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ドバイ在住英国人が始めたオンラインのティーショップ「BRW Society」に日本が与えた影響

BRW Societyは、日本、中国、ドイツ、クロアチアなどの国から輸入した50種類の様々な茶葉ブレンドを販売することから始めたと創立者のマニング氏。(提供写真)
BRW Societyは、日本、中国、ドイツ、クロアチアなどの国から輸入した50種類の様々な茶葉ブレンドを販売することから始めたと創立者のマニング氏。(提供写真)
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15 Feb 2022 07:02:58 GMT9
15 Feb 2022 07:02:58 GMT9

ダイアナ・ファラー

ドバイ:アラブ首長国連邦在住のイギリス人、ローラ・マニング氏は常に紅茶を飲んでいる家庭で育ち、茶葉の質には非常に重きを置いている。そんなマニング氏は2018年にドバイに移住した時、ルーズリーフの茶葉市場に参入の余地があることに気づき、そこに好機を見出した。

アラブニュース日本版の取材に対し、オンラインのティーショップ「BRW Society」創立者のマニング氏は、起業したのはドバイに住み始めて1年後の2019年7月だと語った。

「(ドバイでは)クールなお茶はほとんど飲めなかった。高品質の茶葉のチョイスはとても少なかった」と、マニング氏は言う。「スーパーでも、ルーズリーフの茶葉はなかなか手に入らなかった」

マニング氏は紅茶文化が盛んなイギリス出身だったため、とても驚いたと話す。イギリスの母親に頼んで毎月お気に入りの紅茶を送ってもらい、友人を招いてお茶会をしたという。

そしてある日、「ピンときた」そうだ。UAEの茶葉市場の隙間を自分が埋められると気がついたのだ。

「高品質の茶葉を輸入して、人々にこういう紅茶もあるんだということを知ってもらい、お茶に対するクールな見方を広めたかった」と、マニング氏。「それがBRW Societyを始めた理由。お茶はクールにもなり得ると示したかった」

BRW Societyは、日本、中国、ドイツ、クロアチアなどの国から輸入した50種類の様々な茶葉ブレンドを販売することから始めたとマニング氏は話す。

「最初はかなり小規模で始めた。個人的にルーズリーフの茶葉が好きだから、それをまず売り始めた」と、マニング氏はアラブニュース日本版に語った。「この国の人々にお茶のことを知ってもらいたい。ルーズリーフのお茶を淹れるのがどんなに簡単で、ティーバッグよりもずっと体にいいということを伝えたい。それが私の情熱になっていた」

BRE Societyを始めてすぐの頃は、「ティーメニューをもっと盛り上げるにはどうしたらいいかを来てくれた人たちに知ってもらう」ために、UAE国内の様々なホテルでティーテイスティングを行っていた。

これらのテイスティングでは、お茶の味の違いを感じてもらうために、必ず日本茶を取り上げて他のお茶と比べていたという。

「来てくれた人たちは試飲して、味の違いを実感していた。日本茶はよりフレッシュで、はっきりとした特徴がある」

BRW Societyが日本から取り入れたのはお茶だけではなかった。サステナビリティを考慮していたマニング氏は、パッケージ面で「地球の環境を破壊する」ことは決してしたくないと考えていた。

マニング氏によれば、BRW Societyが販売するお茶のパッケージはほぼ100%植物由来で、これは日本で開発されたソイロンという素材のおかげだという。

「うちのお茶のティーバッグはコーンスターチでできている。合成プラスチックや漂白紙は使いたくなかった。お茶の純度と清浄性が失われてしまうから」と、マニング氏は話す。

ソイロンは完全に生分解性で、生ごみでつくる土壌やコンポストに分解される。「グリーンな製品で、化学物質が体に入ることもない」と、マニング氏。

BRW Societyはまた、100%リサイクルのボール紙を使用している。箱の印刷にも、野菜からつくったインクが使われる。

ティーバッグが入っている透明の袋も、木材パルプからつくられたネイチャーフレックス(nature flex)という製品だ。プラスチックに見えるが、実際は違う。「つまり、コンポストとして処理すれば、分解されて土に返るということ」と、マニング氏は言う。

日本から受けたインスピレーションとして、マニング氏は日本茶を好んで飲む人々は「世界でも最も健康に気を使い、かつ健康な人たち」だと考えている。

日本では緑茶が健康に良いと考えられているのが素晴らしいと彼女は説明する。「私もそう思うし、毎朝、グリーンスムージーに1ショットの抹茶を入れている」

「もっといろいろな日本茶のブレンドを販売して、どれだけ多くの種類があるかを伝えたい。日本の緑茶は中国の緑茶とはまったく違っているから」と、マニング氏は言う。「色だけでなく、味も、もっと草っぽい風味がある」

BRW Societyは徐々にUAEでの存在感を確立しつつあり、顧客はショップのブランドを信頼し、新しい味を試し始めているという。

「今後、数ヶ月のうちにサウジアラビアにもビジネスを展開したい」と、マニング氏は語り、サウジアラビアにはすでに巨大なe-マーケットプレイスが存在するため、ビジネス展開は自然なことだと続けた。

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