュースに語ったところでは、2018年の世界チャンピオンで、クベシッチ選手にハメディ選手が負けたことは問題ではなかったという。

「ハメディ選手には、負けたことは忘れ今後の試合に集中するよう伝えました。幸い、チャンピオンであるハメディ選手を不機嫌なムードから解き放つことに成功しました。次のアメリカ人チャンピオンとの試合ではうまくやってくれました。その後で、5回の世界チャンピオンであるイラン代表サジャド・ガンジザデ選手と戦果を分かち合うことになったのです」とアフキール氏は語った。

アフキールコーチはさらに、ハメディ選手はやる気満々で、カナダ人の相手を倒すことができたと付け加えた。

「ハメディ選手は、東京2020大会で最高の空手選手であり、あの主審の判定さえなければ、金メダルを獲得するはずでした。しかもその判定は、ハメディ選手の蹴りに対するガンジザデ選手の大げさな反応に基づいたものだったんです」とアフキール氏は語った。

物議を醸したハメディ選手の蹴りについて、同コーチは、ルールは明らかだと述べた。

「ビデオには蹴りの部分がはっきりと映っていませんでした。試合の規則では、このような場合、審判陣は医師の判断に頼ることになっています。もし医師が攻撃的な蹴りだったと言えば、主審は違反者を失格にすることができるのです」と語った。

アフキール氏の説明では、問題はすべて、ガンジザデ選手が試合に負けると感じたことにあるという。

「ガンジザデ選手は、ハメディ選手に負けると感じたため、過剰に重傷を負ったふりをしたのです。ですが、これははっきり言って外道です。私たちにとって大事なのは、イラン人選手の行動は誠実ではなかった、ハメディ選手こそが金メダルにふさわしいのだ、ということを世界が知ってくれることです」とアフキール氏は語った。

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