東京：日本政府の報道官は26日、コロナウイルス感染拡大の脅威にもかかわらず、国際オリンピック委員会（IOC）と地元の主催者は計画どおり東京五輪の準備を進めていると述べた。

菅義偉官房長官の発言は、IOCのベテラン委員、ディック・パウンド氏の、主催者が大会の運命を決めるには3カ月の期間が必要だという主張を受けたものだ。

オリンピックは7月24日に開幕し、1万1000人の選手が参加する予定。パラリンピックは8月25日に開幕し、4400人の選手が参加する予定。

パウンド氏はAP通信に対し、急速に広がるウイルスの影響で五輪を中止する可能性があると述べた。パウンド氏の意見は、東京五輪の中止・延期はないと重ねて言ってきたIOCの公式見解を反映していないと菅長官は述べた。

中国で始まったウイルスの感染拡大により、世界で8万人以上が感染し、2700人以上が死亡した。中国本土では7万8064人の患者のうち2715人が死亡したと報告されている。日本での5人の死亡は、ウイルスとそれが引き起こす疾患によるものとされている。

菅長官は定例記者会見で「委員の発言に対し、大会組織委員会がIOCから『公式見解ではなく、予定通り大会開催に向けて準備を進めている』との回答を得た」と日本語で話した。

パウンド氏はIOCの元副会長で、1978年から委員を務め、世界ドーピング防止機構（WADA）の初代会長を務めた。

彼はまた、カナダ代表として水泳でオリンピックに出場した。

パウンド氏はモントリオールからの電話インタビューで、IOCには決定するための3か月の期間があると述べ、イベントの変更や延期のような他の選択肢を選ぶ可能性は低いことを示唆した。

「その頃には人々はこう尋ねなければならないでしょう。『東京に行くことに自信が持てるほど、もしくは今、事態は収拾しているのですか』」とパウンド氏は述べた。

パウンド氏は、東京で競技を計画どおり進行できないとIOCが判断した場合、「おそらく中止を検討するでしょう」と述べ、今のところ開催されるというIOCの立場を繰り返した。

この3カ月の期間は、計画を固める必要があるスポンサーやテレビ局にも当てはまる。旅行者、アスリート、オリンピックの780万枚のチケットやパラリンピックの230万枚のチケットを手にしたファンは言うまでもない。

五輪が近づくにつれ、「多くのことをやり始めなければなりません。セキュリティ、食べ物、オリンピック村、ホテルを増やさなければなりません。メディア関係者はスタジオを建てているでしょう」とパウンド氏は話した。

ウイルスの脅威が高まっているようだ。

安倍晋三首相は26日、政府の対策会議で、主要なスポーツ・文化イベントを今後2週間は中止または延期するよう主催者に要請していると述べた。

「この1～2週間が感染拡大防止に極めて重要。主催者にこのようなイベントの中止・延期、または規模縮小などの対応を要請する」と首相は述べた。

具体的なイベント名は挙げなかったが、大勢の人が集まる全国的なイベントについて話したと首相は述べた。

橋本聖子五輪担当相は国会で、「成功させるためには、最悪のシナリオを作って運営を改善する必要があると考えています」と述べた。「東京オリンピックを安全に開催できるよう」計画は立てられていると付け加えた。

また、日本の共同通信26日、コロンビアのオリンピック委員会が日本南部での事前キャンプに参加しないことを決定したと伝えた。

AP