ワシントン:11月25日(日本時間26日)、NASAの宇宙船オリオンが月周回軌道に入ったと当局者が発表した。大幅に遅れの出ていた月探査ミッションは順調に進んでいる。
オリオンがフロリダから月へ向けて発射されてから1週間強が過ぎ、管制官は「ロケット噴射によりオリオンを遠方逆行軌道に乗せることに成功した」とNASAはウェブサイト上で発表した。
オリオンは今後数年で、宇宙飛行士を乗せて月面に着陸する予定である。実現すれば1972年の最後のアポロ計画以来初めて、人類が月面に降り立つことになる。
今回は初回の無人試験飛行で、宇宙船の安全性を確認する目的で行われた。
「オリオンは月面から約4万マイルの高度で飛行するため、軌道は遠方となる」とNASAは説明している。
NASAによると、月軌道で周回中に管制官が深宇宙環境で主要システムをモニターし、点検を行う。
NASAによると、オリオンは約1週間かけて月の軌道を半周し、その後軌道を外れて地球へ帰還する。
11月26日、オリオンは月から4万マイルの地点に到達するが、これは有人用宇宙船が持つ最高記録を更新する。現在の最高記録は、アポロ13号が持つ、地球からの距離24万8,655マイル(40万171キロ)である。
オリオンはその後、地球へと帰還し、12月11日に25日以上にわたる旅を終えて太平洋上に着水する予定である。
この計画の成否は、アルテミス2計画の将来を左右する。アルテミス2は着陸せずに有人で月の軌道を周回し、続くアルテミス3で人類の月面着陸が再び実現することになる。
アルテミス2と3はそれぞれ2024年と2025年に実施が予定されている。
AFP