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ワールドカップでサウジアラビアがアルゼンチンに勝利、アラブ諸国が歓喜に沸く

22日火曜日、2022年カタール・ワールドカップでアルゼンチン戦での勝利を祝い、車から国旗を振るサウジアラビアのサッカーファン。(AFP)
22日火曜日、2022年カタール・ワールドカップでアルゼンチン戦での勝利を祝い、車から国旗を振るサウジアラビアのサッカーファン。(AFP)
サウジアラビア対アルゼンチンの試合後、スーク・ワキーフで勝利を祝うサウジアラビアのファンたち。(ロイター)
サウジアラビア対アルゼンチンの試合後、スーク・ワキーフで勝利を祝うサウジアラビアのファンたち。(ロイター)
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23 Nov 2022 11:11:27 GMT9
23 Nov 2022 11:11:27 GMT9
  • カタールのタミム・ビン・ハマド・アル・ターニー首長は試合を観戦し、サウジアラビアの国旗を肩にまとう一幕もあった
  • 戦争で荒廃したシリア北西部の反政府勢力の拠点では、試合終了のホイッスルの後、カフェに集まった住民たちが歓声を上げ、祝杯を挙げた

ルサイル(カタール):サウジアラビアがワールドカップでアルゼンチンに衝撃的な勝利を収めた11月22日火曜日、アラブ諸国でファンたちが歓喜に沸き立った。

シリア、ヨルダン、ガザ、そして今年のワールドカップの開催地であるカタールのファンは、サウジアラビアの偉業という大会史上最大の番狂わせに酔いしれた。

2-1で逆転勝利を収めた直後、試合を生で見たサウジアラビアのファンは、ルサイル・スタジアムの外の路上に溢れ、自国の緑と白の旗を振って歌い、取り乱したアルゼンチンのファンを抱きしめさえしていた。

サウジアラビアのファン、スルタン・アルハルティ氏は、「言葉が出ない」と言った。「まさか勝てるとは思っていなかったので、どれほど嬉しいか説明できません」

カタールのタミム・ビン・ハマド・アル・ターニー首長は、この試合に出席し、サウジアラビアの国旗を肩にまとう一幕もあった。

政治的対立からサウジアラビアをはじめとするアラブ3カ国がカタールをボイコットした約2年前には、この瞬間がネット動画に収められ、広く共有されることとは考えられなかったことだろう。

戦争で荒廃したシリア北西部の反政府勢力の拠点では、試合終了のホイッスルの後、カフェに集まった住民たちが歓声を上げ、祝杯を挙げた。

頻繁に起こる空爆と貧困に苦しむ数百万人の居留地にとって、これは嬉しい変化だった。

イドリブでは、たとえそれが自分の好きなサッカーチームの敗北を意味するとしても、サウジアラビアの勝利は中東のシリア人とアラブ人にとって大いに必要な士気の高揚であるとアハマド・アル・アブシ氏は述べた。

アルゼンチンのファンであるアル・アブシ氏は、AP通信に次のように語った。「私たちは、アラブ人としてより良い未来を夢見ています。この士気の高揚は、不可能なことなど何もないのだと気づかせてくれます」

ヨルダンのアンマンの街角では、数十人のサウジアラビア人とヨルダン人が、サウジアラビアの国旗を持ったり、車に載せたりして、クラクションを鳴らしながら浮かれ騒いだ。

そしてガザでは、パレスチナの住民が、サウジアラビアのサッカーの栄光の瞬間に立ち会えたと、喜びの声を上げた。ガザに住むアブ・ハリル氏は、「彼らは政治的、社会的に私たちの味方をしてくれているので、こうしたお祝いは一種のお返しです」と言った。

サウジアラビアでは、サルマン国王が勝利を祝して、国内のすべての労働者と学生を対象に臨時の祝日を発表した。

首都リヤドのファンゾーンで観戦していた人々は、試合が終わると飛び上がって喜び、歓声を上げた。

ドライバーたちはクラクションを鳴らして祝った。サウジアラビア当局は、国主催のスポーツとエンターテインメントの祭典への無料入場も許可した。

勝利の重みは、いずれ身に染みて分かるだろう。サウジアラビアは、火曜日の試合までワールドカップで3勝しかしたことがないチームだった。

1978年と1986年にワールドカップで優勝したアルゼンチンは、今年も優勝候補の一角を占めている(あるいは占めていた)。

サウジアラビアのエルヴェ・ルナール監督は「異例の出来事だ」と語った。「時々、物事が完全に狂ってしまうんだ」

サウジアラビアのGKモハメド・アロワイス選手は、試合終了間際に2つの重要なセーブを見せたが、逆転劇の重大さを理解していないのか、終盤はほとんど沈んだ様子でプレーしていた。

アロワイス選手は、「この名だたる強豪を相手に、このような結果を残すことができ、大変うれしく思っています」と、厳かに語った。「私たちは覚悟を決めました。100%の準備ができたし、これからもっと良い結果が出ることを期待しています」

前半10分で史上最高のサッカー選手といわれるリオネル・メッシ選手がゴールを決め1-0のままハーフタイムを迎えたが、後半早々にサレー・アル・シェフリ選手とサレム・アル・ドサリ選手がそれぞれ1点ずつを決めて、何とか逃げ切った。

そして、試合終了後の審判の判断によるロスタイムを含めて50分以上、大会の優勝候補の1つを抑えての勝利であった。

2012年にザンビアの監督としてアフリカネイションズカップを制し、2015年にはコートジボワールで再び優勝したルナール監督は、「神のお導きで勝つことができた」と語った。

ルナール監督はこれまで、アンゴラやモロッコの監督も務めており、2018年のロシアワールドカップに導いている。同監督2019年にサウジアラビアの監督に就任した。

「サウジアラビアのサッカー史を作ったのです」とルナール監督は言った。「これは永遠に残るでしょう。これは最も重要なことです。でも、まだ2試合、とても難しい試合が残っているので、前を向くことも考えなければなりません」

ルナール監督は、試合後の祝賀会は20分までにするよう、選手たちに求めたという。

「それだけです」と同監督は言った。「しかしまだ2試合、あるいはさらに多くの試合が残っている」

グループCでは、サウジアラビアは26日土曜日にポーランドと対戦し、来週火曜日にはメキシコと対戦しなければならない。それらの国もおそらく優勝候補の一角である。

また、同監督はもう一つの真実の可能性を次のように示唆した。メッシとアルゼンチンは、おそらくFIFAランキングで51位でしかないサウジアラビアを過小評価していたのだろう。アルゼンチンは3位である。

「しかし、ブラジルと対戦するようなモチベーションではないことは分かっているはずです」と同監督は付け加えた。

AP

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