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河野氏、イージス断念で脚光=「ポスト安倍」へ党内固め課題

こう豪語する河野氏は政策に明るいところを買われ、国家公安委員長、外相、防衛相と重要閣僚を歴任してきた。(AFP)
こう豪語する河野氏は政策に明るいところを買われ、国家公安委員長、外相、防衛相と重要閣僚を歴任してきた。(AFP)
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26 Aug 2020 01:08:56 GMT9
26 Aug 2020 01:08:56 GMT9

河野太郎防衛相が、陸上配備型迎撃ミサイルシステム「イージス・アショア」の導入断念をきっかけに脚光を浴びている。決断の早さや率直な物言いが好感され、世論調査では安倍晋三首相の「次の首相」に推す声も少なくない。自身も自民党の次期総裁選への出馬意欲を隠さないが、所属する麻生派を率いる麻生太郎副総理兼財務相は認めておらず、党内基盤固めが課題だ。

「初当選の頃から首相を目指してきた」。こう豪語する河野氏は政策に明るいところを買われ、国家公安委員長、外相、防衛相と重要閣僚を歴任してきた。最近では総裁選に向けた「政策集を書き上げた」と周囲に明かす。首相の健康不安がささやかれる中、河野氏の動向にも注目が集まっている。

発信力の高さも党内随一だ。閣僚らしからぬ軽妙なやりとりが好評で、ツイッターのフォロワー数は約165万に上る。首相の約210万には及ばないが、「ポスト安倍」候補に名を連ねる石破茂元幹事長や岸田文雄政調会長を大きく引き離す。選挙となれば、小泉進次郎環境相らとともに各地の応援演説に引っ張りだこの「顔」でもある。

陸上イージスは6月に迎撃ミサイルに改修が必要と判明すると、河野氏は「コストと期間を考えれば合理的ではない」と電撃的に計画停止を発表。配備候補地だった秋田、山口両県への謝罪に奔走した。こうした姿は世間に「英断」「誠実だ」と評価され、報道各社の6、7月の世論調査では「次期首相」の上位に食い込むようになった。

ただ、世間の好感度とは裏腹に、同僚議員の受けはいまひとつ。自他共に認める「合理主義者」とあって、根回しや合意形成が苦手だ。陸上イージス断念は党幹部に事前に知らせず、「何の相談もない」と二階俊博幹事長を激怒させた。野党時代の党総裁を務めた河野洋平元衆院議長を父に持つ出自から、周囲への配慮不足を「スーパーお坊ちゃん」とやゆする向きもある。

河野氏は自民党が政権を失った直後の2009年9月、当選5回で総裁選に立候補している。谷垣禎一前幹事長、西村康稔経済再生担当相と戦い、谷垣氏に次点で敗れた。

再挑戦へ後ろ盾と頼る麻生氏は、次期総裁候補に岸田氏を推していたが、最近では茂木敏充外相に傾いているとされる。7月17日、河野氏は麻生氏と都内の老舗ホテルで会食した。名物のステーキを頬張りながら政局の行方を語り合ったものの、期待した出馬への応援には触れられなかった。

「もっと人と飯を食え」「若手の面倒を見ろ」。麻生氏の叱咤(しった)を受け、河野氏は派内外の中堅・若手議員と食事会や勉強会を重ねている。まずは防衛相として、陸上イージスに代わる新たなミサイル防衛構築という難題に道筋を付けられるか、政治手腕と指導力が試される。

JIJI Press

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