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サウジアラビアは開催国としてまた勝者としてAFCアジアカップを持ち帰ることができるか?

2018年のロシア・ワールドカップで、エジプトを2対1で下した試合で決勝ゴールを決め喜ぶサウジアラビアのセーラム・アル=ドサリ。 (ロイター)
2018年のロシア・ワールドカップで、エジプトを2対1で下した試合で決勝ゴールを決め喜ぶサウジアラビアのセーラム・アル=ドサリ。 (ロイター)
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18 Feb 2020 12:02:36 GMT9
18 Feb 2020 12:02:36 GMT9
  • アジア有数のサッカー国であるサウジアラビアは、アジア大陸で最も名誉ある国際大会を開催したことがない
  • 中国が2023年の開催国となることは既に確定しているが、AFCは来年初頭までに2027年の開催国を発表することを決定した

アリ・カレド、ドバイ

アジア有数のサッカー国であるサウジアラビアが、アジア大陸で最も名誉あるこの国際大会を開催したことがないというのは依然として誰もが関心を寄せている話題である。

しかし、先週、サウジアラビアが2027年AFCアジアカップの開催に名乗りを上げたというニュースは、自国が3度の優勝を果たしているこの競技を遠くから見なければならなかったサッカーファンにとっては歓迎されるであろう。

サウジアラビアは、ことサッカーに間しては波乱万丈の歴史がある。

国の代表チームは、1956年のトーナメントの開始から1980年まで、予選ラウンドにも進出できなかった。4年後にようやく予選に出場してからは1984年にシンガポール、1988年にカタールで2回連続で大会での優勝を果たしている。

1996年にUAEで開催された大会では、4回目の出場で3度目の優勝を果たした。しかし、それ以降での最高の成績は、2000年に日本、2007年にイラクと決勝で戦ったが、いずれも敗れている。

中国が2023年の開催国となることは既に確定しているが、AFCは来年初頭までに2027年の開催国を発表することを決定した。

「トーナメントの規模を考えると、建設工事が必要となる可能性があり、それにはもちろん計画と時間が必要になります」とAFC(アジアサッカー連盟)のシェイク・サルマン・ビン・イブラヒム・アル=カリファ会長は言う。「世界クラスのイベントとしてのAFCアジアカップの地位に見合うよう、プレーヤー、ファン、放送関係者そして協賛企業のために最高の施設を設ける必要があります。」

サウジアラビアは、特にアジアの舞台でいくつかのクラブチームが活躍し、現在AFCチャンピオンズリーグのタイトルを保持しているアル・ヒラルを抱えていることもあり、大会の開催に向けた競争においてかつてないほど優位な地位に立っていると言える。

この地域の代表的なサッカー選手で、ウェブサイト「Ahdaaf」の創立者兼編集者であるワエル・ジャビル氏は、やっとその時が来たと語っている。

「サウジアラビアのAFCアジアカップ開催は、遅きに失したた感があると同時に、絶好のタイミングだというようにも感じています」とジャビル氏はアラブニュースに語った。「3度もアジアチャンピオンになり、アジア有数の国内リーグを持つこの国でアジアカップが開催されたことがないというのは、常に奇妙に感じていました。しかし今、この国ではすべての前向きな社会的・経済的変革も進められており、2027年はアジア全体にこの国のサッカーの伝統を披露する絶好の機会だと言えます。」

ゴルフ、モーターレース、競馬など様々なスポーツの国際的なトーナメントがサウジアラビアで開催されるようになってきた。これらのイベントのおかげで、世界中のスポーツファンはこの国をまったく新しい視点で見ることができるようになっている。

「サウジアラビアには豊かで多様な土着文化があり、これまで長い間、世界中の人々がアクセスするのは困難でした」とジャビル氏は言う。「観光ビザの新設や各種法律の緩和によって、アジアのサッカーファンはサッカーを中心としたサウジ文化を体験することができるでしょう。」

「The Asian Game」ウェブサイトとポッドキャストの編集を務め、AFCアジアカップの2つの大会を経験したポール・ウィリアムズ氏は、2015年に大会が開催された際、サッカートーナメントが母国オーストラリアに与えた影響を目の当たりにしている。

「アジアカップの影響は絶大なものです」と彼はアラブニュースに語った。「AFCの比較的新しいメンバーとして、オーストラリアは、サッカーの点でも文化的にも、いつも何かしら心地よくない関係をアジアと持っていました。そしてアジアカップが果たしたのは、こうした壁を打ち破ったということです。4週間にわたり素晴らしいサッカーを見ただけでなく、アジア文化とその多様性を発見することができました。大会は、多文化のオーストラリアにスポットライトを当て、オーストラリアの様々なコミュニティを祝うことにもなりました。」

ウィリアムズ氏は、UAEで開催された2019年大会のトーナメントにも姿を現している。

「全体としては楽しいトーナメントでした」と彼は言う。「おそらく、オーストラリアで経験したお祭り的なトーナメントの雰囲気は少し欠けていましたが、大会が目指していたのは、会場となる都市が非常に近いというトーナメントのコンパクトさでした。したがって、複数の試合を観戦するために都市の間を容易に移動することができますが、オーストラリアでは試合が行われる都市の間の距離が離れているのでそうは行きませんでした。また中東からも多くのチームが参加し、特にパレスチナやシリアなど、多くのゲームで雰囲気が非常に盛り上がりました。」

サウジアラビアでのトーナメントは、アジア各国からこの国に移り住んでいる人々に加え、特にアラブ諸国から多くのファンを引き付けることは間違いないだろう。サウジの人口規模や人口構成を考えると、大勢の人が集まる可能性が高く、また国内のサッカーにはすでに一部の周辺諸国よりも優れたファン文化がある。

「長い間アジアのサッカー界でサウジアラビアが注目されて来たことを考えると、まだトーナメントが開催されていないのは驚くべきことです」とウィリアムズ氏は言う。「この国が世界に向けて開こうとしているのは間違いありません。フォーミュラE、フォーミュラ1、WWEなどがここ数年サウジアラビアで開催されていますし、アジアカップの開催は当然の成り行きでしょう。サウジアラビアのファンは間違いなく歓迎してくれると思います。」

サウジアラビアはすでに多くの世界クラスのスポーツイベントを開催できることを示してきた。今度は、サッカーとAFCアジアカップが舞台の中央に立つ番である。

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