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掘り起こす:サウジアラビアの若者たちの間で完全菜食主義がブームに

サウジアラビアの若者たちの間で健康志向が高まりつつあり、健康的な生活習慣を取り入れて健康維持に努めようとするようになってきている。(写真/提供)
サウジアラビアの若者たちの間で健康志向が高まりつつあり、健康的な生活習慣を取り入れて健康維持に努めようとするようになってきている。(写真/提供)
05 Dec 2019 09:12:55 GMT9

シャード・アルハムダン、ジッダ

  • 菜食中心の食習慣は、肥満度指数、血圧、コレステロール値を下げるのに有効との研究結果

ビーガン(完全菜食主義者)たちはその食習慣に関する固定観念に日々直面しているが、サウジアラビア王国では動物を含まない食事へと切り替える若者の数が増えている。

この動向は、サウジアラビアの健康意識、特に肥満への懸念のせいだと考えられる。

調査ではサウジアラビア国民の40%以上が肥満であることが明らかになっている。

オンラインの意識向上キャンペーンでは、ビーガンたちに対し、自らの食習慣の体験をシェアして欲しいと促している。サウジアラビアの何名かの若者たちが、ラマダン中に「プラントB」の番組を見た後、菜食中心の食習慣を取り入れるようになった。

同ショー番組は、エジプト人医師であるバセム・ユーセフ氏が主演し、二カ国語で放映されたウェブ上のシリーズものだ。完全菜食主義が人の健康に及ぼす重要性やメリットを解説した。

ビーガン向けの選択肢を取り入れたレストランや自営ビジネスの数は日々増加している。

ラニーム・アルクラシさん(17歳)は学生であり、オンラインビジネス「ナバティ」のオーナーだ。彼女は2年前に完全菜食主義に切り替えた。「私は以前からおおむね健康的な食事をしていたので、完全菜食に切り替えたときにもそれほど大きな違いは感じませんでした。しかし食後には非常に軽さを感じました。肉は消化するのに時間がかかりますから」と彼女は述べた。

「私は、ジッダで健康的なビーガン向けベイク食品を手に入れるという自分自身の必要性から、1年ほど前にこのビジネスを始めました。ジッダにはビーガン向けのものがまったくといっていいほどありませんでした。あったとしても値段が非常に高かったりしたのです」

アルクラシさんは、完全菜食主義や菜食中心の食事はサウジアラビアで増加しつつあると考えている。人々は、自分の意思決定や、それが自身の健康、環境、動物たちにどのような影響を与えるかについて、これまでよりも意識を向けるようになってきた。

ジャワン・クドゥスさん(32歳)は、「ロー・インスティンクト」を設立した起業家だ。彼女自身は完全菜食主義なのだが、料理をするには、新たな味や組み合わせの知識を得るためにも非菜食主義の料理を試食する必要がある。彼女がビーガンを始めたのは、ロンドンに留学していた2009年のことだ。

クドゥスさんは述べた。「私は生で食べるローフードの食事を発見し、恋に落ちました。それは私の人生の画期的出来事でした。私は味に妥協することのないスーパーフードの食べ方を学びました。次に、火を通すビーガン料理を探求し、キッチンで実験を重ねました。それは私の食習慣や食事への取り組み方を一変させるものでした。完全菜食主義は、人が真の、そしてベストな自己になるのを助けてくれるものだと私は信じています」

結婚セラピストをしている臨床心理学者のアブドゥラ・ガジ氏は、6カ月前から完全菜食を取り入れていると語った。レストランでビーガン料理を食べることから始め、その後、1日1食をビーガン食にするようになった。やがては全食がビーガンになった。

ガジ氏は述べた。「私は30代になりつつあり、より良い生活習慣を探していました。医者であることから私は、なにか新たなことを試すのに下準備をしないわけにはいきません。そしてとても励みになる事実をみつけました。菜食中心の食事は、コスト効率が良くて介入リスクが低く、肥満度指数、血圧、コレステロール値を下げる可能性があるとの研究結果があるのです。また、慢性疾患の治療に必要な薬の数を減らし、心臓病の死亡率を下げる可能性もあります」

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