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東京はスポンサーに五輪が本当に開催されることを納得させる必要がある

オーストラリアのシドニーで開かれたオーストラリア・オリンピック委員会(AOC)の年次総会で、国際オリンピック委員会のトーマス・バッハ会長(右)が、AOCのジョン・コーツ会長からAOC会長のトロフィーを贈呈される。(2019年5月4日撮影)(資料写真/AP)
オーストラリアのシドニーで開かれたオーストラリア・オリンピック委員会(AOC)の年次総会で、国際オリンピック委員会のトーマス・バッハ会長(右)が、AOCのジョン・コーツ会長からAOC会長のトロフィーを贈呈される。(2019年5月4日撮影)(資料写真/AP)
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22 Sep 2020 10:09:36 GMT9
22 Sep 2020 10:09:36 GMT9

パンデミックの中で来年の東京五輪を開催すること以上に難しい唯一の事は、経済混乱と懐疑の中、スポンサーを説得して数十億ドルを確保しておくことかもしれない。

今週、IOCのトーマス・バッハ会長は、考えを述べるため、多くの日本政府や都の職員、地元の主催者、その他の国際オリンピック委員会のトップリーダーらとともに、資金力のあるスポンサーに十分に力強く伝えられなかったメッセージを繰り返すだろう。私たちを信用してください。東京五輪は2021年7月23日に開幕します。

バッハ氏と、東京五輪の準備を監督するIOCのジョン・コーツ副会長は、24日、25日に会うときに、日本の当局者らとリモートで会談する予定だ。議題には、COVID-19対策の考案、検疫、入国する選手に関する規則、検査、ワクチン、観客の有無などが含まれている。

企業の詳細は、年末か2021年初めまで、ほとんど公表されないとみられていることが、その不確実性を説明している。

その意図は、五輪が開催されることをスポンサーに保証することだ。東京五輪組織委員会の武藤敏郎事務局長は、この話が広まっていないことを認めている。

「五輪が開催されそうだという事実、その事実自体が、一般の人々に完全には広まっていません」。武藤氏は先週、日本語でこう述べた。「五輪が確実に開催されることを人々はもっと確信する必要があります」

日銀の元副総裁である武藤氏は、契約を更新している国内スポンサーの数については明言を避けている。同氏は68のスポンサーについて、こう話している。「どこも前向きです」

「まだ交渉中です。具体的な結果について話す段階ではありません」

調査によると、日本の企業と一般の人々の大多数は、来年五輪が開催されるとは思っていない、もしくは開催されるべきではないと思っている。日本の放送局NHKが6月に発表した世論調査によると、スポンサーの3分の2がもう1年延長するかどうか決めていない。

国内スポンサーを確保しておくことは財政的に重要だ。国内スポンサーは、日本の大手広告代理店である電通によって集められ、過去最高となる33億ドルを東京五輪組織委員会に支払った。これは過去の五輪の少なくとも2倍である。これに加え、IOCと長期契約を結んでいる、恒久的な五輪スポンサーが十数社ある。東京五輪主催者と個別契約を結んでいる所もある。

サウスカロライナ大学でスポーツ法を教えるジョン・グレイディ氏は、延期により「数え切れないほどの問題と波及効果が生じた」と話した。

「東京大会が、観客をほとんど入れないか、数を制限して行われるという不確定要素を考えると、地元スポンサーは、現地の観客にリーチできないとすれば、より多くのスポンサー資金を投資することに慎重になるのは当然でしょう」と、グレイディ氏はAP通信に宛てた電子メールで書いた。「五輪を象徴する、より幅広い国際的なファン基盤がなければ、開催都市の五輪会場周辺での地元スポンサーによる活性化の取り組みを見る手段を持つ、世界中の観衆が減ってしまうでしょう」

こういった不確実性にもかかわらず、調和とチームワークが重視され、国家への忠誠が問われかねない国では、スポンサーが手を引くことは難しいだろう。

日本にも五輪を支援してきた長い歴史があり、意思決定の役割を担っている多くの人々は、1964年東京五輪のプラスの影響を懐かしげに思い出している。その大会は、敗戦からわずか19年後に日本が生まれ変わったことを見せた。

ニューヨークのラガーディア・コミュニティーカレッジで日本のスポーツや歴史を学んでいるRobin KietlinskiさんはAP通信のインタビューで、「このイベントは日本にとって本当に良いものだという強い物語が根底にあります」と話した。

「五輪をスムーズに進行させ、日本に何らかの利益をもたらさなければならないという歴史的な圧力のようなものがあると思います」と彼女は付け加えた。「それは財政的なものなのか、それとも自分たちの会社を見てもらうことなのか。台頭する中国、そして、特に1964年と比較して、日本が少し、この巨大な隣国の影に隠れていることに関しては、過剰なところがあります」

1万5400人のオリンピック・パラリンピック選手、スタッフ、関係者が東京に集まることがどの程度安全なのかについて、日本の主催者はほとんど語っていない。

バッハ氏は今月、「環境は、東京に関して言えば、現在の環境とは異なるものになるでしょう。どうしたらいいのかいいのか私たちには分かりません」と述べた。

バッハ氏は、すぐに結果の出る検査とワクチンが利用可能であったとしても、それらは「魔法の解決策」にはならないだろうと述べた。

オックスフォード大学が先週発表した調査によると、今回の東京五輪は、1960年以降の夏季五輪の中で最も費用が掛かっている。しかも、費用を示すメーターはまだ動き続けている。

日本の共同通信社も今週、東京の五輪招致を援助した思われる贈収賄スキャンダルに関するさらなる詳細を再び報じた。

日本の早稲田大学で政治学を教えているデイビッド・レーニー氏は、スポンサーとの 「激論」が行われていることを示唆した。

「私の推測では、スポンサー契約の負担を少なくするための一連の交渉が行われます。企業は、まとまったままであれば、条件に関してほとんどの手の内を見せないでしょう」とレーニー氏は電子メールで書いた。

「主催者は、どのスポンサーもあきらめたくありませんが、パンデミックと景気後退の真っただ中で法外な要求をするごろつきのように見られたくもありません……スポンサーをあきらめたとみなされる最初の主催者には誰もなりたくありません」

AP

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