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写真の記憶 ヴィンテージ・カメラ2000点、NFTとして発売

フェデリコ氏は、60年代と70年代には、カメラを持ち歩き写真を撮ってすべてを記録することは一般的ではなかったと説明する。(読者提供)
フェデリコ氏は、60年代と70年代には、カメラを持ち歩き写真を撮ってすべてを記録することは一般的ではなかったと説明する。(読者提供)
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22 Oct 2022 09:10:27 GMT9
22 Oct 2022 09:10:27 GMT9

ディアナ・ファラー

ドバイ:20世紀では、祝い事や思い出、そして戦争までもがカメラで撮影され、その出来事が形あるものとして残されてきた。

ある男性のヴィンテージカメラへのこだわりが、2,000点に及ぶ膨大なコレクション、カメラNFTの創設、そして「99カメラクラブ」の設立につながった。

フェデリコ氏は彼の父親がコレクションしてきたカメラを受け継ぎ、ライカ、ニコン、ローライ、ミノックス、ジャガー・ル・クルトなど、著名なブランドの最初期のカメラを所有している。 これらは非常に希少なものだ。

アラブ・ニュース・ジャパンの取材に応じた彼は、父親はカメラに対し「並々ならぬ情熱を持っていた」と語っている。

「父が亡くなるその日まで、私たちはまだカメラを郵送で受け取っていました。よほど好きでなければカメラを2,000台も集めませんよ」

2020年に父親が亡くなると、フェデリコ氏は集められたカメラを見て、99カメラクラブを通じてコレクションを共有することを思いついたのだそうだ。それは父親に敬意を示す方法でもあった。

「父のコレクションの良いところは、生前にはできなかった方法で父の内面を見れたことです」と説明した。最初は売ってしまおうとも考えた、とも。

「ですがこれは父が遺したものなので、どんな値段であっても売ることはできませんでした」とフェデリコ氏はアラブ・ニュース・ジャパンに語る。「私はすでに仕事でNFTスペースを作っていました。そこで、カメラのコレクションを置いておくために、このデジタルスペースという環境を活用する方法がないかと考えていました」

そうして99カメラクラブを立ち上げたフェデリコ氏は、ヴィンテージカメラについて学ぶにつれ、あることに気がついた。

それは、カメラに夢中になっている人たちは、実はそれほど年寄りではないということだった。

「ヴィンテージカメラに興味を持っているのは比較的若い世代でした。

デジタル版を集めてもらうために、テクノロジーを活用することができるのです」と彼は言う。

フェデリコ氏は2000台のカメラをデジタルスペースに並べることも考えたが、最終的には「特筆すべき99台のカメラ」を厳選し展示している。

「選定基準は価格ではなく、特別さです。

初期のライカやソビエト連邦のKGBのスパイカムのように、どれも歴史的な価値や、代えがたさがあります」と彼は付け加えた。

 
 
 
 
 
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99カメラクラブでは2月まで毎日カメラの写真と情報を投稿し、99台のカメラをひとつずつ紹介する。

すべてのカメラがソーシャルメディア上で公開された後、フェデリコ氏は999個のNFTを発行する予定だ。

「また、年末までにジェネシスカードと呼ばれる会員カードを発行し、そのカードを持っている人が一定数のNFTを保有して彼ら自身のコレクションを始められるようにする予定です」と彼は言います。

フェデリコ氏によると、それはゲームでもあるとのこと。「新しいカメラを手に入れるには、持っているカメラを売らなければならない、ということにしようとしています。最終的な目標は、利益を上げられるようになったり、自分のコレクションを作れるようになることです」

ソーシャルメディアのフォロワーは日本人が大半を占めているが、それには理由があるとフェデリコ氏は言う。

戦時中、「日本人はカメラの技術をものすごく発展させた」と説明する。

「戦後登場したカメラの中で一番面白いのは日本製のものだということは周知の事実です。日本のカメラの革新性、創造性はすごい。コレクションに登場するカメラの多くが日本製であるのは当然のことです」

フェデリコ氏はアラブ・ニュース・ジャパンの取材に対し、日本人は 「自分たちが生み出したカメラに対して信じられないほどの敬意を抱いている」と語っている。

「少なくともヨーロッパでは、日本ほどカメラをリスペクトしていません。それがカメラのデザインの違いにも表れており、日本製のカメラには他とは違う何かがあります」とも言った。

日本ではカメラは大量生産されていたことが、ブランドとしての違いを生み出している。

「日本人が写真を撮ることに興味を持つようになったのは、ヨーロッパ人がカメラを持つようになる前のことです。

日本人の休日は限られていたのかもしれません」とフェデリコ氏は説明する。「それは持ちやすいようにサイズを調整された構造からも見て取れます」

日本が発明したマイクロカメラは、一般的にタバコの箱よりも小さい。「非常に軽量で、どこへでも持って行って写真を撮れるというコンセプトは、本来日本的独特の考え方で、変わっていました」

フェデリコ氏は、60年代から70年代にかけては、ポケットから写真を撮ってすべてを記録するという考えは世界では一般的ではなかった、と説明する。ヨーロッパでは、当時は写真を撮ること自体がまだトレンドになっていなかった。

来年2月にはすべてのカメラが公開され、ヴィンテージカメラNFTの取引が開始される予定だ。

「興味を持ってくれた人に、いち早く手に入れてもらいたい。2月にNFTが発行される瞬間から、ジェネシスカードを持っている方は一定数のNFTを無料で手に入れることができます 」と説明した。

99カメラクラブは現在、Facebook、Twitter、Instagram、Discordなどのソーシャルメディアからアクセスすることができ、そのフォロワー数は着実に増えている。

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