ザイド・カショギー、ラハフ・ジャンビ
リヤド:レストラン「Nusr-et」と聞くと塩と肉、そして素敵なショーが思い浮かべられる。高級レストランでの食事が体験できるエリアとして知られるリヤドUウォークにある「Nusr-et」で提供されるのはまさにそれらだ。
愛称の「塩振りおじさん」「ソルト・ベイ」で知られるトルコ人有名シェフのヌスレット・ギョクチェ氏がサウジアラビア第1号店、系列店としては第28号店を先週オープンした。
同氏が何を提供するかを確かめるためにアラブニュースが取材に訪れた。
店に入る客を友好的で笑顔に溢れるスタッフが迎え入れる。店内を通りながら辺りを見回すと、金、浮き彫り、紋章などで飾りがいたる所に置かれている。壁や家具、バー、そしてメニューの品書きを見るだけで誰のレストランかが一目で分かる。
フランスから訪れていたギヨム・ロシェット氏はアラブニュースに対して「食事、ショー、すべてが素晴らしいです。彼は(ヌスレット氏)は期待を裏切らない非凡な人物です」と語った。「一皿につき1,000サウジアラビアリヤル(約267ドル)をとるのは彼にしかできないことですが、素敵です。リブアイ、マッシュポテト、Nusr-et特製サラダ、そしてもちろんバクラヴァを頼みました」という。
肉で知られるレストランでベジタリアンの品々がその店の強みと考えられることは多くない。ところがクルミが載せられバルザミコ酢のドレッシングがかかった「Nusr-et」の特製サラダはよくできており、食前サラダとしての項目をすべて満たし、その後のショーの幕開けとして胃腸の準備をするかのように程良い満足感を与えてくれる。
ぜひ注文すべきなのは柔らかくジューシーで、かつビーフの味を引き立たせる脂がしっかりと乗った和牛ポーターハウスステーキだ。1,500サウジアラビアリヤルと値は少し張るが、提供されるサイズは大きく、2-3人で十分シェア可能だ。
ポーターハウスなどのメニューアイテムではステーキ上でナイフの手捌きを披露し最後は代名詞である塩振りで締める「塩振りおじさん」がテーブルに登場する。
その他同店は「肉の寿司」「ミートスパゲッティ」「オスマンステーキ」などが肉料理として有名であり、それぞれにおいて客の好みに合わせた味や焼き加減でコックが調理してくれる。
ギョクチェ氏は肉の調理や味付けだけでなく、レストラン客との写真撮影が好きであり、これがまた体験を特別なものとしてくれる。
このレストランチェーンの名称は同氏の名前とトルコ語で「肉」を意味する「et」という単語を掛けたものだ。
2021年の時点で同シェフはトルコ・ギリシャ・米国・英国・アラブ首長国連邦・カタールの各国、そして今回のサウジアラビアに店を展開している。
ロンドン店のオープン以来同レストランへの評価はまちまちであり、そのメニュー価格に対する意見は割れている。
自身でも接客業を行う企業を共同で立ち上げたロシェット氏は「Nusr-etがここで実現した鍵となるコンセプトは、品質を提供することで販売を促進する、というものです。もちろん高価ですが、品質を伴うものです」と語った。
「Nusr-et」店内の日中の雰囲気は映画『ゴッドファーザー』のテーマ曲が流れるなど上品だ。夕方7時頃に忙しくなり始めるまでのこの時間帯にはよりゆったりとした親密な時間が期待できる。
「サウジアラビアの人々は夜遅くに街に繰り出すことが好きですから、夜はよりエキサイティングです。早い時間ではなく遅い時間の賑やかさを体験して欲しいお店だと私は考えます」とロシェット氏は述べた。
午後8:30頃に照明が暗くなり、より多くの人が訪れるようになると、店内は活気に満ちてゆく。
「リヤド店を訪れたのはこれが初めてでしたが、お肉が非常に美味しく、とても楽しめました。誰もが一度は体験すべき素晴らしい体験です」とロシェット氏は語った。