ドバイ:欧米のソーシャルメディア大手に対する取り締まりの中で、ロシアは今月、フェイスブックとインスタグラムを禁止し、両プラットフォームの親会社であるメタを「過激派」企業とみなした。
ロシア国営通信社タスによると、ロシア連邦保安局FSBのイゴール・コバレフスキー代表は、「メタの活動は、ロシアとその軍隊に向けられている」と述べたという。
インスタグラムの責任者であるアダム・モッセーリ氏は、この禁止措置により、同プラットフォームのロシアにおける8000万人のユーザーがアクセスできなくなると述べた。
On Monday, Instagram will be blocked in Russia. This decision will cut 80 million in Russia off from one another, and from the rest of the world as ~80% of people in Russia follow an Instagram account outside their country. This is wrong.
— Adam Mosseri (@mosseri) March 11, 2022
ロシアの取り締まりは、個々のユーザーの投稿や他者とのつながりを阻み、情報入手も妨ぐ。
しかし、特に大きな代償を払うことになるのは、ロシアの大勢のソーシャルメディアインフルエンサーだ。
ロシアには、数百万人のフォロワーを持つファッションインフルエンサーが数千人存在する。インフルエンサーマーケティングプラットフォームのスターエンゲイジだけでも、フォロワー数が1,000人から1,000万人までのロシアのインフルエンサーを176,070人確認している。
ガーディアンの報道によると、40万人以上のフォロワーを持つDJ兼インスタグラムインフルエンサーのカリーナ・イストミナ氏は「私の全収入のおよそ半分がインスタグラムの広告によるものだ」と話した。
「おそらく、私は新しい収入源を見つけなければならず、自分自身を再発見しなければならないだろう」と彼女は付け加えた。
別のインフルエンサー、カリーナ・ニゲイ氏は、涙ながらにこう語った。「これ(インスタグラム)は私の人生であり、私の魂です。この5年間、このために一日を始め、これとともに一日を終えてきました」
Девушка-блогер плачет из-за блокировки инстаграм. Может уже пора переставать быть вне политики и включить мозги? Все крупные звёзды, кто не высказался в первую неделю против войны, вероятно, просто решили отмолчаться и переждать. Просто позор. pic.twitter.com/DgJZBky6J7
— Соболь Любовь (@SobolLubov) March 12, 2022
「憤りを感じており、とても受け入れられない」と付け加えた。
その数日後、ニゲイ氏はドバイで誕生日を祝い、ボートの上で踊っていた。
インスタグラムで290万人のフォロワーを持つこのインフルエンサーは先週、同プラットフォームで、この禁止措置に不満を示し、それに代わるプラットフォームは4倍の労力を要すると主張する投稿を行った。
「ロシアに住んで仕事をしたいが、一方で、何年もかけて築いたヨーロッパでのキャリアを失いたくない」
アラブ首長国連邦の陽光降り注ぐビーチと豪華なホテルは、現在インスタグラムで生計を立てるのに苦労しているロシア人インフルエンサーらの避難所となっている。
テレグラムと、その前にはロシアのソーシャルメディアアプリであるフコンタクテを創設したパーヴェル・ドゥーロフ氏は、政府の取り締まりをきっかけにロシアからドバイに向かった人々の一人だ。
彼は、フコンタクテでのキャリアがFSBの圧力によって終わったこと、そしてユーザーのプライバシーとデータ、特にウクライナ人のデータを保護する決意について、テレグラムに自身のストーリーを公開投稿した。
また、インスタグラムで3000万人を超えるフォロワーを持つインフルエンサーのハビブ・ヌルマゴメドフ氏も、最近ドバイで目撃された。
インスタグラムで2000万人以上のフォロワーを持つロシアのテレビタレント、オルガ・ブゾワ氏も、禁止令が発表されると動画で泣き崩れ、その後UAEに渡航したとメディアは報じている。
ロシアのタブロイド紙「コムソモリスカヤ・プラウダ」によると、彼女のスポンサーが航空券や5つ星ホテルの部屋など、休暇の費用を負担しているという。
ロシアのウラジーミル・プーチン大統領の支持者である国会議員ウラジーミル・プロトニコフ氏の娘、ソニア・プロトニコフ氏は、インスタグラムで10万人以上のフォロワーを持っており、彼女もまた、現在ドバイに滞在している。
しかし、彼女が同情を期待していたのなら、落胆するかもしれない。プロトニコフ氏の投稿に寄せられたコメントからは、自国がウクライナに戦争を仕掛けている中、インフルエンサーらが他国へ旅行し、贅沢な生活を続けることさえできていることについて、多くの人がどう思っているのかが窺える。
One of the #Russian bloggers cries that in two days her Instagram will stop working
— NEXTA (@nexta_tv) March 11, 2022
She does not care at all about the thousands of dead people, including her compatriots. Obviously, her biggest worry right now is that she won't be able to post pictures of food from restaurants. pic.twitter.com/LSdBiSlwHr
ドバイ在住のインフルエンサー、ベッキー・ジェフリーズ氏は個別インタビューで、アラブニュースにこう話した。「私たちは、世界中で多くの人々が基本的な生活必需品がなく、あるいは必要としていたりする世界に住んでいます。そしてそれは、良い時も悪い時も、不幸な現実です」
「しかし、私は、ソーシャルメディアをミクロやマクロレベルの経済的課題の原因や解決策としては見ていません」
UAEはロシアのインフルエンサーの安全な避難所となりつつあるが、ここだけではない。例えば、この地域内では、220万人のフォロワーを持つロシアのモデルでインスタグラムのスター、ポリーナ・マリノフスカヤ氏が今月エジプトで目撃された。
バリやモルディブに渡航しホテルでくつろぐ人もいれば、ニューヨークやロンドンの賑やかな街での日常生活を求める人もいる。
例えば、インスタグラムで80万人以上のフォロワーを持つヴラド・ベレニッチ氏はバリ島でリラックスしており、ポリーナ・コヴァレヴァ氏はロンドンで洗練された生活を送っている。
ロシアの弁護士アレクセイ・ナワリヌイ氏の「反汚職闘争基金」で調査を担当するマリア・ペフチク氏は、最近ツイッターのスレッドでコヴァレヴァ氏の話を投稿した。
I would like you to meet Polina Kovaleva. Polina is a 26-year-old glamorous Russian girl from London🇬🇧. She lives in a huge apartment in Kensington and loves to party, her instagram feed looks like a non-stop holiday. That’s not unheard of, but there is one small detail…(THREAD) pic.twitter.com/6OsVGjPxQQ
— Maria Pevchikh (@pevchikh) March 10, 2022
コヴァレヴァ氏はロシアのセルゲイ・ラヴロフ外相の義理の娘で、21歳の時にロンドンのケンジントン・ハイストリートにあるアパートを440万ポンドで、その上現金で、購入した。
さらに、彼女の派手なライフスタイルは、インスタグラムのプロフィールを通して明白にわかる。現在はそのアカウントは削除され、新しい非公開の臨時アカウントが作成されている。このニュースがツイッターで流れた後、コヴァレヴァ氏はイギリス当局から制裁を受けた。