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日本の海上ミサイル防衛システム構築計画、コスト増に直面

PAC-3地対空ミサイル発射装置が日本の防衛省に。(AFP)
PAC-3地対空ミサイル発射装置が日本の防衛省に。(AFP)
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22 Oct 2020 08:10:43 GMT9
22 Oct 2020 08:10:43 GMT9

=日本のミサイル防衛システムを海上に設置するには、現在中断しているイージス・アショアの地上配備計画の少なくとも2倍の費用がかかり、2028年まで延期される可能性があると、計画を知る人物がロイター通信に語った。

ロッキード・マーチン社の強力なレーダーを搭載した日本のイージス・アショアシステムは、北朝鮮やその他の地域からのミサイル攻撃を迎撃することを目的としている。河野太郎前防衛相は6月、ブースターロケットが居住地に落ちる可能性を理由に、建設に約20億ドルかかるはずだった2つの陸上施設の建設計画を中止した。

その代わりに、海上プラットフォームや船上にシステムを設置することを提案した。

防衛省は、イージス艦の石油採掘基地のようなプラットフォームへの設置や、改造した商船や艦艇への設置など、いくつかの案を検討している。河野氏の後継者である岸信夫防衛相は、年末までにイージス・アショアの今後について決定を下すと述べている。

計画の遅れとコストの上昇により、陸上設置計画への支持を再燃させる可能性もある。日本の財政が、巨額のコロナウイルス経済援助費のせいで膨らんだ負債によってひっ迫しているためだ。

ある防衛省関係者は、海上ミサイル設置のために新たにどれだけの金銭的・時間的コストがかかるかは分からないと述べた。イージス・アショアの陸上版のミサイルシステムは、2025年に運用される予定だった。「案の中には、迎撃ミサイルの値段と運用費用を含めずに40億ドル以上の費用がかかる可能性があるものもあった。燃料、メンテナンス、より多くの乗組員が必要となるため、陸上版の予算を上回るだろう」と、予算見積に関する防衛省役人による議論に立ち会った、この問題に詳しい人物は語った。

その人物は計画の機密性を理由に、身分を明かすことを拒否した。

日本の防衛省によると、駆逐艦には約300人の乗組員が必要で、陸上版に必要な人数の約10倍の人数が要るという。

宇宙空間で弾頭を攻撃するように設計された迎撃ミサイルで武装したイージス・アショアのロッキード・マーチンSPY-7レーダーは、すでに日本の軍艦に搭載されている古いイージス艦のレーダーの少なくとも3倍の射程距離を持っている。

「私たちは何でも日本が必要なことをサポートするためにここにいるのです。我々としては、我が社のシステムを採用しないという選択肢はあり得ません」。日本のイージス・アショアを含むロッキード社の海外ロータリー・ミッションシステム事業を担当するトム・ローデン副社長は述べた。「ここでの焦点は、日本が自国を守るために必要な能力を与えるということです」

2019年、日本は初めて中国を主要な安全保障上の脅威として挙げ、急増する中国の防衛費と軍事行動について指摘した。日本はまた、日本周辺でのロシアの活動の再燃を懸念していると述べている。

日本は通常、米国が建設した大規模な軍事プロジェクトには、米国政府の対外有償軍事援助プログラムを通じて支払いをしている。しかしロッキード社からは直接SPY-7を購入しており、既に3億ドルの契約金の半分を支払っている。

一方でイージス・アショアが海上に拠点を置くというニュースは、2018年にロッキードとの契約を失ったレイセオン・テクノロジーズを煽り、同社は日本へのSPY-6レーダーの売り込みを目論んでいる。

防衛省当局はSPY-7の方を高く評価しており、そちらを採用するつもりであると話している。しかし、元防衛副大臣の佐藤正久外務副大臣など、日本の与党自民党の有力議員の中にはSPY-6を支持している者もいる。米海軍が新型駆逐艦イージス・アショアでの使用を計画しているためだ。

ロイター

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