
ソウル:韓国大統領は今週、収監中の元法相でリベラル派の盟友、趙国(チョ・グク)被告を赦免する。この決定により、趙氏は選挙に出馬する権利を回復することになり、かつて大統領を目指すと見られていた政治家としてのキャリアが復活する可能性が高い。しかし、リベラル派の李在明大統領にとっては、分裂を招く動きとなる可能性もある。趙氏をめぐるスキャンダルは、教育熱心で熾烈な学校競争環境で悪名高いこの国で、神経を深く逆なでしていたからだ。
保守派の尹錫烈(ユン・ソクヨル)大統領を追放した後任として6月の早期選挙に勝利した李大統領は、趙氏をはじめとする有罪判決を受けた政治家や公務員(保守派も含む)の恩赦は、政治的結束を促進するのに役立つだろうと述べた。
しかし、保守派の人民権力党は、李大統領は傲慢であり、大統領権限を乱用して趙氏を釈放・復職させ、”未来の世代の公正さと常識を踏みにじった “と非難し、赦免を批判した。
同党はまた、李大統領が、戦時中の日本による性奴隷制の韓国人生存者を支援する団体を率いていた際に、資金横領の罪で有罪判決を受けた元リベラル派議員の尹美香(ユン・ミヒャン)氏を赦免するという決定を下したことにも批判的であった。第二次世界大戦後、朝鮮半島が日本の植民地支配から解放されたことを記念する金曜日の「解放記念日」には、有罪判決を受けた政治家、企業経営者、元政府高官など2,188人が恩赦を受ける。昨年4月の立法院選挙の前にマイナーな「祖国革新党」を立ち上げた趙氏は、最高裁判所が権力の乱用や、自分の子供たちをエリート校に入学させるために書類を偽造したなどの様々な容疑を支持したため、12月から2年間の実刑判決を受けていた。
2019年に勃発し、趙氏が法務大臣を辞任せざるを得なくなったこの論争は、格差拡大と激しい教育競争制度に悩む韓国で国民の怒りを煽り、当時のリベラルな文在寅大統領の人気に打撃を与えた。
趙氏の政党は6月の大統領選挙で李氏の立候補を支持した。大統領選挙は、尹氏が12月の短期間の戒厳令発動で4月に正式に罷免された後に実施された。
AP